教授へのメールの書き方│基本的なマナーや返信時のポイントを例文で解説
大学生になると課題の質問やゼミの連絡事項など、教授へメールを送る機会が増えます。教授をはじめ、指導者である目上の方へメールを送る場合は、失礼のないようマナーを守って送ることが大切です。
基本的なマナーを心得ておけば、相手を不快な気持ちにさせることなく円滑なコミュニケーションが図れ、信用が得られます。大学生のうちに、目上の人に対するマナーを身につけておくと、就職活動や社会人になったときに役立つでしょう。
ここでは、教授へメールを送る際に知っておくべきマナーやメールの形式、例文を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
教授へのメールを書く時のマナー
教授にメールを送る際は、目上の人に対するマナーを覚えておく必要があります。社会では、メールのやり取りからコミュニケーション能力を判断されることも多いため、基本的なマナーを覚えておきましょう。
1. 大学のメールアドレスから送る
大学に入ると、ドメインに大学名の付いたメールアドレスが、学生一人ひとりに支給されることがほとんどです。教授にメールを送る際は、できるだけ大学支給のメールアドレスを使い、フリーメールや携帯キャリアのアドレスからは送らないようにしましょう。
なぜなら大学のアドレス以外から送ると、迷惑メールと間違われ、メールを送ったのに確認してもらえないなど、トラブルになる可能性があるためです。もし大学のアドレス以外から送る必要があるなら、事前に許可を得ると良いでしょう。
2. 適切な言葉遣いに心がける
親しみやすい教授でもメールを書く場合は、必ず正しい敬語を使いましょう。教授へのメールでNGな言葉遣いの例を以下に挙げます。
- 絵文字
- タメ口
- 話し言葉
- フランクな言葉遣い
- 「~してください」などの命令形とも取れる表現
- 「。」の代わりに♪や☆などの記号を使用すること
- 「暇があれば」「暇な時間に」など丁寧さに欠ける表現
教授に何かお願いする際は「~してください」ではなく、「~していただけますでしょうか」を使うと良いでしょう。また「暇があれば」「暇な時間に」も、「お時間がありましたら・ご都合の良いときに」などの丁寧な表現を使います。
3. 簡潔に、必要な情報のみを伝える
メールの内容が伝わりにくいとやり取りする回数が増え、教授に迷惑をかけるため、簡潔に必要な情報のみを記載します。何を聞きたいのかを事前によく整理し、必要であれば質問に至った経緯と意図なども記載すると良いでしょう。
4. 読みやすい形式にして、誤字脱字も避ける
メールの文面は、読みやすさに配慮します。書き終わったら読みやすいかどうか、誤字脱字がないか、読み返してチェックを行いましょう。メールを読みやすくする工夫を以下に挙げます。
- 箇条書きを使う
- 内容が変化するところで改行する
- 一文が長くならないようにする
5. 教授の勤務時間帯に合わせて送る
メールは24時間いつでも送ることができますが、いつでも送って良いわけではありません。教授によってはスマホに通知が入るように設定していることがあり、着信音がプライベートを邪魔する可能性もあります。
至急の要件以外は深夜・早朝を避け、できる限り勤務時間帯に当たる8~18時の間に送信するようにしましょう。
6. 教授とは友達の関係性ではないことを意識する
授業を受けていると、教授のことをよく知っている気になるかもしれません。授業や対面でカジュアルに話す教授の場合、距離感が近いと感じるかもしれませんが、友達のような間柄と考えるのは間違いです。きちんと礼儀をわきまえ、必ず敬語を使ってメールを作成しましょう。
教授へのメールの形式
教授へ送るメールの構成を紹介します。一般的なビジネスメールも同じ要領ですので、覚えておくと良いでしょう。紹介する順番どおりに作業すれば作れるため、参考にしてみてください。
件名
件名を読めば、対象(授業や課題など)と目的(相談・お願い・連絡・お礼・謝罪など)がわかるように書くと良いでしょう。以下は件名の書き方の例です。
- ◯◯(授業名や課題名)の内容についての質問
- ◯◯検定の学習法についてのご相談
- ◯月◯日ゼミ 欠席のご連絡
続いて、件名のNG例をいくつか紹介します。特に「件名なし」はNGです。以下のような書き方では、メールを開封すらしてもらえない可能性があるため避けましょう。
- 件名なし
- 授業に関する質問
- 課題のご相談
- お願い
- ご依頼
宛名
本文の最初に宛名を書きます。宛名は「◯◯(教授のフルネーム)先生」または「◯◯(教授のフルネーム)教授」と書くのが一般的です。先生や教授のうしろに「様」を付けないように注意しましょう。
あいさつと差出人の名前
文頭には、簡単なあいさつ・差出人(自分)の所属・フルネームを記載します。初めて教授にメールを送る場合なら「初めまして。突然のメールで申し訳ありません。◯◯学を受講している◯大学◯学部◯年生(回生)の◯◯(自分のフルネーム)と申します。」と書くと良いでしょう。
2回目以降にメールする場合なら「お世話になっております。◯大学◯学部◯年生(回生)の◯◯です。」と書いても問題ありません。大学名を入れるのは、教授はほかの大学でも講義を受け持っていることがあるためです。
文頭のあいさつのバリエーションについては、以下も参考にしてみてください。
- 初めてご連絡差し上げます。
- お忙しい中、突然のメールをお許しください。
- 日頃はお世話になり、ありがとうございます。
- いつもご指導いただき、厚くお礼申し上げます。
メールの本文
メールの本文では、用件を具体的かつ簡潔に記載します。本文の中では、敬語の使い方にも注意が必要です。尊敬語と謙譲語の使い方は正しいか、「ご覧になられる」などの二重敬語がないかをチェックしましょう。
結び・締めの言葉
本文の最後に、結び・締めの言葉を記載します。質問やお願いするメールの場合は、「ご多忙の折、恐縮ですが」や「勝手なお願いで申し訳ありませんが」などのクッション言葉を入れると良いでしょう。締めの言葉は、以下の例も参考にしてみてください。
- 以上、よろしくお願いいたします。
- お忙しいところ恐縮ですが、何とぞよろしくお願いいたします。
- お手数をおかけしますが、ご返信いただけましたら幸いです。
- これからもよろしくお願いいたします。それでは失礼いたします。
署名
メールの最後には、差出人の署名を入れます。前述のあいさつのところで差出人名を告げていますが、それでも署名の記載は必要です。署名は送るたびに書くのではなく、メールの署名機能を利用すると良いでしょう。メールの署名には、以下の内容を登録しておきます。
- 学部学科
- 学年
- 氏名
- 学籍番号
- メールアドレス
電話番号や住所は必ず必要になる内容とも限らないため、プライバシーの観点から省いても良いでしょう。記載する場合は、取り扱いにくれぐれもご注意ください。
|
|
教授に送るメールの例文
教授に送ることの多い、6パターンの例文を紹介します。メールを送る時の参考にしてください。
レポートの提出時のメール
レポートや課題を提出する際の例文を紹介します。
本文
◯◯先生
いつもお世話になっております。
◯大学◯学部◯学科◯年の山田太郎です。
◯月◯日締切「◯◯(課題名)」レポートを提出いたします。
添付資料のご確認お願いします。
以上、よろしくお願いいたします。
――――――――――――――――――――――――
◯大学◯学部◯学科
山田太郎(学籍番号:123456)
E-mail:taro-yamada@university.ac.jp
――――――――――――――――――――――――
レポートを遅れて提出する時のメール
レポートを遅れて提出する時の例文を紹介します。遅れる理由やいつまでに提出できるのかも記載しましょう。
本文
◯◯先生
いつもゼミでのご指導、ありがとうございます。
◯大学◯学部◯学科◯年の山田太郎です。
◯月◯日の締め切りのレポートですが、インフルエンザのため作成が遅れています。
作成でき次第すぐに提出いたしますが、◯日になりそうです。
誠に申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
――――――――――――――――――――――――
◯大学◯学部◯学科
山田太郎(学籍番号:123456)
E-mail:taro-yamada@university.ac.jp
――――――――――――――――――――――――
欠席を謝罪する時のメール
就活の都合などでゼミや授業の欠席を連絡する際の例文を紹介します。予定がわかった時点で早めに連絡を入れるようにしましょう。また提出物がある場合は、早めに提出するなどの対処法を記載するのもポイントです。
本文
◯◯先生
◯大学◯学部◯学科◯年の山田太郎です。
いつもご指導いただき、厚くお礼申し上げます。
選考中の企業面接と重なったため、◯月◯日の◯◯ゼミを欠席させていただきます。
申し訳ありませんが、提出期限◯月◯日の課題は◯日に提出いたします。
何とぞよろしくお願いいたします。
――――――――――――――――――――――――
◯大学◯学部◯学科
山田太郎(学籍番号:123456)
E-mail:taro-yamada@university.ac.jp
――――――――――――――――――――――――
教授へのアポを取る時のメール
教授へアポを取る時の例文を紹介します。もしメールを送る時点で、アポの相談や質問の内容がはっきりしているなら、一緒に記載しておくと良いでしょう。
本文
◯◯先生
いつもご指導いただき、ありがとうございます。
◯大学◯学部◯学科◯年の山田太郎です。
◯◯(卒論・レポート・課題などの名称を記載)について、相談のお時間をいただきたく連絡いたしました。
来週、教授のご都合の良い日時に、1時間ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。
相談させていただきたい内容は以下の2点です。
1:……
2:……
お忙しいとは存じますが、ご連絡お待ちいたしております。
――――――――――――――――――――――――
◯大学◯学部◯学科
山田太郎(学籍番号:123456)
E-mail:taro-yamada@university.ac.jp
――――――――――――――――――――――――
教授に質問する時のメール
教授に講義や課題に関する質問を送る際の例文を紹介します。
本文
◯◯先生
初めまして。突然のメールで申し訳ありません。
◯◯学を受講している◯大学◯学部◯回生の山田太郎と申します。
◯曜日◯限「◯◯講義」について2点質問があります。
1:……
2:……
お手数をおかけしますが、上記についてご教示いただけましたら幸いです。
以上、よろしくお願いいたします。
――――――――――――――――――――――――
◯大学◯学部◯学科
山田太郎(学籍番号:123456)
E-mail:taro-yamada@university.ac.jp
――――――――――――――――――――――――
お礼メール
教授へお礼を伝えるメールの例文を紹介します。アドバイスや教示された内容から、気付きがあった点なども一緒に伝えると、丁寧で良い印象を残すことができるでしょう。
本文
◯◯先生
ゼミでのご指導、いつもありがとうございます。
◯大学◯学部◯学科◯年の山田太郎です。
先日、ゼミ後にご相談いたしました◯◯について、参考文献のご紹介ありがとうございました。
レポートの制作に大変役立っただけでなく、◯◯に関して理解を深めることができました。
引き続きご指導、よろしくお願いいたします。
――――――――――――――――――――――――
◯大学◯学部◯学科
山田太郎(学籍番号:123456)
E-mail:taro-yamada@university.ac.jp
――――――――――――――――――――――――
教授への返信時のマナー
教授のメールに返信する際、気を配るべきマナーを2点紹介しますので覚えておきましょう。
1. 必ずメールに返信する
教授からのメールを確認したら遅くても24時間以内、週末や連休を挟む場合は2~3日以内に返信しましょう。至急の場合を除き、返信の時間帯は深夜や早朝を避け、平日の8~18時に送るのが目安です。
自分が送った質問に対する回答であれば、本文の最初にメールを貰ったことに対してお礼を記載し、その後に必要事項を記載します。お礼は「お忙しい中ご回答いただき、ありがとうございます。」などとすると良いでしょう。
ただし、教授からのメールの内容がレポートの受領確認や欠席に対する了解の旨、またはメールに「返信不要」とある場合には、返信を送る必要はありません。
2. 件名にある「Re:」を消さない
メールを返信する際には、件名の頭に自動で「Re:」が付く、送ったメールに対する返信だとひと目でわかる機能があります。この「Re:」は消さず、元の件名も書き換えずに返信しましょう。
後からメールを探す際、メールのやり取りの流れが件名からわかり、どのメールを開いて確認すれば良いか判断する助けになるためです。ただし、何往復もやり取りして「Re:」が増えて件名が見づらくなったら、減らしても良いでしょう。
また、用件が違う内容を返信メールで送るのは避けてください。用件が違う内容を送るなら、メールを新規作成するか件名を変更して送ると良いでしょう。
教授へメールを送るときには、注意すべきマナーや独特の言葉遣いがあります。その中で大切なのは、教授へ敬意を表すことや迷惑をかけないための心遣い、内容を明確で伝わりやすくすることです。紹介した例文を参考に、メールを作成してみてください。
このテーマに関する気になるポイント!
-
教授へ送るメールの書き方のポイントとは?
敬意を表し、適切な言葉遣いを心がけるのがポイントです。教授は友だちではないことを意識し、わかりやすく簡潔な文章で書き、送信時間帯にも注意を払いましょう。
-
教授へ送るメールの構成要素とは?
以下の内容を記載しましょう。
1.件名、2.宛名、3.あいさつと差出人名、4.本文、5.結び・締めの言葉、6.署名 -
教授のメールに返信するときのポイントとは?
返信は遅くても24時間以内に送るのが良いでしょう。返信する際は、件名の「Re:」を消さずに送ります。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
この記事をチェックした人にはコチラ!
|
|
学生っていうのもあってフランクになりがちだけど、社会勉強のためにもしっかり実践しておいたほうが良いわね!