エアコンの送風機能とは?冷房や暖房などとの違いや電気代を抑える使い方を解説
エアコンには「送風」機能がついているものがありますが、「いつどのようなときに使うの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。冷房や暖房、除湿などは使うタイミングがわかっていても、送風を使うタイミングを知らない方は多いのではないでしょうか。
送風には、冷房や暖房、除湿などとは違う使い道があり、ほかの機能よりも電気代がかからないという特徴があります。電気代が値上がりを続けている今だからこそ、エアコンで節約できるよう送風機能について詳しく確認しておきましょう。
- エアコンの「送風」ってどんな機能?
- エアコンの送風と除湿・冷房・暖房の違い
- エアコンの送風機能を利用するメリット
- エアコンの送風機能を効果的に利用するポイント
- エアコンの送風機能とほかの機能で1番電気代がお得なのはどれ?
- エアコンの送風機能を使う際の注意点
- エアコンの送風機能がない場合はどうすれば良い?
- エアコン掃除で送風機能の運転効率をアップさせよう
- エアコンの送風機能をうまく使って電気代を節約しよう!
エアコンの「送風」ってどんな機能?
エアコンの「送風」は、室内の空気を循環させる機能です。エアコンの室内機に取り込んだ空気を室内機内のファンを使って送り出すことで、部屋中の空気を循環させます。
扇風機やサーキュレーターのような役目をすると考えると良いでしょう。
エアコンの送風と除湿・冷房・暖房の違い
エアコンの機能には、送風のほかにも除湿や冷房、暖房などがあります。それぞれどのような働きがあり、温度や湿度がどのように変化するのかを下表にまとめました。
エアコンの機能
※メーカーやエアコンの仕様により異なります。
上の表より、それぞれ異なる機能であることがわかります。送風には、温度・湿度を変化させる効果はありませんが、除湿・冷房・暖房では温度や湿度に変化があります。
エアコンの送風機能を利用するメリット
エアコンの機能の中で、送風を使うことはあまりないという方もいるでしょう。送風機能は、どのようなときに使うと効果を発揮するのでしょうか。
送風機能を利用する主なメリットを3つ解説します。
カビの発生を防げる
エアコンの送風機能はカビ予防に効果があります。送風機能を使うとエアコンの内部が乾燥するためです。
冷房運転をした後はエアコン内部に水が溜まりやすくなります。冷房運転後1~2時間(エアコンの機種によっては3~4時間)送風運転で乾燥させ、カビを防止します。
電気代の節約につながる
送風では熱交換器を作動させないため、熱交換器を作動させる冷房や暖房、除湿ほど電気代はかかりません。
夏の暑い時期はすぐに冷房を入れたくなりますが、その前に送風で部屋の中の空気を循環させておくことで、効率良く室内を冷やせます。いきなり冷房を全開で作動させるよりも経済的です。
また、冬場の冷気を温める際も、暖房を入れる前に送風で空気を循環させておくことにより、室内の暖房効果を高めることができます。
部屋の空気を循環できる
送風は室内の空気を循環させるため、室内温度を一定に保ち体感温度を下げる効果も期待できます。実際に室内温度が下がらなくても、扇風機やサーキュレーターのように空気の流れを作り、エアコンをつけなくても涼しさを感じられることがあるでしょう。
暖かい空気は室内の上のほうに、冷たい空気は下のほうに溜まる性質があるため、送風の向きを上手に調整することがポイントです。
電気代は、扇風機やサーキュレーターを使うよりも、エアコンの送風のほうが安くなるケースもあります。できるだけ部屋にものを置きたくない方もエアコンの送風機能の活用がおすすめです。
エアコンの送風機能を効果的に利用するポイント
エアコンの送風機能を効果的に使うことで、電気代が節約になったりお手入れが楽になったりするなどのメリットがあります。
ここでは、送風機能を活用するためのポイントを解説していきます。
部屋での体感温度を下げるために使う
何となく暑さを感じるものの、エアコンをつけるほどではないというときがあります。こういったときは、エアコンの送風機能を使ってみましょう。室内の温度のムラが解消し、体感温度が下がることがあります。
冷房では寒すぎるときに使う
室内の暑さの感じ方は、家族それぞれで異なることがあります。冷房をつけたいほど暑いと感じる家族もいれば、冷房では寒すぎると感じる家族もいるでしょう。
そのような場合は、寒さを感じる家族のいないほうに送風の風を向けます。空気は冷やさないため、風の向く方向にいない家族が寒さを感じることはありません。
部屋の換気をしたいときに使う
換気機能が搭載されていないエアコンでも、窓を開けて送風機能を使えば室内の換気ができます。室内の隅々まで換気したいときは、換気扇なども同時に使うと良いでしょう。
カビ予防などのお手入れ代わりとして使う
エアコンを使うシーズンといえば、夏場や冬場がメインとなるでしょう。梅雨の時期の湿気取りに使うこともありますね。
梅雨入り前や夏の初め、肌寒くなってきたタイミングなど、エアコンの利用が本格的に始まる前に、天気の良い日を選んで半日ほど送風機能でエアコンを作動させましょう。そうすることにより、エアコンの内部が乾燥し、カビの予防になります。
また、冷房を使用した後やオフシーズンにも送風機能を使用することで、より確実なカビ対策になるでしょう。
エアコンの送風機能とほかの機能で1番電気代がお得なのはどれ?
エアコンの送風機能はほかの機能よりも電気代が安いというメリットがあります。冷房や暖房と比較した場合、どのくらい電気代が変わるのでしょうか。大手家電メーカーのエアコン(26畳向け)を例に、それぞれの電気代を比較してみましょう。
電気代は消費電力に応じて価格が変わるため、まずは送風・冷房・暖房使用時の消費電力を以下にまとめます。
エアコンの機能と消費電力
※家電各社のWebサイトを参考に編集部調べ。表中の数値は目安であり、詳細は各社カタログやWebサイトをご確認ください。
送風の消費電力は、冷房・暖房の約0.6%の電力しか消費しないことがわかります。
次に、それぞれ1時間運転した場合の電気料金を見てみましょう。電気料金を27円/kWhで計算すると、以下のようになります。
エアコンの機能と電気料金
送風機能は1時間運転した場合で0.46円、1日中運転したとしても11円程度しかかかりません。冷房や暖房と比較して格段に電気代が安いことがわかります。
このメリットを活かして、電気代が節約できないか考えてみましょう。例えば、12時間冷房や暖房を使った場合、それぞれ単一機能で運転した場合と、そのうち3時間を送風に変更した場合とでは、電気代にどのくらい違いがあるのかについて見ていきます。
エアコンの電気代シミュレーション
12時間のうち3時間を送風にすることで、冷房の場合は約312円、暖房の場合は約285円節約できるという計算です。これを1カ月(30日)続けると、冷房で9,360円、暖房で8,550円の節約になります。
エアコンの送風機能を使う際の注意点
エアコンの送風機能を効果的かつ安全に使うために、注意すべき点を解説します。
送風機能は温度を変えても変化がない
送風機能では温度設定ができません。暑さを感じる場合は、風量を強くして体感温度を下げるか、それでも物足りない場合は冷房や除湿に切り替えると良いでしょう。
送風機能で室内温度を均一にしてから冷房にすると、電気代の節約になります。
風が直接体に当たらないようにする
エアコンからの送風が直接体に当たると、肌が乾燥しやすくなります。
風が直接肌に当たらないように、自分がいる場所から少しずらした位置(エアコン1台分くらい離れた位置)に風向をセットすると良いでしょう。
送風機能だけではカビ対策は難しい
送風にはカビ対策ができるというメリットがありますが、送風だけでは完全なカビ対策になりません。
送風でのカビ対策とともに、定期的にエアコン内のクリーニングなどのお手入れも行いましょう。
エアコンの送風機能がない場合はどうすれば良い?
エアコンの機種によっては、送風機能がないこともあります。そういった場合でも、室温が30℃以下のときにリモコンの設定温度を最高(一般的に31~32℃)にして冷房をつければ自動的に送風運転になります。これは、室温よりも温度設定が高いので、熱交換器を使用しないためです。ほかにも、暖房の場合は17℃に設定すると送風運転になったり、空気清浄運転が送風機能に該当する場合もあります。
また、「内部洗浄」や「内部クリーン」といった機能が備わっているエアコンなら、送風機能がなくてもカビ対策ができます。詳しくは、お使いのエアコンの取扱説明書で確認してみてください。
エアコン掃除で送風機能の運転効率をアップさせよう
エアコンの送風機能を効率的に作動させるためには、エアコンの掃除が欠かせません。家庭でできるエアコンのお手入れ方法を紹介します。
なお、エアコンの掃除をする前には、コンセントを忘れずに抜きましょう。
エアコン表面と内部のほこりや汚れを掃除する
エアコンの表面や内部のほこりや汚れは、カビのエサになるためしっかり除去することが大切です。
まずは、掃除機で表面のほこりや汚れを吸い取り、その後に水に濡らして固く絞った布か乾いた布で優しく拭き取ります。
次に、本体カバーを取り外し、吹き出し口や風向きルーバーなど内部の見える部分の汚れを拭き取ります。
風向きルーバーは手で回しながら拭き取れますが、固くて動かせない場合は無理に動かさないよう気をつけましょう。また、エアコン内部にある部品を傷つけないよう注意してください。
フィルターを掃除する
エアコンのカバーを外してフィルターを取り出し、掃除機でほこりを吸い取ります。裏側からかけるとほこりがフィルターの目に詰まってしまうため、表からかけるようにしましょう。
掃除だけではほこりが完全に吸い取れないため、水洗いもすることをおすすめします。毎回だと大変な場合は、2回に1回でも良いでしょう。シャワーの水圧である程度きれいになりますが、頑固な汚れがある場合はフィルターをぬるま湯に浸し歯ブラシなどで優しくこすってみましょう。
水洗いした場合は、カビが発生しないように清潔なタオルで水分を吸い取り、完全に乾くまで乾燥させます。
エアコンの送風機能をうまく使って電気代を節約しよう!
エアコンの送風機能は、室内の温度や湿度を変えずに空気を循環させる機能です。冷房や暖房のように熱交換器を介さないため、運転時の電気代が安いというメリットがあります。冷房や暖房を運転する際に、送風から始めたり、送風時間を挟んだりすることで、電気代の節約になります。
また、エアコン内を乾燥させることでカビ防止にも役立つため、日頃のお手入れとあわせて活用しましょう。
なお、電気代など公共料金の支払いはクレジットカードが便利です。楽天カードは年会費が無料で、公共料金の支払いでもポイントを貯めることができます。
※この記事は2023年4月時点の情報をもとに作成しております。
このテーマに関する気になるポイント!
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エアコンの送風機能とは?
室内の温度や湿度を変えずに空気を循環させる機能です。
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送風機能を利用するメリットは?
カビの発生を防止する、電気代の節約につながる、部屋の空気を循環できるといったメリットがあります。
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送風機能はどのようなときに利用するのが効果的?
シーズン初めのお手入れや、部屋の換気をしたいときなどに効果的です。
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送風機能の注意点は?
温度設定ができない点などに注意が必要です。また、体感温度を変えたいときでも、エアコンの風が直接体に当たらないよう気をつけましょう。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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すごいわ!暑さも寒さも我慢は良くないから、無理のない範囲で送風を利用して節約していけるといいわね!