一人暮らしの食費について|平均額と節約方法、やりくり術を紹介
一人暮らしをしていて、節約のために食費を抑えたいと考える方は多いでしょう。しかし、外食を我慢したり極端に食事の量を減らしたりする節約はストレスが溜まり、途中で挫折しがちです。正しい食費の節約方法を知り、上手に家計のやりくりをしたいものです。ここでは、一人暮らしの食費の平均額や節約方法、食費をねん出する方法について解説します。
一人暮らしの食費の平均額は、ズバリいくら?
まずは、一人暮らしの食費の平均額を見ていきましょう。目安を知れば、自分が目標にするべき食費の金額がわかります。すでに平均額よりも食費を抑えられている方は、食費をそれ以上節約するよりも、ほかの出費を見直した方が良いでしょう。食費以外の節約術については、最後に解説します。
年齢・男女別の平均額
総務省統計局が発表している「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」のデータを参考に、一人暮らしの食費平均額を見ていきましょう。
働く一人暮らし世帯における1カ月の支出の平均額は17万1,816円、そのうち食費の平均額は3万9,884円です。
年齢・男女別での平均額は以下の表のとおりです。
<単身・勤労者世帯における1カ月の食費の平均額>
男性で4〜5万円、女性で3〜4万円が食費の目安となっているようです。「自分は食費が多いかも」と思った方は、まずは家計簿をつけて自分の食費を把握し、平均と比較してみることをおすすめします。
また、男女別に比較すると、男性の方が女性よりも食費が1万円ほど高くなっています。
実際に、男性全体の平均額で酒類が3,258円と外食が1万4,410円であるのに対し、女性は酒類1,534円に外食5,992円となっており、女性の食費はかなり抑えられていることがわかります。男性でも外食や飲酒をすることが少ない人は、女性の平均額を目標にするのが良いかもしれません。
一人暮らしのエンゲル係数の目安
エンゲル係数とは、家計の支出に対する食費の割合のことです。エンゲル係数は以下の計算式で求められます。
エンゲル係数(%)=食費÷消費支出×100
先ほどと同じ調査である「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」のデータを見ると、働く一人暮らし世帯のエンゲル係数の平均は以下のとおりです。
エンゲル係数が平均よりも高すぎる場合、家計の支出に対して食費をかけすぎているかもしれません。エンゲル係数を計算して、平均と比較してみてください。
値上がりが直撃する食費事情
2022年には日用品や光熱費、食品が値上がりして、家計に大きなダメージを受けたという家庭も多いでしょう。ここでは、食品の値上がり事情について見ていきましょう。
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2022年に値上げした食品
2022年には、10月までの間に以下のような食品が値上げされました。(※社名:2022年10月時点)
●小麦粉(日清製粉、日清製粉ウェルナ)
●パン(山崎製パン、フジパン、敷島製パン)
●パスタ(日清製粉ウェルナ、昭和産業)
●食用油(J-オイルミルズ、昭和産業)
●冷凍食品(味の素、マルハニチロ、日本水産)
●レトルト食品(エスビー食品、永谷園、ハウス食品)
●ハム・ソーセージ(伊藤ハム、日本ハム、丸大食品)
●お菓子(森永製菓、ロッテ、明治、カルビーなど)
●飲料(日本コカ・コーラ、アサヒ飲料、サントリー、伊藤園)
家庭での食事に欠かせない食品が軒並み値上げされています。今後の値上げをすでに発表している企業も多く、値上げの動きはしばらく続くと考えられます。
値上げの理由は?
そもそもなぜこんなにも食品が値上がりしているのでしょうか。値上げの主な理由は原材料価格の高騰、天候不良による不作、原油高による輸入コストの上昇や円安などです。
ウクライナ情勢の悪化を背景に、原油価格が急騰しています。商品の価格には運搬費が上乗せされるため、原油価格の上昇が値上げの原因となりました。また、急激な円安により輸入コストも上昇しています。輸入の割合が高い穀物を中心に、値上がりが続いている状況です。
このほか、人手不足による人件費の高騰も関係しています。値上げの背景には社会情勢など複数の要因が絡み合っているため、すぐに値上げが収まることはなさそうです。
食費を節約するための方法4選
食品が値上がりしていくなか、食費を節約するためにはどうすれば良いのでしょうか。ここで、一人暮らしの方におすすめの食費の節約方法について解説します。
予算を決める
食費の節約の基本は、予算を決めてその範囲内でやりくりすることです。毎月の予算を決めずにお金を使えば、どんどん出費が膨らんでしまいます。まずは、1カ月だけでも家計簿をつけて、今の食費がどれぐらいかかっているかを把握しましょう。把握した金額をもとに、無理のない食費の金額を決定していきます。
自炊をする
食費の節約をするためには、やはり自炊が必須です。外食やテイクアウトなどは出費がかさみ、栄養バランスも偏ってしまいます。とはいえ、普段から自炊をしていない方にとってはいきなり毎日の食事を作ろうとするのはハードルが高いでしょう。まずは、簡単なレシピから挑戦したり、1品だけ作ってみたりと無理のない範囲で自炊をはじめてみましょう。メインのおかずが作れれば、ごはんとインスタントのお味噌汁を添えるだけで立派な献立になります。
ネットスーパーを活用
忙しいと、仕事終わりにスーパーに寄って買い物をするのさえ手間に感じてしまうものです。そういうときは、ネットで注文ができ家まで配送してくれるネットスーパーを活用すれば、買い物の手間がかなり省けます。スマホで商品を選んで注文するだけなので、店内を歩き回って商品を探す必要もなく、自宅まで届き楽々です。
スーパーで買う予定のなかったお菓子をつい買ってしまうこともなくなるので、無駄遣いも防げます。ただし、ネットスーパーは送料がかかる場合があるので、そこも含めて検討するようにしましょう。
保存方法を工夫する
一人暮らしの方は、せっかく買った食材も使い切れなくて余りがちです。一人暮らしで食材を使い切るためには、冷凍を上手に活用しましょう。肉や魚のほか、野菜もほとんどのものが冷凍可能です。小松菜、ほうれん草などの葉物野菜、きのこ類、ブロッコリーなどは冷凍に向いています。反対に、もやしやレタス、きゅうりなど水分の多い野菜は冷凍に適さないので注意しましょう。
あらかじめカットして冷凍しておけば、冷凍のままスープに入れたり、野菜炒めにしたりと調理の手間も省けておすすめです。肉や魚は下味をつけて冷凍しておけば、解凍して焼くだけで1品完成します。
ふるさと納税をする
賢く食費の節約をしたいという方におすすめなのが、ふるさと納税の活用です。ふるさと納税とは任意の自治体に寄付をする制度で、寄付金のうち年間2,000円を超える部分については、所得税の還付や住民税の控除が受けられます。
お米や野菜、肉、魚などの返礼品を贈ってくれる自治体も多く、おおむね2,000円の出費だけで食材を手に入れることができます。食費の節約をしながら豪華なお肉や海鮮などを味わいたいときは、ふるさと納税を活用しましょう。
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自炊が面倒で外食したり、スーパーで目移りして余計なものまで買っちゃったり…。本当に気をつけなきゃいけないわね