保険証や資格確認書を紛失したことに気付いたら、まずは警察に届け出ましょう。

マイナ保険証は 健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカードのことで、これを利用しない人には、代わりに「資格確認書」が発行されます。これらにも健康保険証と同様に個人情報が記載されているため、資格確認書の紛失や盗難にあった場合も、悪用される可能性があります。

また、 従来の健康保険証は2025年12月2日以降に無効となりますが、無効化された後でも悪用されるリスクは残るでしょう。

最寄りの警察署や交番へ行って、「保険証や資格確認書をなくしてしまった」「落としてしまったかもしれない」と伝えましょう。「遺失届出書」という書類を提出することになりますが、書類の記入方法などは、その場で教えてもらえます。紛失時の状況について警察で聞かれることもありますが、はっきりわからない場合は、その旨を伝えましょう。

なお、ひったくりや空き巣にあって、保険証や資格確認書が奪われたことが明らかな場合は、警察で被害届を出すことになります。

ここでは、資格確認書の再発行手続について解説していきます。警察への届出が済んだら、次に資格確認書の発行元に連絡します。会社員の場合や、国民健康保険に加入している場合など、ケース別の届出方法を見てみましょう。

会社の健康保険に加入している会社員が、自身の資格確認書を紛失した場合は、勤務先の総務部など、健康保険や社会保険関係の手続きを行っている部署に相談しましょう。会社を通して、加入している医療保険者（健康保険組合や協会けんぽなど）に再発行をしてもらいます。

会社員の扶養に入っている家族が資格確認書を紛失した場合も、健康保険に加入している会社員を通して勤務先に連絡します。

会社を退職後、任意継続でこれまでの健康保険に加入している場合は、自身で健康保険組合や協会けんぽなどの医療保険者に紛失の連絡をします。

再発行の具体的な手続方法については、各医療保険者のホームページなどに記載されているので、確認しましょう。

国民健康保険に加入している人は、住んでいる地域の保険年金課で、再発行手続をします。手続きには、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類を持参します。

資格確認書の再発行にかかる手数料は、各医療保険の制度や、紛失理由などによって異なります。無料の場合もあれば、1枚1,000円程度かかることもあるので、確認しておきましょう。

また、再発行期間は通常1～2週間程度です。ただし、国民健康保険に加入している場合、窓口に手続きに行った人が世帯主、あるいは同居している家族であれば、その場で受け取れる場合もあります。

なお、マイナ保険証を紛失した場合は、まずマイナンバーカード総合フリーダイヤルに連絡し、カードの運用を一時的に停止します。その後、警察に届け出てから、住んでいる市区町村でマイナンバーカードの再発行手続を行いましょう。

保険証や資格確認書を紛失している間に病院で受診したい場合は、どうすれば良いのでしょうか。ここでは、2つの方法をご紹介します。

保険証や資格確認書の再発行手続中であることを病院の窓口で伝えて受診しましょう。再発行が完了した後、医療費の支給申請を行うことで、払い戻しを受けられます。

健康保険組合などから「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらうことで、保険証や資格確認書を紛失していても、3割負担で治療を受けられる場合があります。再発行依頼をした時点で、近々病院にかかることがわかっている場合は、証明書の発行について問い合わせてみましょう。

万が一、紛失した保険証や資格確認書が悪用されて、身に覚えのない請求などがあった場合でも、支払う必要はありません。このような被害にあったら、すぐに警察に届け出ましょう。

また、「保険証や資格確認書をなくしてしまって、悪用されるのが心配」という場合は、次の3つの信用情報機関に届出をしておくと安心です。

1. 全国銀行個人信用情報センター
2. 株式会社シー・アイ・シー
3. 株式会社日本信用情報機構

これらの情報機関に「本人申告」をしておくと、信用情報の照会をした金融機関やカード会社などは、本人確認書類を紛失しているという事実を把握できます。これにより審査担当者は、身分証明書としての悪用の可能性も考慮して、より慎重に審査を行います。

ただし、本人申告は1つの信用情報機関に登録すればすべてに反映されるわけではありません。また、これらの対応策は、必ずしも悪用防止が保証されるものではない点も覚えておきましょう。

保険証や資格確認書の紛失によるトラブルを防ぐためにも、管理には十分注意することが大切です。