持株会は利用すべき?仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく解説!

リリース日:2021/06/22 更新日:2024/07/26

従業員持株会は給与天引きで自社株を取得できる制度です。奨励金や配当金がもらえるメリットがある一方、リスク集中や元本割れといったデメリットがあります。従業員持株会の仕組みについて詳しく見ていきましょう。

  1. 持株会とは
  2. 従業員持株会の仕組み
  3. 持株会で取得した株は途中で売却できる?
  4. 持株会で積み立ての停止や退会はできる?
  5. 従業員が持株会を利用するメリット
  6. 従業員が持株会を利用するデメリット
  7. 持株会は会社側のメリットが大きい?
  8. 持株会のリスクを知って適切に利用しよう

持株会とは

持株会とは、定期的に資金を拠出して、その会社の株式を取得する制度。従業員を対象にした従業員持株会、役員を対象にした役員持株会、取引先を対象にした取引先持株会などがあります。

従業員持株会の仕組み

従業員持株会の仕組み

持株会の中でも、多くの人に関係するのが従業員持株会です。従業員持株会は従業員の給与や賞与から天引きでお金を集め、自社株を購入します。購入した自社株は拠出金に応じて、各従業員に分配されます。

 

これだけでは普通の積み立てとあまり変わらないと感じる人もいるかもしれません。持株会ならではの魅力として、会社が付与する奨励金があります。奨励金が10%とすると、1万円の拠出に対して1万1,000円分の自社株が取得できます。

持株会で取得した株は途中で売却できる?

持株会で取得した株も売却することができますが、持株会で現金化することはできません。まずは持株会が委託している証券会社に口座を作り、持株会から株式を移して売却します。このとき、1単元に満たない株は証券口座に移せません。単元未満株の精算については持株会に直接問い合わせる必要があります。

持株会で積み立ての停止や退会はできる?

持株会で積み立てをやめたくなったら、停止や退会をすることができます。停止は積み立てをやめるだけで、持株会で取得した株式はそのまま保有し続けるため、配当金で少しずつでも資産が増えていきます。

 

一方、持株会そのものをやめたい場合には退会手続きを行います。持株会で取得した株式は個人口座に振り替えられます。持株会は一度退会してしまうと原則として再加入できないため、慎重に決めましょう。

従業員が持株会を利用するメリット

従業員が持株会を利用するメリット

・奨励金がある
奨励金は持株会によって異なりますが、拠出金に対して10%の奨励金がもらえるケースもあります。近年の低金利の状況では、持株会も有効な運用先になります。

 

・配当金がある
持株会で取得した株式でも配当金がもらえます。ただし、配当金は自動的に再投資されます。

 

・給与天引きで手間がかからない
持株会なら給与天引きで自動的に株式を取得できます。一度手続きすれば自動的に拠出できるので、手間がかかりません。

 

・ドルコスト平均法が使える
ドルコスト平均法とは、決まった時期に決まった金額を拠出し続けることで平均取得単価を下げる方法です。持株会でも同じ効果が期待できます。

 

・少額から株を取得できる
通常、最低単元の株を買うには数万円~数十万円必要です。持株会は1,000円から参加できるので、気軽にはじめられます。

従業員が持株会を利用するデメリット

従業員が持株会を利用するデメリット

・給与と投資先のリスク集中
持株会最大のデメリットは、給与と投資先が同一になることでリスクが集中することです。多くのサラリーマンにとって、収入の大半を占めるのが給与でしょう。その給与で自社株を買うと、資産運用まで会社に依存することになります。会社の業績が悪化したら、収入だけでなく資産までダメージを受けてしまうかもしれません。リスクが過度に集中しないよう、持株会は投資先のひとつとして考え、ほかの投資先にも資産を分散することをおすすめします。

 

・売却に時間がかかる
通常の株式の売買と違い、持株会で株を売却するには時間がかかります。

 

・株価が上がるとは限らない
どの投資にもいえることですが、プラスになるとは限りません。10%の奨励金がついているにもかかわらず、元本割れするケースもあります。

 

・株主優待がもらえない
株主優待は株式投資の楽しみの一つですが、持株会では株主優待がもらえません

持株会は会社側のメリットが大きい?

従業員持株会は従業員以上に会社側のメリットが大きいと言われています。従業員が自社の株を持つことで、業績が上がれば自分の利益にもつながるというモチベーションアップが期待できるからです。また、自社株を従業員に持ってもらうことで、株主構成が安定します。敵対的な買収者への抑止力や、安定した株価形成にもつながるでしょう。

 

その一方で、企業には奨励金を出さなくてはならないというデメリットがあります。それで経営が苦しくなってしまったら本末転倒です。

持株会のリスクを知って適切に利用しよう

従業員持株会のメリット・デメリットを理解いただけたでしょうか。給与の大部分を持株会に拠出するのはおすすめできません。リスクを知った上で少額ずつ積み立てるとよいでしょう。

 

持株会を利用する場合には、リスク分散のために持株会以外の投資先を持つことが大事です。iDeCoつみたてNISAを利用すれば、税制面でもメリットが大きく、将来の資産形成に役立ちます。

 

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このテーマに関する気になるポイント!

  • 持株会とは

    定期的に資金を拠出して、その会社の株式を取得する制度。
    従業員持株会、役員を対象にした役員持株会、取引先を対象にした取引先持株会などがあります。

  • 従業員持株会とは

    従業員の給与や賞与から天引きでお金を集め、自社株を購入。購入した自社株は拠出金に応じて、各従業員に分配されます。

  • 持株会で取得した株は途中で売却できるのか

    売却することはできるが、持株会で現金化することはできません。持株会が委託している証券会社に口座を作り、持株会から株式を移して売却をします。

  • 持株会で積み立ての停止や退会はできるのか

    停止や退会をすることができます。停止は積み立てをやめるだけで、持株会で取得した株式はそのまま保有し続けます。
    持株会をやめたい場合は退会手続きを行います。

  • 従業員が持株会を利用するメリットは

    ・奨励金がある
    ・配当金がある
    ・給与天引きで手間がかからない
    ・ドルコスト平均法が使える
    ・少額から株を取得できる

  • 従業員が持株会を利用するデメリットは

    ・給与と投資先のリスク集中
    ・売却に時間がかかる
    ・株価が上がるとは限らない
    ・株主優待がもらえない

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。なお、本コンテンツは、弊社が信頼する著者が作成したものですが、情報の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。あらかじめご了承ください。




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宮島ムー
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)/宅地建物取引士
宮島ムー

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

関西に住む子育て中の主婦です。 お金や不動産に興味があり、日商簿記1級・FP2級・宅建などの資格を独学で取得しました。 記事ではなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明するよう心がけています。

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