砂糖に賞味期限はある?古くなっていないかの見分け方や、正しい保存方法を紹介
料理にも、お菓子作りにも欠かせない調味料のひとつ、砂糖。
砂糖は、長期保存しても変化しにくい食品としてJAS法に登録されており、賞味期限の表示がありません。
しかし、「保存しておいたらカチカチに固まってしまった」「なんだか黄色くなった」など、使えるのか悩んだ経験がある方もいるのではないでしょうか。
ここでは、以下のことを解説しています。
- 砂糖には賞味期限がない
- 注意したい砂糖の状態
- 古くなったり固まったりした砂糖の対処法
- 砂糖の適切な保存方法
砂糖を正しく保存すれば、無駄にすることなく、家計の節約にも役立つでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。
砂糖にも賞味期限はある?
多くの砂糖や塩には賞味期限がありませんが、種類によっては期限が定められています。製品ごとの賞味期限について説明します。
砂糖には賞味期限がない
一般的な砂糖には、賞味期限の表示がありません。
砂糖は、JAS法(日本農林規格等に関する法律)における農林物資の品質基準表示で、「賞味期限を表示する必要がない食品」として登録されています。なぜなら、長期間保存しても変化しない性質があるからです。賞味期限自体が設定されていないため、表示もありません。
「棚の奥からずっと昔の砂糖が出てきて心配」という場合でも、状態をチェックして問題がなければ使えます。
塩の賞味期限は?
よく使う調味料の塩も同様です。品質の変化が極めて少ない食品として、表示が義務付けられていません。ストックしておいても問題ないでしょう。
黒砂糖やほかの砂糖は?
砂糖には賞味期限がないと前述しましたが、実は種類によっては、賞味期限が定められているものもあります。
以下の表に、種類ごとの賞味期限についてまとめました。「砂糖の種類を間違えて傷んでしまった」とならないように、ご確認ください。
砂糖の種類と賞味期限
砂糖の種類 | 賞味期限記載の有無 | 賞味期限目安 |
黒砂糖 | あり | 4~12カ月 |
ガムシロップ | あり | 製造後1年 |
三温糖 | なし | なし |
スティックシュガー | なし | なし |
甜菜糖(てんさいとう) | なし | なし |
氷砂糖 | なし | なし |
多くの砂糖に賞味期限はありませんが、黒砂糖とガムシロップには期限があります。
黒砂糖は一般的な上白糖などの砂糖よりも精製度が低いため、変質しやすい点が特徴です。長期間保存すると、色が濃くなったり風味が落ちたりするため、定められた期限を守り、開封後は早めに使い切るようにしましょう。
またガムシロップは、実は砂糖ではありません。ガムシロップの原料には果糖ぶどう糖液糖との表示があり、原材料はデンプンです。
砂糖と同じように使われますが、成分は違うものであるため、賞味期限があります。
念のため、お使いの砂糖に賞味期限の表示があるのか、確認しておきましょう。
注意したい砂糖の状態
砂糖は変質しにくい食品ですが、保存方法が良くないと変質する可能性があります。以下のような状態になったら、使えないと判断して廃棄しましょう。
- 部分的に変色している
- 湿気で溶け出している
- いやなにおいがしている
1つずつ説明します。
部分的に変色している
砂糖全体の黄ばみや薄茶色の変色は「メイラード反応」といって、問題ないとされています。メイラード反応は自然現象の1種で、原料のアミノ酸と糖が反応して起こります。
しかし、同じ黄色でも「部分的」な変色は傷んでいる可能性があるため、使用を避けたほうが良いでしょう。
湿気で溶けだしている
湿気で溶けだしている砂糖も変質しているサインです。溶けだしている砂糖は、使わないほうが良いとされています。
いやなにおいがしている
いやなにおいがしたりするのも傷みのサインであるため、使用を避けましょう。
使う際には、状態を観察することをおすすめします。記事の後半で、砂糖が傷まないための保存方法を紹介します。
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古くなった砂糖はどうすれば良い?
結局、古くなった砂糖をいつまで使っていいのか、迷う方もいるでしょう。
結論からいうと、適切な保存をしていれば「期間」の制限はありません。「期間」ではなく、次に説明する「砂糖の状態」を観察して判断しましょう。
いくら保存期間が短くても、変質している場合は使えないと判断できるため注意してください。
固まった砂糖はどうすれば良い?
砂糖が固まる主な理由は乾燥です。とくに、上白糖などの結晶が細かい砂糖は、水分を含んでしっとりしています。そこに乾燥が加わることで結晶同士が接着し、固まる性質があるのです。
固まった砂糖は乾燥しただけのため食べても問題はありませんが、塊になったままでは使いにくいでしょう。
たたいてもなかなかほぐれない塊ですが、湿気を与えれば簡単にほぐれます。固まった砂糖に湿気を与えてほぐすための簡単な方法は、以下のとおりです。
- 食パンと一緒に密閉容器に入れる
- 砂糖の容器に水分を含んだキッチンペーパーを入れる
1つ目は、砂糖の密閉容器の中に食パンを入れる方法です。入れてから1日ほどすると、食パンの水分を砂糖が吸収してほぐれます。
2つ目は、砂糖の容器に水分を適度に含んだキッチンペーパーを入れる方法です。キッチンペーパーを中に入れても良いですが、上部のフタなどに挟むのも良いでしょう。
どちらも簡単な方法のため、固まってしまったら、ぜひお試しください。砂糖がサラサラに戻ったらそのままにはせず、キッチンペーパーを取り出しましょう。
なお、「手っ取り早く霧吹きで」と考えるかもしれませんが、吹き掛ける水分が多すぎると砂糖が溶けるため、少量ずつ掛けるように注意してください。
砂糖の正しい保存方法は?
砂糖を使おうとしたら「ダメになっていた」という事態を避けるために、正しい保存方法をお伝えします。基本を守り、長期間おいしい状態を維持できるようにしましょう。
開封・未開封にかかわらず密閉保存
砂糖は開封・未開封にかかわらず「密閉保存」が基本です。
これは、砂糖の袋には移動時の破裂などを防ぐために、小さな空気穴が開けられているためです。
通気のための穴が開いていることで、においや湿気の影響を受けやすい特徴があります。また、においにつられてやってきた虫が、袋を食い破って入り込むこともあります。
変質や虫の侵入を防ぐために、砂糖を袋ごと、缶や食品保蔵容器などの密閉容器に入れるのが推奨される保存方法です。未開封だとつい袋のまま保存したくなりますが、砂糖を無駄にしないためにも、袋ごと密閉しておきましょう。
なお、砂糖の袋が汚れた場合などはつい表面を洗いたくなりますが、穴から水分が入り込んでしまいます。外側の汚れをペーパーで拭き取るくらいが良いでしょう。
変質しやすい環境を避ける
毎日使う砂糖の置き場所は、変質しやすい環境を避けることが大切です。
砂糖は湿気やにおいを吸着しやすい性質があるため、密閉容器に入れていても開封する際に影響を受けることがあります。以下のような場所を避けて保存しましょう。
- においが強い場所
- 冷蔵庫内
- 湿度の変化が大きい場所
- 温度が高い場所
強いにおいが近くにあると、においが移り、砂糖が台無しになります。洗剤などの強いにおいの近くに置くのは避けましょう。
保存場所として適していると思われがちな冷蔵庫は、におい移りのもととなる食料品が多くあります。さらに庫内は乾燥しやすく、砂糖が固まりやすいため、保存場所としては向いていません。常温保存にしましょう。
砂糖は、湿度の変化にも弱い調味料です。湿気が多いと溶ける原因にもなるため、水回りでの保存や濡れた手で触るなどの行為はしないように注意しましょう。
コンロ周りなどの高温の場所も、砂糖が溶ける原因になるため避けてください。
変質しやすい環境以外の場所に保存して、おいしい状態を保ちましょう。
色がついた砂糖はサトウダニの繁殖にも注意
砂糖の種類によっては、ダニの繁殖に注意が必要です。
「砂糖の中では虫が繁殖しない」と聞いたことがあるかもしれませんが、それは精製度が高い、上白糖やグラニュー糖の話です。
精製度が高い砂糖には、虫が生き残るための水分がありません。また虫が入り込んでも、砂糖の作用で脱水されて死んでしまうため、虫が繁殖する心配はないとされています。
しかし以下のような、水分やミネラルを多く含んでいる砂糖では、条件が悪いとダニが大量発生するともいわれています。
- 三温糖
- 中白糖
- 黒砂糖
発生しやすい温度や湿度は、以下のとおりです。
- 温度:25~28度
- 湿度:75%前後
ミネラルを多く含み、ヘルシーなイメージがある色つきの砂糖ですが、ダニも好んで集まるため、保存する際には一層の注意が必要です。
湿度が高い環境はできるだけ避けて、多量の買い置きはしない方が良いといえるでしょう。また、虫が入り込んだり繁殖したりするのを避けるためにも、密閉容器を利用するのがおすすめです。
砂糖を長期間おいしく保つために保存方法に気を付けよう
砂糖は上手に保存すれば、長期間食べられる優れものです。しかし、保存状態が良くないと変質したり虫が入り込んだりして、「肝心なときに使えなかった」となりかねません。
保存場所に気を付けるとともに、密閉容器に保存して、いつまでもおいしい状態を保ちましょう。
また、長期間保存したあとに使用する際は、状態を観察して変質の有無をチェックしてから使うほうが良いでしょう。
密閉容器は缶や食品保蔵容器、パッキン付きの入れ物など、さまざまな種類があります。使いやすいもの、見た目がかわいいものなど、お気に入りの容器に入れると、料理時間が楽しみになるでしょう。
このテーマに関する気になるポイント!
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砂糖には賞味期限があるの?
一般的な砂糖は、長期間変化しにくい食品としてJAS法に登録されていて、賞味期限はありません。保存状態が良ければ、いつまでも使えます。
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砂糖には虫がわくの?
上白糖などの精製度が高い砂糖には脱水作用があり、虫が入り込んでも死んでしまいます。しかし、黒砂糖や三温糖などのミネラルが豊富な砂糖はサトウダニの繁殖が報告されているため、適切な保存が大切です。
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砂糖を開封していなければ、袋のまま保存できる?
砂糖の袋には、通気目的の小さな穴が開けられています。そのため、開封していなくても密閉容器での保存が推奨されています。
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においと湿度に要チェックね!