3年間で資産1,000万円を達成した元浪費家が語る、モチベなしでお金を貯める「ほったらかし投資」
資産を増やしながら、旅行や外食も上手に楽しむ!家計簿をつけずに夫婦で資産を増やす、自動化の仕組み構築法とは?
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
結婚や出産のタイミングで、「お金のことをちゃんと考えよう」と思い、家計管理に取り組み始めたという人は多いでしょう。一方で、「家計簿をつけることが続かない」「夫婦でお金の話をしようとしたら喧嘩になってしまう」「漠然としたお金の不安が消えない」などという悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
今回は、試行錯誤の末に夫婦で家計管理を始め、「家計簿なし」で貯金ゼロから5年で資産3,000万円を達成したもとこさんに、その秘訣について伺いました。
- 出産を機に家計管理を開始。とはいえ、家計簿は続けられず…
- 出費はアプリの項目でざっくり仕分け。もとこさんの家計管理ルーティンとは
- まずは出費の傾向の把握から。アプリを使って手間なく管理できる仕組みを作ろう
- お金の話をフラットにできる夫婦になるには
出産を機に家計管理を開始。とはいえ、家計簿は続けられず…
マネ活編集部:もとこさんは「家計簿なしでお金を貯める」という表現で発信されていますが、本当に家計簿を一切つけていないのですか?
もとこさん:家計簿に対して、つけるのが面倒くさい、時間や手間がかかるという印象があるため、そういう手間や面倒くささがないやり方をしているという意味で「家計簿なし」と言っています。家計簿をつけて、金額が合うか毎月振り返って…ということはしていないというだけで、家計を把握できるようにはしているんですよ。
マネ活編集部:そうなんですね。詳しいやり方については後ほど伺いたいと思います。まず、今のスタイルに行き着くまでにどのような変遷を辿ってきたのでしょうか。
もとこさん:結婚当初は共働きで、それぞれ自分のお金は各自で管理していました。当時は何も考えず入ってきた分を使うといった具合で、ちゃんと管理してはいなかったですね。
家計管理に目を向けたのは、出産がきっかけです。そのタイミングで夫婦の家計をひとつにまとめ、家計管理を始めることにしました。とりあえず手書きの家計簿をつけ始めてみたのですが、全然続けられなかったですね。子育てでいっぱいいっぱいで、時間も体力もなくて。子供1人あたり育てるのに数千万円が必要というニュースを見たり、実際のところ教育費にどれぐらいかかるのかわからず不安を感じたりすることが多くありました。その一方で、何もできずに時間が過ぎていき、貯金もきちんとできないという状態でした。
マネ活編集部:その状態から、どのようにして脱却できたのでしょうか?
もとこさん:家計簿アプリを入れてみたことがきっかけになりました。しばらくは紙の家計簿もつけていたのですが、2人目が生まれた頃にはアプリのみで管理をするように。同時に積立投資にも取り組み始めました。今はその家計簿アプリで家計の管理、把握をしています。さらに出費をカード払いに統一することで、カードの利用が家計簿アプリに自動で反映されるようになり支出の管理がしやすくなりました。子供の集金など、一部現金払いのものもありますが、避けられる現金払いはできるだけ避けているので、自分で入力しなければならない出費はほぼありません。
マネ活編集部:だから、「家計簿づけ」がないとおっしゃっているんですね。
もとこさん:そうなんです。先取りで貯金と投資に回す金額を決めて自動で貯められるようにし、残った金額で生活しています。
マネ活編集部:家計簿アプリはずっと同じものを使っているんですか?
もとこさん:はい。そもそも、私が家計簿アプリを入れた当時はあまり種類がなく、選ぶ余地があまりありませんでした。ただ、最初は無料版を使っていたのですが、総資産を見られるようにしたい、夫と共同で使いたい、登録できる銀行口座の数の制限をなくしたいということで、今は月額500円の有料版を使っています。総資産の推移が見られるようになったので、モチベーションの維持にも役立っていますよ。
出費はアプリの項目でざっくり仕分け。もとこさんの家計管理ルーティンとは
マネ活編集部:先ほど、貯金と投資を先取りし、残りの金額で生活するというお話がありました。出費の管理についてはどうされているのでしょうか。
もとこさん:アプリで項目を分けられるのですが、私は「固定費」「変動費」「趣味費」「交際費」にしか分けていません。固定費には家賃、ローン、子供の習い事など教育費関係をすべて入れていて、変動費には食費や日用品費などが含まれています。趣味費は夫の小遣い、交際費は私の小遣いで、小遣いという名称がないのでそれらを充てているという感じですね。こうして分けたうえで、変動費は月いくらぐらい、とざっくり予算を決めて管理しているだけです。
マネ活編集部:どこかのタイミングでアプリを見て把握するようにしているんですか?
もとこさん:そうですね。月末に夫婦で確認するようにしています。予算より数万円多く出ている月もありますが、総資産が増えていればOKとゆるく捉えるようにするのが我が家流です。あと家計管理に使う時間は、集金などの現金出費の手入力をする時ぐらいですね。
マネ活編集部:では、ルーティンとしては月末のチェックぐらいなのでしょうか。
もとこさん:はい。アプリを見ながら夫婦で感想をざっくり述べ合い、翌月の予定を見ながら、「来月は子供の誕生日があるから、このタイミングでお金を使いそうだね」など、普段とは異なる出費について話すようにしています。
気を付けているのは、出費のダメ出しにならないようにすること。「今月は使い過ぎちゃったね」と話すことはありますが、具体的に「この出費が良くなかった」というダメ出しは互いにしないことをルールとしています。具体的に話すなら「ここにお金を使って良かったね」とポジティブなものだけにしていますね。
マネ活編集部:ダメ出し合戦になると喧嘩になってしまいそうですもんね。1年でのルーティンはありますか?
もとこさん:年単位でも月単位とさほど変わらないですね。普段と違うのは、年始と年度初めのタイミングで今年・今年度にやりたいこと、行きたい場所について話すことでしょうか。年始は区切りが良いですし、年度初めは進級進学のタイミングで習い事を始めたいなどという話題が出てくるので、「その出費を捻出するにはどうしたらよいのか」を話すのには絶好のタイミングなんです。
マネ活編集部:例えば、直近ではどういった話が出ましたか?
もとこさん:2024年は子供からUSJに行きたいというリクエストがあったので、その予算をボーナスで確保する予定にしています。あとはいつもと違う出費予定は今のところなく、誕生日プレゼントなどでの支出くらいかなという感じですね。
|
|
まずは出費の傾向の把握から。アプリを使って手間なく管理できる仕組みを作ろう
マネ活編集部:もとこさんと同じような方法での家計管理が向いている人、向いていない人について、どう思われますか?
もとこさん:向いていない人は特にいないと思います。私の方法は、どうしても家計簿が続かない人、家計簿をつけ始めるとお金を使うことにストレスを感じ始めてしまう人におすすめですね。
私がそうなのですが、家計簿をつけるときに収支を合わせることに一生懸命になってしまって、数字が合わないとストレスを感じてしまうんですよね。家計簿をつけることが手段ではなく目的になってしまっているなと。あと、私は家計簿をつけることでお金のことで頭がいっぱいになってしまい、出費を減らすことばかりを考えてしまっていたので、それもストレスでした。そうしたストレスを感じずに家計簿をつけられるタイプの人であれば、家計簿をつけることに越したことはないとは思います。
マネ活編集部:気持ちよくお金が使えなくなるのはしんどいですね。
もとこさん:しんどかったですね。家計管理をするのは、「旅行に行きたい」「子供に習い事をさせてあげたい」といった目的を達成するためだと思っています。目的は1カ月で達成できるものばかりではありませんから、長期にわたって家計を管理できる方法を選ぶべきなんですね。それが私の場合は紙の家計簿ではなく、家計簿アプリでのざっくり管理、先取り貯金と先取り投資だったんです。
マネ活編集部:今からもとこさん流のやり方で家計管理を始めようと思ったら、どのように進めていけば良いでしょうか。
もとこさん:家計簿アプリをダウンロードしてクレジットカードを登録して、どこにいくら使っているのか支出を見るところから始めましょう。3カ月くらい様子を見ていれば、出費の傾向が見えてくるので、そこから無駄なものを減らしていってください。その後、例えば20代の方であれば、30代でどうしたいのかなど、先の目標を決めてみる。限られた収入でいかに満足して生活できるかを考えて、家計管理のモチベーションを上げましょう。
マネ活編集部:貯金や投資にはどれぐらいの割合を割くのが良いでしょうか。
もとこさん:まずは収入の1割から始めてみて、厳しいなと感じたら調整すると良いでしょう。投資に関しては、貯金に割ける金額の一部を使って始めてみるのが良いと思います。2万円を貯金に回せるなら、1万5,000円は貯金、5,000円は投資に回すといった具合ですね。
マネ活編集部:ある程度貯金が貯まったらではなく、同時に始めたほうが良いということですか?
もとこさん:私はとりあえず早く始めてみたほうが良いと思っています。投資は長期間できるほうがリスクを減らせますからね。勉強してから始めるより、少額から始めて少しずつ学んでいくほうが良いかなと思います。私ももっと早く投資を始めておけば良かったなと思っているんです。
お金の話をフラットにできる夫婦になるには
マネ活編集部:もとこさんは、夫婦で家計を管理しているというお話でした。アプリでの記録にはお互いの小遣いも含まれていましたが、プライベートの出費が互いに見えてしまうことに抵抗感はなかったのでしょうか。
もとこさん:お互いに何となく嫌な気持ちはありましたし、今も小遣い項目の出費はあまり見ないようにしています。詳しく見たところで喧嘩の種にしかならないですからね。
マネ活編集部:月末の振り返り時にダメ出しをしないというルールを決めたのも、喧嘩を防ぐためということでしたね。
もとこさん:そうなんです。予算を守れた、守れなかったという話をしていると、我が家の場合、どうしても嫌な雰囲気になっていってしまうんですよ。そのため、「今年はUSJに行くためにいくら貯めよう」みたいに、お金を使う目的について話をするようになりました。そのおかげで喧嘩が減りましたよ。
マネ活編集部:そもそも、夫とお金の話ができないというケースもあると思うのですが、もとこさんはいかがでしたか?
もとこさん:うちの場合もそうでしたね。だから、最初は強制的に夫のスマホに家計簿アプリを入れました(笑)。あとはコミュニケーションを工夫したり、ファイナンシャルプランナーへの無料相談へ行ったり、と外部の意見を採り入れられる機会を作りました。
ただ正直、時間が解決した部分も大きいです。家計管理を始めた最初は、「子育てに何千万円もかかるってニュースで見たんだけど」と夫に話したら、「自分の収入が少ないって言いたいのか?」と捉えられてしまい、不穏な感じになることも多かったんですよ。
マネ活編集部:その空気になるのが嫌で、夫婦でお金の話ができないケースは多そうです。
もとこさん:嫌ですよね。私の場合は、ゲーム感覚で先取り貯金を始め、10万円ぐらい貯まった段階で「これだけお金が貯まったからご飯を食べに行こう!」と夫を誘ったりしながら、少しずつ興味を持ってもらえるようにしました。
あとは、先ほどもお話しした専門家の意見を聞いたり、いろいろな情報を参考にしたりですね。一緒に本を読んでみたり、お金に関するYouTubeで面白かったものを「これ、面白かったよ!」と共有してみたりして、徐々にお金に関する話をするハードルを下げていきました。
そもそも、子供が生まれてから数年は子育てで忙しく、お金に関する話どころか、夫婦の会話がなくなってしまっているケースも少なくないと思うんです。我が家がまさにそうだったので、まずは雑談から会話できる関係性を取り戻していきました。日曜日の朝、子供がアニメを見ている時間帯を雑談時間として割こうと決め、なにげない話から始めていきましたね。
お金に関する話をフラットな感情でできるようになったのは、下の子が生まれてから2、3年経った頃です。貯金や投資を始めてお金が貯まり始め、家計が改善されてきたことが心の余裕につながり、お金の話題を出しても険悪ムードにならないようになりました。
マネ活編集部:お金の話を夫婦でできるようになる以前に、雑談すらできていない状態から脱する必要があるということですね。最後に、これから家計管理を夫婦でやっていきたい方に向けて、エールやメッセージをお願いします。
もとこさん:家計をひとつにすることすら難しいという状況のご夫婦もいらっしゃると思います。個人的には家計はひとつにして可視化させたほうがお金を貯めていきやすいと思っているので、まずはひとつにできるよう、日々の雑談から夫婦関係を整えていきましょう。我が家では、家計をひとつにした段階で、それまでのそれぞれの貯金は自由に使えるお金としておいておくことにしました。「合算するのは来月分から」といったように、区切りを設けるのもひとつの手だと思います。
また、私の場合は「私が何とか家計管理をしなきゃ」と気負う必要はそこまでなかったかなとも思っています。「ちょっとわかんない、助けて!」と夫に頼ってみたら、「よっしゃ」と張り切ってくれたんですよね。「私が家計管理をするね」と言ってしまっていた手前、1人でやらなければならないと思っていたのですが、共働きで子育てもしていると、どうにもしんどくなってくることがあります。そこで溜め込まずに素直に甘えてみると、案外一緒にやれるようになるのかなと思いますね。
あと、最近思っているのは、子育て中のママのお金の使い方です。節約しなきゃ、お金を貯めなきゃと思うばかりに、自分のためにお金を使うことに罪悪感を持ってしまうママは私だけではないでしょう。たとえ支出額は同じでも、ちょっと良い調味料を買うとか、おいしいお菓子を買うといっただけでも、心の持ちようは変わります。「日々のスタバ代を抑える代わりに、自分用に良いシャンプーを買う」など、優先順位を決めて自分のためにも気持ちよくお金を使えるようになりたいですし、ほかのママたちにもなってほしいなと思っています。
この記事をチェックした人におすすめの記事 |
|
|