空き家の現状とは?空き家が増えることの問題点や、有効な活用法など

リリース日:2023/12/27 更新日:2023/12/27

近年、誰も住まなくなった空き家がどんどん増えており、ニュースなどで「空き家問題」として取り上げられているのを見聞きしたことがある人もいるでしょう。ここでは、空き家の現状だけでなく、空き家が増えることによる問題点や空き家の有効な活用法などについて解説します。

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  1. なぜ空き家が増えている?
  2. 空き家の問題点
  3. 空き家になる前にできること
  4. 実際に空き家になってしまったらどうする?
  5. 空き家の情報サイト3選!
  6. まとめ

なぜ空き家が増えている?

なぜ空き家が増えている?

近年、少子高齢化や核家族化、供給過剰、相続問題、税制改正など、さまざまな理由が重なって空き家が増えています。中でも多いのは親子ともに自宅を所有していて親が老人ホームや子供の家などに転居したり、亡くなったりした場合に発生するケースです。

 

住む人がいない家は、売る、貸す、取り壊す、のいずれかを選択するのが合理的な対応です。しかし、生まれ育った家への愛着、他人が住むことへの抵抗感、将来親族の誰かが使うかもしれないという漠然とした期待などから、空き家のままにしてしまうケースが多々あります。

空き家は4種類に分類される

空き家は利用状況によって次の4種類に分類されます。

 

  • 売却中の物件である「売却用の住宅」
  • 賃貸物件で入居者募集中の「賃貸用の住宅」
  • 普段は使わない別荘などの「二次利用の住宅」
  • それ以外の「そのほかの住宅」

1、2、3は空き家となっている理由が明確で、管理も通常不動産会社や所有者によって適切になされていることでしょう。その一方で、今後の利用方針が定まっておらず長期にわたって放置されている4にあたる物件が増えているのが現状です。

空き家の問題点

空き家の問題点

空き家のまま放置してしまうと、景観破壊、悪臭、倒壊、不法侵入、不審火など、周辺環境や近隣住民にもさまざまな不都合をもたらす可能性があります。ここでは、空き家を所有することによる問題点を見ていきます。

近隣住民に迷惑がかかる

手入れをしていない空き家は、建物の老朽化がどんどん進んで腐朽や破損が目立つようになり、家の周りも雑草が生い茂るなど、見た目の印象が悪くなります。地域の景観を壊し、周辺住民に不快な思いをさせたり、迷惑をかけたりする可能性が出てきます。

税金の負担が増える

不動産の所有者は固定資産税や都市計画税を負担しなければなりません。たとえ人が住んでいない空き家となっていても納税義務はあるので、不要な出費がかさむことになります。

 

なお、2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、空き家の中でも倒壊の危険などが高い「特定空き家」に指定されると、課される税金が大幅に増えるので注意が必要です。

罰則が適用されることも

前項に上げたように、「特定空き家」と指定されたにもかかわらずに放置し、自治体の改善命令に従わない場合は、50万円以下の罰金(正確には「過料」)が科されます。それでも改善されない場合は、最終的に自治体が空き家を取り壊し、その取壊費用を所有者に請求する「行政代執行」になることもあり、何百万円もの費用を請求されるケースも考えられます。




空き家になる前にできること

空き家になる前にできること

まだ相続を考える必要はないと思っていても、親の死や老人ホームへの入所などは、思いもよらぬタイミングでやって来ることがあります。空き家問題は決して他人事ではないので、空き家になる前に対策を講じておきましょう。

家族や親族と話し合う

親が元気なうちに家族や親族で集まり、いざというときに「実家をどうするか?」について話し合う機会を作りましょう。親が子にどうしてほしいかという思いをしっかりと伝えることも大切ですし、それを聞いたうえで子がどうしたいかということを伝えることも大切です。

 

双方の意見をすり合わせて方針を決めておくと、住む人がいなくなったときの活用や、相続が発生したときの対応がスムーズとなり、実家が空き家となるのを防ぐことができるでしょう。

エンディングノートや遺言書を書く

単身で暮らしている親は、たとえまだ自分の考えを示す必要はないと思っている場合でも、もしものときに備えてエンディングノートや遺言書を書いておくと良いでしょう。エンディングノートでは生きている間に、自分が死んだ後の希望だけでなく、今の住まいをどうしたいかの希望を書くこともできます。また、遺言書では、家を相続させる人を指定することもできるので、相続人同士の話し合いがつかずに空き家として放置されてしまうことを未然に防ぐことに繋がるでしょう。

実際に空き家になってしまったらどうする?

実際に空き家になってしまったらどうする?

空き家を管理するにしろ処分するにしろ、手間や費用がかかります。自治体や空き家管理の専門家に問い合わせ、どのように対処するのが良いのか、どういった選択肢があるのかを尋ねてみると良いでしょう。自分が住むつもりはない家を相続した場合は早めに相談しましょう。

 

ここでは一般的に、もし実家などが実際に空き家になったら、どうすれば良いかを見ていきます。

売却する

固定資産税などの税金を払いたくない、管理の手間や心配事から解放されたいという場合は、売却するのがおすすめです。需要の多いエリアに建っている物件や、状態が良い物件ならば、売却利益も期待できるでしょう。

 

売却する場合は、家の名義変更や相続登記などの手続きのほかに、売却の宣伝や売買契約締結といった手続きが必要になります。司法書士や不動産会社に依頼すると、売却がスムーズに進みます。

賃貸に出す

住むつもりはないけれど心情的に手放したくない場合や、将来的には活用する予定がある場合は、賃貸に出すのがおすすめです。人が住まない家は劣化が進んでしまいますが、賃貸に出せば劣化は防げるでしょう。また、家賃収入が入るようになるので、固定資産税や管理費用などの負担も減ります。賃貸する場合も、不動産会社に依頼するとスムーズでしょう。

そのまま維持管理する

手放したくない、人に貸すこともしたくないという場合は、維持管理する必要があります。もっとも、建物の清掃や点検、庭木の剪定などを定期的に行うことは想像以上に労力や時間がかかり、それなりに費用も必要です。所有者に代わって空き家の管理をしてくれるサービスもあるので、検討してみるのも良いでしょう。

解体する

古い家や劣化が進んでいる家は、買い手も借り手もつきにくいので、家屋を取り壊して更地にします。家の解体には費用がかかりますが、更地にすることで土地の売却も賃貸もしやすくなるでしょう

空き家の情報サイト3選!

空き家の情報サイト3選!

地方の空き家を売りたい、貸したいというときは、サイトを利用するのがおすすめです。ここでは信頼できるサイトを3つご紹介します。

自治体が運営する空き家情報サイト

自治体が主体となって運営する空き家情報サイトに、「空き家バンク」というものがあります。空き家バンクは、空き家を貸したい人や、売りたい人が物件を登録し、自治体が情報を公開して購入者や利用者に紹介する仕組みです。

 

なお、自治体が運営する空き家バンクは、空き家という社会問題の解決を目的とする事業であり営利目的ではないため、仲介や契約などには関与しません。実際の売買や賃貸借の交渉・契約では不動産業者が仲介することになるので、仲介手数料などの費用が上乗せで発生します。

アットホーム空き家バンク

アットホーム空き家バンクは、全国740以上の自治体の空き家バンクを集めたサイトです。自治体ごとではなく、全国規模で空き家を探すことができ、また、地域イベントや自治体の支援制度などの情報発信を支援するコンテンツなどもあるので、空き家を探しやすい仕組みになっています。自治体それぞれの空き家バンクよりも利用者が多いため、ここに掲載されれば買い手や借り手がつきやすくなるでしょう。

LIFULL HOME'S 空き家バンク

LIFULL HOME'S 空き家バンクは、アットホーム空き家バンクと同様に全国750の自治体の空き家バンク情報を集めたサイトで、株式会社LIFULL(株価コード:2120)が運営しています。国土交通省の「全国版 空き家・空き地バンク」のモデル事業に選ばれており、1件1件の情報が正確で質の高いものになっています

 

空き家や移住に関するコラムや、地域の仕事や生活の情報なども掲載されており、空き家を探す人が集まるサイトです。こちらも登録するには、まず自治体の空き家バンクに登録する必要があります。

上記以外にも、「100均」や「買い手を選べる」などユニークなコンセプトの空き家サイトもあります。ここでは2つご紹介します。

空き家ゲートウェイ

空き家ゲートウェイは、「日本中の100均物件を網羅するマッチングサイト!」というコンセプトを掲げ、100円や100万円という価格の物件を多く取り扱うサイトです。100円という住宅の価格とは思えないような金額も設定でき、値段がつかないような物件の引取手を探すこともできます。掲載料や成約時の手数料もかからないため、手軽に利用できるでしょう。

 

ただし、空き家ゲートウェイは不動産仲介業者ではないため、買い手との交渉は自分で行わなければならず、売買契約書の作成などに関しても専門家に相談する必要があり、費用が発生します。

家いちば

家いちばは、買い手を選べる不動産売買の電子掲示板です。メッセージボードで直接交渉することになるため、自分の言葉で物件をアピールできるというメリットがあります。また交渉相手を選べるのも特徴のひとつです。

 

築古の物件や未修繕の物件を含め、どのような物件でも掲示板に掲載されます。掲載料金は無料ですが、成約した場合は仲介手数料やシステム登録料などの手数料を支払う必要があります。空き家ゲートウェイと同様、交渉は自分で行わなければならないことには注意が必要です。

まとめ

空き家は適切な管理をしないと、さまざまな問題を起こす可能性があります。時間の経過とともにその問題が深刻化する場合もあるので、早めの対策が必要です。どうして良いかわからない場合は、自治体や専門家に相談しましょう。

空き家問題に関連して、建設業界や不動産業界へ興味を持つ方も少なくないでしょう。楽天証券などの証券会社では、建設・不動産関連企業への投資を行うことができます。楽天証券では、スーパースクリーナーを使い業種別の銘柄検索も簡単にできるので、「建設業」「不動産業」などで銘柄を絞ることも可能です。

 

※この記事は2023年12月時点の情報をもとに作成しております。

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このテーマに関する気になるポイント!

  • なぜ空き家が増えているの?

    親が住んでいた家を相続したものの、そこに住む人がいないという理由で放置されるケースなどが増えています。

  • 空き家が問題になっているのはなぜ?

    空き家が放置されていると、景観破壊、悪臭、倒壊、不法侵入、不審火などに繋がることがあるからです。

  • 実家が空き家になったらどうしたらいい?

    自治体や専門家に相談して、適切な対策をとる必要があります。

阪田順子
この記事を書いた人
阪田順子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

FP1級、CFP保有。お金が好きで一般企業に勤める会社員からFPに転身。節約と副業で貯金一千万円、投資で資産を二倍にした経験有り。投資初心者をマンツーマンでサポートする、資産運用や株式投資に関する講座を開講中。趣味は株式投資。

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