代金引換とは|着払いとの違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説

リリース日:2022/09/09 更新日:2024/07/23

代金引換とは、商品代金+配送料+代引手数料を、荷物の受け取り時に配達員に直接支払う方法です。対面で支払うことから、カードを持っていない人でも決済できたり、ネットショップ等へカード情報を入れずに済むため情報漏洩等のリスクを回避できたりするなど防犯性に優れているため、根強く人気の決済方法です。

ここでは、代金引換のメリット・デメリットや注意点を購入者側とネットショップ側に分け、それぞれの視点から解説していきます。これから代金引換でお買い物をしたい人や、運営しているネットショップに導入を考えている人はぜひご覧ください。

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  1. 代金引換とは?
  2. 購入者が代金引換を利用するメリット
  3. 購入者が代金引換を利用するデメリット
  4. ネットショップが代金引換を利用するメリット
  5. ネットショップが代金引換を利用するデメリット
  6. 代金引換で荷物を送る方法と手数料
  7. 代金引換を利用する際の注意点

代金引換とは?

代金引換とは?

代金引換とは、配達員が品物の運送を行うと同時に代金を回収する決済サービスで、一般的には「代引き」とも呼ばれています。現在ネットショップ上で主流の決済方法であるクレジットカード払いとは異なり、カード情報をネット上に残すことなく支払いができます。クレジットカード払いやQRコード(※)を使ったキャッシュレス決済が普及してきている中、情報登録の手間がないことや、防犯上の安全性から根強く人気のある決済方法です。

 

・代金引換は人気の決済方法のひとつ
経済産業省が調査した「令和3年通信利用動向調査」によると、インターネットで商品を購入する際の決済手段のうち、代金引換を利用する人は20.2%いることがわかります。

 

 

上記を見ると、ネットショップの主流な決済手段であるクレジットカード払いはもちろんのこと、最近では電子マネーによるキャッシュレス決済を取り入れるショップが増加していることがわかります。

 

さまざまな決済方法が利用されているなかで、代金引換が全体に占める割合は5位の結果となりました。令和2年度の同調査では代金引換を利用する人は全体の24.6%だったので、昨年に比べて減少傾向であるものの、それでも5人に1人が利用していることになります。そのことを考えると代金引換はまだまだ需要がある決済方法であり、導入の検討が必要な決済方法といえるかもしれません。

 

・着払いとの違い

 


代金引換と着払いの主な違いは、商品を受け取った時点で支払う代金の内訳です。具体的には以下の内訳です。

 

 

●代金引換:商品代金・配送料・代引手数料
●着払い:配送料

 

着払いは自分もしくは差出人がクレジットカード等で商品代金の支払いを終えているため、配達時に支払うのは運送にかかる配送料のみです。

 

購入する商品にもよりますが、着払いは代金を支払うためにわざわざ多額の現金を用意しておかなくても、持ち合わせで足りる場合もあるでしょう。しかし代金引換となると、支払う金額がある程度大きくなるため、配達前に現金が足りているかどうかを事前に確認したほうが安心です。

購入者が代金引換を利用するメリット

購入者が代金引換を利用するメリット

購入者が代金引換を利用することのメリットには、以下の2点があります。

 

●「商品が届かない」リスクを回避できる
●サイトを通じたカード情報の漏洩リスクを防げる

 

代金引換は安全性が高く、安心してネットショッピングができる点が大きなメリットです。上記のメリットについて、もう少し詳しく解説していきます。

 

・「商品が届かない」リスクを回避できる
代金引換は商品を受け取るときに代金を支払うため、すでに代金の支払いが完了しているにも関わらず商品が届かない、といったトラブルを回避できます。

 

商品が手元に届かない状況は考えにくいかもしれませんが、普段は使わないサイトを利用するときなどは、商品がきちんと手元に届くか不安もあるでしょう。しかし、代金引換を利用すれば、万が一商品が届かなかったときは代金を支払う必要がないため、オンラインでも安心して商品を購入できます。

 

代金引換は、購入者にとって安心できる決済方法といえます。普段から代金引換を利用するのはもちろん、使い慣れていないサイトを利用するときだけ代金引換で決済するといったように使い分けるのもおすすめです。

 

・サイトを通じたカード情報の漏洩リスクを防げる
代金引換は商品を受け取るときに代金を支払うため、サイトを通じたクレジットカード情報の漏洩リスクを心配する必要がありません。。

 

通常、商品購入画面でクレジットカード決済を選択すると、購入確定前にカード情報をネットショップに登録しなければなりません。クレジットカード情報は、ショップ側で厳重に管理されているものの、情報漏えいは自分の身にも起こる可能性はゼロではありません。クレジットカード情報が漏洩すると、不正に利用されたり悪質な詐欺に巻き込まれてしまったりと、重大な被害に遭うリスクが高まります。

 

代金引換なら、そもそもクレジットカード情報を登録しないので、こうした情報漏洩の心配がありません。安心してネットショッピングを楽しみたい方に、代金引換はおすすめの決済方法です。

購入者が代金引換を利用するデメリット

購入者が代金引換を利用するデメリット

購入者が代金引換を利用する場合、以下のようなデメリットもあります。

 

●代引手数料がかかる
●クレジットカード不可とするお店もある

 

安全性におけるメリットは大きいものの、手数料の負担など、支払い方法に制約があることが代金引換のデメリットです。ここでは、上記のデメリットについて詳しく解説していきます。

 

・代引手数料がかかる
代金引換を利用すると、商品代金と送料に加えて「代引手数料」が発生します。代引手数料はショップによって異なるものの、300~500円程度が相場です。

 

少しでもお得にショッピングを楽しみたい場合は、購入前に代引手数料がいくらになるのかを確認し、予算と照らしあわせて検討しましょう。

 

・クレジットカードで支払えないお店もある
代金引換で、クレジットカードを使用したい場合は、ネットショップでのお買い物時に代金引換にてクレジットカード決済が可能であることの記載かあるかを確認するようにしましょう。クレジットカードが利用できないときは現金決済となるため、手元に必要な現金を用意しておく必要があります。

 

最近では、クレジットカードやQRコード(※)などのキャッシュレス決済が基本で、現金を持ちあわせていない人も増えています。普段から現金を持ち歩かない習慣のある人にとっては、お金を準備する手間がかかりデメリットとなるかもしれません。

ネットショップが代金引換を利用するメリット

ネットショップが代金引換を利用するメリット

ネットショップが代金引換を利用するメリットは以下のとおりです。

 

●販売機会の損失を防ぐ
●購入画面からの離脱を減らせる

 

代金引換を導入することで、ネットショップ側は代金引換を利用したい顧客層にもリーチでき、売上を伸ばせる可能性があります。ここでは上記のメリットについて、詳しく解説していきます。

 

・販売機会の損失を防ぐ
決済方法に代金引換があることで、クレジットカード情報をネット上に登録したくない人や、そもそもクレジットカードを作っていない人でも商品の購入が可能になります。特に顧客ターゲットに、クレジットカードを持っている割合の少ない若年層やシニア層が入っているなら、代金引換の導入は必須といえるでしょう。

 

顧客にとって利用しやすい決済方法はさまざまなので、代金引換を決済方法のひとつとして顧客が選択できるようにしておくと、販売機会が広がるでしょう。

 

・購入画面からの離脱を減らせる
代金引換があると、クレジットカードの登録という購入者にとって面倒な手間が削減できるため、購入画面からの離脱を減らせるようになります。

 

決済方法にクレジットカード払いしかない場合、気に入った商品を見つけて購入画面まで進んだとしても、手元にクレジットカードがなければ登録ができずに購入を諦めてしまうかもしれません。しかし、代金引換であれば面倒な登録作業が削減できるため、決済ができずに離脱してしまうリスクを減らせるでしょう。

 

商品購入はタイミングが非常に重要です。せっかく購入意欲があっても、一度離脱してしまうと、そのまま戻ることなく購入を諦めてしまう可能性があります。代金引換を導入するとクレジットカード登録の手間をなくせるため、顧客の離脱率も減らせるでしょう。

ネットショップが代金引換を利用するデメリット

ネットショップが代金引換を利用するデメリット

決済方法の選択肢が広がり、顧客にとっては非常に便利な代金引換ですが、ネットショップ側は以下のようなリスクを背負うことにもなります。

 

●受取拒否による往復送料と代引手数料のみショップ側負担となるリスク
●代引手数料による購入前の離脱

 

ここでは代金引換を導入するネットショップ側のデメリットについて解説していきます。

 

・受取拒否による往復送料と代引手数料のみショップ側負担となるリスク
代金引換で発送した商品を購入者が必ず受け取る保証はありません。何らかの事情で受け取ってもらえなかった場合、基本的には再配達となりますが、再配達依頼の連絡がないときや複数回に渡り再配達となればショップに商品が戻されることとなります。中には、購入手続き後に心変わりした購入者が受取拒否をするケースもあります。

 

商品が戻された場合、売上にならないことはもちろんのこと、往復の送料と代引手数料はショップ側が負担しなければなりませんので、購入者の受取拒否リスクがある点は、代金引換のデメリットといえるでしょう。

 

・代引手数料による購入前の離脱
代金引換を利用する場合、基本的に代引手数料は購入者負担としているショップがほとんどです。そのため、代引手数料の金額によっては、購入前に離脱してしまうというリスクがある点は、ショップ側のデメリットといえるでしょう。

 

代引手数料などの購入者が負担する料金は、ネットショップ側が好きな金額に設定することができます。購入者の負担を考え「代引手数料は一律300円」としたり、全額ショップ負担とすることも可能です。ショップ側の負担と購入者の離脱リスクのバランスを取った手数料設定が重要です。

代金引換で荷物を送る方法と手数料

代金引換で荷物を送る方法と手数料

ここでは代金引換を使って荷物を送る方法について、個人と法人に分けて解説していきます。

 

・個人が代金引換で荷物を送る場合
個人が代金引換で荷物を送りたい場合、郵便局で手続きが可能です。日本郵便が提供する代金引換サービスは「定形郵便物・定形外郵便物」「ゆうパック」「ゆうメール」などに付帯できます。個人として代金引換で荷物を送りたい場合は、以下のステップで依頼しましょう。

 

1. 送りたい郵便物を持って郵便局へ行き、代金引換を利用したいことを申し出る
2. 郵便物・ゆうメールの場合「代金引換」ラベル、ゆうパックの場合「代金引換ゆうパック」ラベルを受け取り、必要事項を記入する
3. 基本料金と代金引換手数料を支払う
4. 荷物が発送され、受取人が代金を支払う
5. 差出人が指定した銀行口座に代金が振り込まれる

 

郵便局に申し出るときには以下のものを持参する必要があります。

 

●本人確認書類(マイナンバーカード、免許証など)
●銀行口座のキャッシュカードや通帳など口座情報がわかるもの

 

日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便が代金引換サービスを取り扱っていますが、2022年8月現在、個人かつ当日利用が可能なのは日本郵便のみです。ヤマト運輸は、法人・個人事業主向けのサービスとなり、佐川急便は事前申請が必要なため、利用できるまでに2~3週間かかります。

 

・ネットショップが代金引換で荷物を送る場合
ネットショップが代金引換を利用する場合は、まず以下のどちらに当てはまるかを確認しましょう。

 

●BASEやminneなどのネットショップ作成サービスでショップ運営をしている
●上記サービスを利用していない

 

ネットショップ作成サービスを利用してショップ運営をしている場合は、それらのサービスの決済方法設定画面から「代金引換」を選択し、各サービスの設定手順に従って、設定していきます。

 

一方、ネットショップ作成サービスを利用していない場合は、運送会社と代金引換サービス契約を結ばなければなりません。ここで注意すべきは、運送契約と代金引換サービス契約は別物なので、どちらも契約を結ばなければならないことです。代金引換サービスを提供する主な運送会社は以下のとおりです。

 

●ヤマト運輸「宅急便コレクト」
●佐川急便「e-コレクト」
●西濃運輸「カンガルー代引サービス」

 

すでに運送契約を結んでいる場合でも代金引換サービスが利用できるとは限らないので、今一度契約内容を確認してみましょう。

 

・代金引換の手数料
代金引換を利用すると、以下の手数料が発生します。

 

●配送料
●代金引換手数料
●収入印紙代(商品代金が5万円(税抜き)以上の場合)
●銀行振込手数料

 

ヤマト運輸、佐川急便、西濃運輸の代金引換手数料は、運送会社によって以下のように異なります。

 

ヤマト運輸の代金引換手数料(税込み)

 

ヤマト運輸の代金引換手数料(税込み)

 

佐川急便の代金引換手数料(税込み)

 

佐川急便の代金引換手数料(税込み)

 

西濃運輸の代金引換手数料(税込み)

 

西濃運輸の代金引換手数料(税込み)

 

代金引換手数料は各社で料金が少しずつ異なるので、比較検討しながら選びましょう。

 

なお、Amazonや楽天市場といった大型のショッピングサイトで出店したい場合も、代金引換手数料が発生します。手数料金額はサイトごとに定められているので、出店する際に必ず確認しておくようにしましょう。

代金引換を利用する際の注意点

代金引換を利用する際の注意点

代金引換を利用する際には注意点もあります。購入者側とネットショップ側に分けて解説していくので利用する前に必ず確認しましょう。

 

・購入者側の注意点|現金でしか払えない場合がある
デメリットでも解説しましたが、ショップによっては代金引換におけるクレジットカード払いを不可としているところもあります。クレジットカードが使えないと必然的に現金払いとなるため、手元に商品代金分と送料、代金引換手数料分の現金を用意しておかなければなりません

 

もしも現金が足りず支払いができない場合は、その場では受け取れず後日再配達を依頼することとなります。代金引換は基本的に配達員から配達前に連絡が入るので、持ち合わせが足りないことを伝え、再配達を依頼するようにしましょう。

 

・ネットショップ側の注意点|受取拒否が発生しても費用はショップ側の負担
どのような理由であれ購入者が受取拒否をした場合、往復分の送料と代金引換手数料はすべてネットショップ側で負担しなければなりません。大型商品となると、送料負担は思う以上に大きくなっていきます。

 

代金引換には受取拒否のリスクがあることを踏まえ、対処方法を考えておかなければなりません。購入画面に受取拒否が発生した場合の対応を記載するなど、予防策を施しておくと安心です。

 

・代金引換以外の便利な決済方法
ネットショップでお買い物をすると、代金引換以外にも以下のような方法で決済できます。

 

●クレジットカード払い
●電子マネーなどのキャッシュレス決済
●コンビニ決済

 

現在ネットショップで最も利用されているのはクレジットカード払いです。カード情報を登録する手間はあるものの、クレジットカードでしか支払いができないショップもあるので、1枚は持っておくと安心でしょう。

楽天カードなら、年会費永年無料で使えると同時に、お買い物をするたびに楽天ポイントが貯まっていきます。(一部ポイント還元の対象外、もしくは、還元率が異なる場合がございます。)ネットショップでお買い物をする機会が多いなら、代金引換とクレジットカードを使い分けて活用していくのもよいでしょう。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

このテーマに関する気になるポイント!

  • 代金引換とは?

    ネットショップ等で購入した商品を宅配業者が購入者宅に届ける際に、決済業務も同時に代行するサービスです。

  • 代金引換と着払いの違いは?

    代金引換は販売業者に支払う商品代金と配送料、そして代金引換手数料を宅配業者が代わりに回収する決済方法です。一方、着払いは商品代金をネットショップで購入した際にクレジットカード等で支払っているので、運送にかかる送料のみ支払います。

  • 代金引換の購入者側のメリットは?

    支払ったのに商品が届かないというリスクをなくせることと、ウェブサイトを通じたクレジットカード情報の漏洩を防げる点です。

  • 代金引換のネットショップ側のメリットは?

    販売機会の損失を防げることと、購入画面からの離脱を減らせることです。現在ネットショップで主流の決済サービスはクレジットカード払いですが、それ以外の選択肢を取り入れることで顧客の流出を防ぐことができるかもしれません。

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鈴村ひろみ
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)
鈴村ひろみ

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

FP2級技能士|元保育士
金融分野を中心に執筆しているWebライター。 保育士時代に多くのワーキングママと関わる中、お金の問題の重大さを痛感しました。 お金の悩みに深く寄り添える記事を執筆します。

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