タイパは「タイムパフォーマンス」の、マネパは「マネーパフォーマンス」の略です。「パフォーマンス」とは、一般的に成果や達成度、満足度を意味します。

タイパは、かかった時間に対して得られる成果の指標である一方、マネパはお金を効率的に使うだけでなく自分らしく使うという意味も含まれる点が違いです。以下で、それぞれの意味や例を詳しく解説します。

タイパとはタイムパフォーマンスの略で、かかった時間に対する成果を示す指標です。短い時間で大きな成果や満足度を上げた場合「タイパが高い」「タイパが良い」という表現をします。

成果はビジネス上の実績だけでなく、日々の生活における満足度など広い意味で使われます。例えば、「タイパが良い」とされるケースには、以下のようなものがあります。

• 動画を倍速視聴
• 書籍の内容をまとめ記事やショート動画や切り抜き動画で把握
• 別の作業をしながら映像を見る、ながら視聴
• オンラインでのコミュニケーション

動画を倍速で視聴しても、得られる内容が同じであれば半分の時間で済むため「タイパが良い」とされます。

また、タイパが使われるようになった背景として、以下のようなことが考えられるでしょう。

• IT技術、デジタル技術の発展
• スマートフォンやパソコンの普及

これらの背景により、多くの情報が効率的に収集、処理できるようになり、時間をかけずに目的を達成しやすくなりました。こうした状況を活用して、効率的に成果を上げようとするのが「タイパ」の考え方です。

マネパとは、マネーパフォーマンスの略です。マネーパフォーマンスという言葉のイメージから、かけたお金に対する成果、と想像する人もいるでしょう。しかし、Z世代が重視するマネパは「自分らしくスマートに賢くお金を使い、管理すること」を意味する新しい価値観です。

例えば、購入の判断をしたものに対して、現金やカードがなくても後払いなどの方法でスマートに購入したケースなど、ライフスタイルに合わせた決済方法を選択できる状態を「マネパが良い」とされています。マネパは、自分の価値観に合うものに対して、効率良くお金を活用する考え方と言えるでしょう。

マネパという考え方が出てきた背景には、FinTech（フィンテック）技術の発展があります。FinTech（フィンテック）とは、銀行などの金融分野で、IT技術を組み合わせて提供された新しいサービスです。具体的には以下のようなものがあります。

• 会計ソフトや家計簿ソフトに、銀行やカード明細を自動で読み込む連携技術
• QRコード決済などのキャッシュレス決済
• 人工知能を活用して投資をするロボアドバイザー

便利な決済サービスが多く提供されたことで、マネパという概念が生まれ、マネパを考慮した選択が可能になりました。

タイパが良いと得られる主なメリットは、以下のとおりです。

• 空いた時間を余暇や本業に回せる
• 生産性が上がる
• コストを削減できる

また、何を改善すればタイパが良くなるかを考えることで、現状の問題点が見つかり、問題改善につながる可能性があります。

例えば、ある大学生が資格の勉強をしたいと考えたものの学校へ通う時間が取れず、アルバイトの時間を減らそうか、ほかに時間を作れる方法はないか、悩んでいるとします。タイパを考慮して、通学時間が長く負担となっている点が問題と考えた場合、通学時間に講義が聞けるオンライン講座を申し込むことで、問題点が改善される可能性があるでしょう。

続いて、マネパが良いと得られる主なメリットは、以下のとおりです。

• 手間をかけずにスムーズに決済できる
• 後払いが可能で、購入のタイミングを逃さない
• クレジットカードがない未成年でも後払いができる
• 金利の負担がなく分割払いができる

マネパをサポートする支払方法として、BNPL（Buy Now Pay Later、今買って、後で払う）があります。詳細は後の項目で紹介しますが、BNPLは上記で紹介したマネパの良さを実現し、Z世代を中心とした年齢層がスマートに決済する方法として支持されています。

Z世代の価値観は、以下のような特徴があると言われています。

• 効率性を重視したい
• 自分の価値観にあう選択をしたい

何事にも効率性を重視したいと考える一方で、価値観のあうところにはリソースを費やしたいとも考えています。何でも節約するだけでなく、欲しいと感じるものには後払いであっても購入したいと考え、ライフサイクルに合わせたサービスをうまく利用しようとしています。

Z世代は、インターネットやスマートフォンが普及し、IT技術が進化した時代を生きています。ツールや技術の発達がタイパ・マネパを重視する考え方を実現可能にしてきたと言えます。

近年、マネパをサポートする決済方法としてBNPL（ Buy Now Pay Later、今買って、後で払う）がZ世代を中心に人気を集めています。

BNPLは商品やサービスの支払いを後払いにする仕組みであり、スマートに後払いが可能な決済方法を指します。以下がその特徴です。

• 簡易的な審査、クレジットカードを持てない若年層でも利用できる
• 利用可能上限金額は一般的に5～10万円前後と少額
• 一部のオンラインショップ、店舗で利用できる
• 3～4回程度の少額分割払いが可能で、利息が無利息または低金利
• アプリで利用金額が把握できる
• メールアドレスと携帯番号だけで利用できる
• ポイントなどの特典はないことが多い

特にZ世代などの若年層が後払いを利用するのに便利な決済方法ですが、利用上限額はクレジットカードと比較すると少額に設定されているものが一般的です。

後払いの決済方法には、以前からさまざまな方法があります。注文ごとの後払い、カード払い、QRコード決済、リボ払いなどがあり、それぞれ概要を紹介します。

決済時に支払を後払いに選択すると、後日コンビニなどで後払いが可能です。ただし、後払いが選択できるオンラインショップや通信販売に限られます。また、注文ごとに支払期日が決められており、多くの場合分割払いはできません。

楽天市場では、出店しているすべての店舗で後払決済を選択できます。クレジットカードがなくても後払いができ、楽天ポイントも貯まるため便利です。

QRコード決済は多くの通販サイト、実店舗で利用可能なキャッシュレス決済方法です。QRコード決済の支払方法は、事前のチャージ、銀行口座の引き落とし、カード払いなどが一般的で、後払いは原則としてクレジットカードを支払元に設定している場合のみです。

楽天ペイでは、楽天カードから楽天キャッシュへチャージして支払うと、1.5％（※）の楽天ポイントが還元されます。

※還元の内訳：チャージ残高（楽天キャッシュ）でのお支払時に楽天ペイから1％還元、楽天キャッシュから0.5％還元、合計で1.5％還元。

リボ払いは、カード決済をした場合に、実際の利用金額にかかわらずお支払元金を毎月定められた範囲で設定できる方法です。利用した金額に関係なく金額が一定のため、自分のペースで支払いが可能ですが、実質年率15％程度のリボ手数料がかかるので注意しましょう。

効率性と価値観を大切にするZ世代の傾向は、今後も続くと想定されます。

コスパ（コストパフォーマンスの略）という、かけたコストに対する効果や満足度を示す言葉が普及し始め、近年ではタイパ、さらにマネパという考え方が出てきました。「〇〇パ」は、〇〇をより有効に活用して大きな効果を得たい意図で使われています。

近年では、リスパ（リスクパフォーマンス）という概念も話題です。同じリターンであれば、リスクは少ないほうが良いとする考え方で、コスパとリスパを最適化する選択をしていこうとするファイナンス理論の用語です。Z世代に限らず、すべての世代で「〇〇パ」と呼ばれる指標が重要視されるかもしれません。

ここでは、タイパ、そして特に新しい概念であるマネパの概要と、マネパをサポートするさまざまな決済方法を紹介しました。Z世代が重要視する新しい考え方も理解しながら、ご自身が納得するサービスを取り入れて、マネパの良い生活を暮らしていくと良いのではないでしょうか。