クレジットカードには、個人向けのクレジットカードのほかに、法人や個人事業主向けのビジネス用のカードもあります。

経費の支払いにクレジットカードを利用する機会があるなら、プライベート用は個人向けのクレジットカード、仕事用はビジネス用のカード、というようにクレジットカードを使い分けることがおすすめです。

プライベートと仕事関係の支払いでクレジットカードを使い分けなければいけないという義務はありませんが、クレジットカードを使い分けることで、経費処理や特典の面でメリットを得られる場合があります。

個人事業主がクレジットカードを使い分ける主なメリットには、以下が挙げられます。

• 引き落とし口座が別になるためお金の流れが把握しやすくなる
• 経費処理の手間を軽減できる
• ビジネスに役立つ機能や特典が利用できる

それぞれ詳しく解説しますので、実際にどのようなメリットがあるのかを把握してクレジットカードの使い分けをご検討ください。

支払い用の引き落とし口座を設定する際、個人向けのクレジットカードは個人名義の口座しか指定できませんが、ビジネス用のカードは個人事業主の屋号付き口座を指定可能です。

仕事関係の経費の支払いにビジネス用のカードを使えば、プライベートの支払いと引き落とし口座を分けることができるため、仕事関係の入出金が明確になりお金の流れを把握しやすくなります。

プライベートと仕事で使い分けずにカード払いをしてしまうと、利用明細を見てもプライベートと仕事のどちらで使用したのかわからなくなってしまい、経費処理に時間がかかってしまう可能性があります。

クレジットカードを使い分ければ公私の区別が明確になるので、経費処理の手間が軽減されるでしょう。

また、ビジネス用のカードは会計ソフトと連携できるものもあるので、会計ソフトを活用すれば確定申告のときに仕訳をする手間も軽減できておすすめです。

経費処理をご自身で行っている場合は、ビジネスカードを活用して業務の効率化につなげてみてはいかがでしょうか。

ビジネス用のカードは、ビジネスに役立つ機能や特典を利用できる場合があります。

機能や特典の内容はクレジットカードによって異なりますが、例えば楽天プレミアムカードの付帯カードとして申し込みができる楽天ビジネスカードには「Visaビジネスオファー」が付帯しており、ビジネスに欠かせない各種サービスが優待特典として利用できます。

機能や特典を上手に活用すればビジネスをより有利に進めることができるため、ビジネス用のカードを選ぶときは機能や特典も確認しておくようにしましょう。

プライベート用と仕事用でクレジットカードを使い分けるときには注意点があります。以下では、クレジットカードを使い分けるときの主な注意点を解説します。

クレジットカードの年会費は無料のものから10,000円を超えるものまでさまざまです。

個人向けのクレジットカードとビジネスカードの両方で年会費を必要とする場合は、年会費の負担が増えてしまう点に注意しましょう。

年会費が無料のカードもあるため、年会費と特典や優待サービスのバランスを考慮して最適なクレジットカードを選ぶのがおすすめです。

個人向けのクレジットカードであれば、分割払いやリボ払いなどの支払い方法に対応していることがほとんどのため、状況にあわせて支払い方法を選択できます。

一方、ビジネスカードは1回払いしか選択できないものもあるため、1度の支払い負担が大きくなってしまう可能性があります。そのため、ビジネスカードを選ぶときは支払い方法も事前に確認しておくようにしましょう。

クレジットカードによっては利用金額に応じてポイントが貯まりますが、クレジットカードを使い分けるとポイントが分散してしまう可能性があります。

異なるカード会社が発行するクレジットカードはもちろんですが、同一のカード会社が発行するカードの場合も、個人向けのクレジットカードとビジネス用のカードではポイントが合算できないことがあります。

ポイントが合算できないと、プライベートと仕事で同じクレジットカードを利用する場合よりポイントが貯まりづらくなってしまいます。

なお、カード会社によっては個人向けのクレジットカードとビジネスカードのポイントを合算して貯められる場合もあるので、ポイントの分散を避けたい方におすすめです。

プライベートと仕事でクレジットカードを使い分けないと、経費処理の手間が増えたり、お金の流れを把握できなかったりする可能性があります。

そのため、プライベート用は個人向けのクレジットカード、仕事用はビジネス用のカードというように、支払いを行う場面によって使い分けるのがおすすめです。

ただし、クレジットカードを使い分けるときは注意点もあるので、把握したうえで上手に活用してください。