しゃっくりの止め方とは?長時間止まらない場合の対処法を解説

リリース日:2023/05/18 更新日:2025/10/02

突然しゃっくりが出て、恥ずかしい思いをしたことがある人もいるのではないでしょうか。しゃっくりは誰にでも起こりうる生理現象ですが、長く続く場合は病気のサインかもしれません。ここでは、しゃっくりの原因や止め方、対処法を紹介します。

  1. しゃっくりとは
  2. しゃっくりが出る原因
  3. しゃっくりの止め方
  4. 長時間しゃっくりが止まらない場合の対処法
  5. しゃっくりが止まらない場合は、複数の対処法を試してみよう!

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しゃっくりとは

鼻と口をおさえる女性

しゃっくりとは、医学的に「吃逆(きつぎゃく)」と呼ばれ、呼吸に関係する反射のひとつです。咳やくしゃみと同じく、しゃっくりは無意識のうちに起こる反応です。そのため、自分の意思でしゃっくりを出したり止めたりすることはできません。


しゃっくりは、横隔膜の痙攣(けいれん)と声門閉鎖が原因といわれています。痙攣とは、自分の意思とは関係なく筋肉が動く現象のことです。例えば、顔がピクピクと動いたり、足がつったりするのも痙攣の1種です。

 

横隔膜は、呼吸をするうえで最も重要な筋肉のひとつです。特に息を吸う際に、この筋肉が収縮して平らになることで、肺が広がり、空気を吸い込むことができます。この横隔膜が痙攣すると、呼吸にともなってしゃっくりが出ます。痙攣する主な原因は、横隔膜周辺への外からの刺激です。

しゃっくりが出る原因

FACTORと書かれた積み木

しゃっくりが出る原因はさまざまですが、今回は代表的な6つを紹介します。

大食い、飲みすぎ、早食い

大食いや飲みすぎ、早食いをすると、胃が急激に膨らみ、そのすぐ上にある横隔膜が物理的に圧迫されます。その結果、横隔膜が痙攣してしゃっくりを引き起こすのです。また、冷たいものや熱いものを一気に飲み込むのも原因のひとつです。


食べものはよくかんでから飲み込み、飲みものの一気飲みはしないように注意しましょう。

炭酸飲料を多量に飲む

炭酸飲料は炭酸ガス(二酸化炭素)を含むため多量に摂取すると、胃の中にガスがたまり、胃が膨らむことで横隔膜を刺激し、しゃっくりが出ます。炭酸飲料が好きでしゃっくりがよく出る人は、1度に摂取する量を少なくするなどの対策が必要かもしれません。

感情の変化

感情の急激な変化による、笑いすぎや泣きすぎなどがしゃっくりの原因となってしまう場合があります。特に反射を抑制する力がまだ十分に発達していない子供は、大泣きすると引きつけるようなしゃっくりが出ることがあります。これも、泣いたことで横隔膜に刺激が加わるためです。

 

ほかにも、ストレスや緊張、不安などの感情の変化により、自律神経のバランスを崩し、横隔膜を刺激することもあります。

アルコールの摂取

アルコールを飲むことも、しゃっくりを引き起こす原因のひとつです。しゃっくりは、脳にあるGABA(ギャバ、γアミノ酪酸)という神経伝達物質の働きによって、普段は簡単に反射が起きないように抑えられています。

しかし、アルコール摂取で神経系の働きが鈍くなると、GABAで抑えられていたしゃっくりの反射が抑えられなくなります。そのため、アルコールを摂取するとしゃっくりが出やすくなるのです。

タバコの吸いすぎ

喫煙は肺に刺激を与えるため、横隔膜の痙攣の引き金になります。ヘビースモーカーで、日常的にしゃっくりが出やすいと感じている人は、喫煙が原因の可能性があります。

薬の副作用

薬の副作用によってしゃっくりが出ることもあります。気管支を広げる薬や、血圧を下げる薬、ステロイドなどが、しゃっくりの原因として知られています。

肺の持病や高血圧でしゃっくりが出る人は、薬の副作用を疑っても良いかもしれません。特に、薬を飲んだ後にしゃっくりが出る場合は要注意です。薬を処方された病院や薬剤師に相談してみましょう。




しゃっくりの止め方

しゃっくりの止め方

しゃっくりは多くの場合、数分で自然に止まりますが、人前や大事な仕事中など、今すぐに止めたい場面もあるでしょう。しゃっくりが止まらなくて困る際の対処法を7つ紹介します。

10〜20秒ほど息を止める

目安として10〜20秒ほど息を止めると、しゃっくりが止まりやすくなります。しゃっくりの原因は呼吸に使う筋肉である横隔膜の痙攣のため、息を止めて横隔膜の動きを抑えると、しゃっくりも止まりやすくなると考えられています。

ただし無理は禁物です。長く息を止め過ぎると、しゃっくりが止まったとしても酸欠になり、頭痛や吐き気を起こす可能性があります。あくまで横隔膜の動きを少なくして、痙攣を落ち着かせることが目的です。

両耳の穴に指を入れて30秒押し続ける

両耳の穴に指を入れて30秒押し込みます。なるべく奥まで指を入れると効果的ですが、痛みを感じるほど無理に入れないようにしましょう。耳の奥にある神経を刺激することで、しゃっくりが止まりやすくなります。息を止めるよりは危険が少なく、特別な道具も必要ないため、実践しやすいでしょう。

舌を30秒前後強く引っ張る

しゃっくりを起こす経路には神経が関わりますが、そのひとつが舌の感覚や水や食べものの飲み込み(嚥下「えんげ」)に働く舌咽神経です。

舌を引っ張ると、しゃっくりの反射の経路である舌咽神経に刺激を与え、反射を抑制します。ただし、強く引っ張ると舌に痛みが出たり、傷をつけたりするため注意しましょう。また、痛みが出るまで引っ張らなくても、何度も繰り返すと舌を痛める可能性があります。

袋の中で息をする

袋で鼻と口を覆い、その中で呼吸をすると、しゃっくりが止まりやすくなります。これは、血液中の二酸化炭素濃度が上昇するためです。 普段は空気を吸う時に酸素を取り込み、息を吐く時に体内の二酸化炭素を体の外に出しています。袋に空気をためながら呼吸すると、排出された二酸化炭素をもう1度取り入れることができます。これにより血液中の二酸化炭素レベルが上昇し、しゃっくりを起こす反射が抑えられるのです。

なお、使用する袋は、ビニール袋よりも紙袋がおすすめです。ビニール袋は鼻にくっつき、袋の中での呼吸がしにくくなるためです。また、重症の人や子供・お年寄りの場合は、医師に相談するなど、安全を確認して行いましょう。

深呼吸する

深呼吸すれば、しゃっくりが止まることもあります。「息を深く吸い込み、長くゆっくりと吐く」のがポイントです。呼吸を大きくゆっくりと行うことで、横隔膜の痙攣を落ち着かせる効果が期待できます。

前述した息を止める方法と組みあわせても良いでしょう。以下のポイントを意識して試してみてください。

 

  • 限界まで大きく息を吸い込む
  • 5〜10秒ほど息を止める
  • ゆっくりと長く息を吐く
  • しゃっくりが止まるまで繰り返す

深呼吸と息止めをあわせて繰り返せば、いつの間にかしゃっくりが止まる場合があります。

水を飲む

コップに入った水をゆっくりと飲むことで、しゃっくりが止まりやすくなります。「下を向いて水を飲む」「コップの反対側の縁に口をつけて水を飲む」など、バリエーションがありますが、ゆっくり時間をかけて飲むのがポイントです。

また、水を飲む間は呼吸がしにくいため、息を止める方法や袋の中で息をする方法と同様に、血中の二酸化炭素濃度が上がりやすくなります。

水をこぼさないように飲むと注意を向ける対象が変わるため、しゃっくりの反射を起こす神経が落ち着く効果も期待できるでしょう。

レモンをかむ

レモンをかむ方法も、しゃっくりを止める可能性があります。レモンによる強い酸味が迷走神経を刺激して、横隔膜の痙攣を抑える効果が期待できます。

生のレモンが家庭にない場合は、レモンに似たもので代用してもかまいません。酸味を感じられれば、生レモンにこだわる必要はなく、レモンの入っているシロップやお酢でも代用できます。しゃっくりの反射を命令している脳のスイッチを切り替えるのが目的のため、レモンでなくても良いのです。

長時間しゃっくりが止まらない場合の対処法

入院している男性と医師

しゃっくりのほとんどは数分から数時間で自然に止まりますが、数日や数週間続く場合は注意が必要です。思わぬ病気のサインかもしれないため、たかがしゃっくりと安易に考えないようにしましょう

しゃっくりは持続する期間によって以下の3つに分類されます。

しゃっくりの分類

名称 持続期間
急性吃逆/一過性吃逆 48時間以内
持続性吃逆 48時間以上1カ月以内
難治性吃逆 1カ月以内
 

しゃっくりが48時間以上続く場合は、何らかの病気が原因となっている可能性があります。長時間続く場合には、命に関わるケースもあることを覚えておきましょう。

しゃっくりの原因となる病気には、以下のものがあるといわれています。

しゃっくりが症状として現れる病気

原因となる器官 病名(一例)
消化器系(胃・腸など) 胃食道逆流症、胃炎、胃潰瘍、腸閉塞、肝炎など
呼吸器系(気道・肺など) 肺炎、気管支炎、肺がんなど
中枢神経系(脳・脊髄など) 脳腫瘍、脳卒中、脳炎、パーキンソン病など
代謝性・内分泌系(腎臓など) 腎不全、糖尿病、電解質異常など
心血管系(心臓・血管など) 心筋梗塞、大動脈瘤など
 

「たかがしゃっくり」と油断して放置すると、重大な病気につながる恐れがあります。しゃっくりが48時間以上続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう

しゃっくりが止まらない場合は、複数の対処法を試してみよう!

水が入ったコップを見つめる女性

今回はしゃっくりが出る原因や一発で止める方法を解説しました。しゃっくりは突然起こり、状況によっては恥ずかしさや不快感を覚えることもあります。しゃっくりが止まらない場合は、深呼吸や水を飲むなど複数の方法を試してみましょう

しゃっくりを止める方法を試しても治らず、48時間以上継続する場合は病気の可能性もあります。消化器や脳・神経の病気などの原因も考えられ、放置すると悪化する危険もあります。早めに病院を受診するようにしましょう。

オレンジライン

しゃっくりは誰にでも起こりうる生理現象ですが、長く続く場合は身体の不調のサインかもしれません。日頃から体調管理に気を配り、急な体調不良に備えておくことは大切です。楽天カードは、急な体調不良で医療機関を受診する際にも、キャッシュレスでスムーズなお支払いが可能です。もしもの時も慌てずに対応できるでしょう。

 

※この記事は2025年9月時点の情報をもとに作成しております。

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このテーマに関する気になるポイント!

  • しゃっくりはなぜ出るのですか?

    しゃっくりは、医学的に吃逆(きつぎゃく)と呼ばれ、横隔膜の痙攣と声門閉鎖が原因で起こります。胃への刺激や感情の変化、アルコールの摂取、喫煙などが引き金となることがあります。

  • しゃっくりを早く止めるにはどうすれば良いですか?

    しゃっくりを早く止める方法としては、息を10〜20秒ほど止める、両耳の穴に指を入れて30秒押す、舌を強く引っ張る、袋の中で呼吸する、深呼吸をする、水を飲む、レモンをかむなどの方法が効果的とされています。

  • しゃっくりが止まらない場合は、どうしたら良いですか?

    しゃっくりが止まらない場合は、まずは水を飲むなどさまざまな対処法を試してみましょう。それでも止まらず、48時間以上続く場合は、病気が原因の可能性も考えられます。その際は、消化器科や神経内科など専門の医療機関を受診するようにしましょう。

  • しゃっくりが長く続くのはどのような病気のサインですか?

    しゃっくりが48時間以上続く持続性吃逆や、1カ月以上続く難治性吃逆の場合は、特定の病気が原因である可能性があります。胃炎、胃潰瘍などの消化器系の病気、肺炎や肺がんなどの呼吸器系の病気、脳腫瘍や脳卒中などの中枢神経系の病気などが挙げられます。




やすし
この記事を書いた人
2級ファイナンシャル・プランニング技能士 理学療法士
やすし

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

金融・医療分野をおもに執筆するwebライター。3人の子どもを持つ父親で、子育て世代を中心に役立つ情報を提供しています。教育資金・老後資金作りのためNISAを活用した資産運用を実行中です。お金の悩みを解決できる記事を心がけています。

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