フィンテック(FinTech)とは?意味やどんなサービスがあるかを簡単に解説

リリース日:2023/06/27 更新日:2024/06/04

ここ数年で、お金に関する問題を情報通信技術が解決できることも増えてきました。さまざまなテクノロジーを駆使した金融サービスは、フィンテック(FinTech)と呼ばれています。支払いや家計管理、投資まで広い分野で利用され、使うことが当たり前になっているものも増えてきました。

フィンテックはお金の分野を便利にしてくれますが、その一方でこれからの課題も指摘されています。ここでは、フィンテックと呼ばれる技術・サービスについて見ていきましょう。

  1. フィンテックとは?
  2. フィンテックとはどのような技術が使われているのか?
  3. フィンテックの具体的なサービス
  4. フィンテックの今後の課題
  5. まとめ

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フィンテックとは?

フィンテックとは?

フィンテックとは、ICT(情報通信技術)を活用して提供される、革新的な金融商品・サービスのことです。英語ではFinTechと書きます。これは金融の「Finance」と技術の「Technology」を組み合わせた造語です。金融というのは、銀行や証券、保険などお金に関するさまざまな分野を指しています。またテクノロジーは主にICTやITと呼ばれ、インターネットやスマートフォン、人工知能やクラウドといった技術を指しています。

 

フィンテックという言葉は、2000年頃からアメリカで使われ始めました。その後、リーマンショックや金融危機を経て、新しい技術を使った金融サービスを提供する、新たな金融ベンチャーが数多く現れ始めました。これまで存在した金融ビジネスにイノベーションを導入することで、これまでになかった価値や利便性を生み出すことを目的としています。

 

例えばブロックチェーンは暗号資産を生み出し、世界中から注目されました。またスマートフォンを使った決済は、これまで十分な金融サービスを受けられなかった、途上国や新興国の人々にも利便性をもたらしています。

 

金融やICTというと堅苦しく聞こえるかもしれません。しかしフィンテックはすでに身近なところまで浸透しています。例えば決済の分野では、スマートフォンを使った支払いが当たり前になりつつあります。投資の分野では、手軽に投資を始める手段としてロボアドバイザーを利用している方もいるでしょう。商品開発を応援するため、クラウドファンディングを通じて資金を提供することも珍しいことではありません。こういったものもフィンテックに含まれます。

 

フィンテックにはどのような技術が使われ、どのようなサービスが提供されているのでしょうか。各分野の代表的なものをあげていきましょう。

フィンテックとはどのような技術が使われているのか?

フィンテックとはどのような技術が使われているのか?

インターネット

情報通信技術の基盤となっているのがインターネットです。インターネットプロトコルと呼ばれるルールにより、世界中がコンピュータネットワークでつながるようになりました。情報の閲覧やメールによる通信ができるだけでなく、さまざまなサービスの提供も可能にしています。

 

オンラインショッピングでは、世界中のネットショップで買い物ができ、クレジットカードを使うことで、オンライン決済も可能です。インターネットはフィンテックにおいても不可欠な技術です。

モバイル技術

モバイル技術も、フィンテックのサービスに不可欠の技術です。スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど、情報機器を外に持ち出して利用できるようにしています。例えばオンライン決済はネットショップだけで行うものではなく、街中にある飲食店やコンビニでも利用されています。外に持ち出せるスマートフォンなどがあることで、いつどこでも決済サービスを利用できるようになります。

人工知能(AI)

人工知能(AI)は、コンピュータがデータを読み込んで、人間のように推論や判断を行う技術です。近年コンピュータの性能が上がり、ディープラーニングという技術が登場したことで、AIの性能が飛躍的に向上しています。

 

金融サービスは、データをチェックして判断を下すという作業が多く、AIが活躍する分野です。商品や保険など、ユーザーに適した金融商品の選択にも応用されている例があります。人間と自然に対話できるAIも登場し話題となりました。金融サービスと結びつくことで新たなフィンテックとして登場するかもしれません。

ビッグデータ

情報技術の発展により、人間では把握しきれないほどの量のデータを生かせるようになりました。ビッグデータと呼ばれるものとしては、インターネットの閲覧履歴や購買履歴、SNSでの書き込みなどがあります。こうした情報を管理し分析する技術を使って、顧客にあわせたサービスが提供されます。ネットショップにおける商品のレコメンドがその例です。数えきれないほどの金融商品を目の前に悩む場合に、助けられることがあるでしょう

API

APIは、アプリケーションプログラミングインターフェースの略で、アプリケーション同士のデータ連携を可能とする技術です。インターネット上においては、さまざまなサービスが提供されています。SNSや動画サービスなどが相互に連携することで、ユーザーの利便性が高まることがあります。これは金融サービスの世界でも同じ。例えば家計簿アプリを、銀行や証券のサービスと連携することで、自動でデータを取り込むことが可能となるといった例があります。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは、取引履歴などを改ざんが難しい形に暗号化し記録する技術です。ブロックチェーンの技術により、ビットコインなどの暗号資産が登場し、世界中で取り引きされるようになりました。

 

ブロックチェーンは暗号資産だけでなく、さまざまな取り引きや契約などにも応用可能な技術です。証券などの金融商品の取り引きにも、これからもさらに広く利用される可能性を秘めています。新たな技術が金融と結びつくことで、さまざまなフィンテックサービスが生まれているのです。

フィンテックの具体的なサービス

フィンテックの具体的なサービス

バーコード決済

フィンテックとしてはもっとも身近なのが、QRコード決済・バーコード決済かもしれません楽天ペイなど、「○○PAY(ペイ)」のようなアプリが数多く登場しました。お店のレジで、スマートフォンに表示させたバーコードを読み取ってもらうことで、支払いが完了します。現金を持ち歩かずに済んだり、お釣りのやり取りがなかったり、さまざまなメリットがあります。バーコード決済は、クレジットカードなど既存の金融サービスとの連携をすると便利です。

信用スコア

フィンテックにおけるデータの活用法のひとつに、信用スコアという考え方があります。融資、つまりお金を貸し出す際の信用を、さまざまなデータから計算し数値化するというものです。デジタル化された世界では、サービスの利用やショッピングでの購入といった履歴が、ビッグデータとして蓄積されています。こうしたデータを活用し、融資における審査を短時間かつ正確にすることで、利便性が向上し、不良債権の発生を抑えることが期待されています。

 

ただし信用スコアを提供する会社が個人情報を取り扱うことに不安を感じる人は多く、日本ではまだあまり浸透していません。

暗号資産(仮想通貨)

ビットコインなど暗号資産の取り引きが盛り上がり、大きな話題となりました。暗号資産には、ブロックチェーンと呼ばれる新しい技術が使われており、インターネットを通じて、国境を越えた短時間かつ低コストの決済を可能にしています。ただし値動きが大きいため、通貨としてよりも投資や投機の対象と見なされることが多いようです。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、クラウド(群衆)とファンディング(資金調達)という、2つの言葉からできています。起業などのため資金を必要とする人が、インターネットを通じて、不特定多数の人から少額ずつ資金を集めることです。銀行や株式市場を通じた資金調達とは異なり、手軽に始めることができ、これまでは難しかった「社会的な課題の解決」のような事業でも資金集めを可能にしました。購入型や寄付型など、さまざまな形態があります。

ロボアドバイザー

銀行や証券会社による資産運用のアドバイスをAIがしてくれるようになりました。ロボアド、ロボアドバイザーと呼ばれるものです。いくつかの質問に答えると、ユーザーのリスク許容度などを考慮したポートフォリオの提案をしてくれます。提案だけでなく、リバランスなどの運用まで自動でしてくれるタイプもあります。投資をより身近にしてくれるフィンテック技術といえるでしょう

家計簿アプリ

これまで家計管理というと、手書きの家計簿というイメージがありました。その家計簿をスマートフォンやパソコンで利用できるようにしたのが、家計簿アプリです。金融機関とのAPI連携により、銀行やクレジットカードの利用履歴なども管理できるタイプがあります。またレシートをスマートフォンで撮影するだけで家計簿のデータを入力できるものもあり、より利便性が高くなっています。

フィンテックの今後の課題

フィンテックの今後の課題

フィンテックの課題は情報セキュリティです。フィンテックは金融商品やサービスをデジタル化しています。フィンテックで扱う情報は個人とその資産に関するものが多く、サイバー攻撃や不正アクセスといったリスクにさらされています。セキュリティに問題があった場合には、深刻な結果となってしまうでしょう。フィンテックがより普及するには、セキュリティの問題を解決していくことが重要です。

 

利用する側の課題についても考えなければなりません。フィンテックの普及は、多くの人々にとって、さまざまな金融商品・サービスへのアクセスを容易にしてくれますが、そこでユーザーに求められるのが金融リテラシーです。金融に関する情報を自分で理解し、判断していく能力を高めていかなければなりません。金融リテラシーがあれば、フィンテックが提供するサービスを使いこなすことができ、資産形成の強みになるでしょう。

まとめ

まとめ

インターネットやAIといったICT(情報通信技術)が、金融商品・サービスと結びついて可能になったのがフィンテック(FinTech)です。スマートフォンなどを通じた金融取引などにアクセスしやすくなり、また新たなタイプの金融商品も登場しています。こうした状況でフィンテックを使いこなすのに必要なのは、金融リテラシーです。家計の収支や貯蓄を把握し、これからのライフプランを実現するには、どんな金融商品・サービスが必要なのか、判断し実行するための知識を身につけていくことが大切になります。

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※この記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しております。

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このテーマに関する気になるポイント!

  • フィンテックとは?

    ICT(情報通信技術)を活用して提供される、革新的な金融商品・サービスのことです。

  • フィンテックで使われる技術は?

    インターネットやモバイル技術、人工知能(AI)、ビッグデータ、API、ブロックチェーンなどのICT(情報通信技術)が使われています。

  • フィンテックの具体的なサービスは?

    バーコード決済、信用スコア、暗号試算(仮想通貨)やクラウドファンディング、ロボアドバイザー、家計簿アプリなどがその例です。いずれも決済や家計管理、投資に役立つサービスです。

  • フィンテックの今後の課題は?

    サービスを提供する側には個人の情報や資産を守るための情報セキュリティが、利用する側にはフィンテックの活用に金融リテラシーを高めていくことが必要とされています。

黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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