「当方」の正しい意味や使い方とは?自分を表す一人称として使うのはNG?!

リリース日:2023/04/27 更新日:2024/07/08

ビジネス上の会話やメールの中などで、「当方」という言葉が使われることがあります。日常生活ではあまり使う機会のない言葉なので、どのような意味なのか気になる人もいるでしょう。「当」の字が使われていることから、「自分の方」といったイメージを持つかもしれませんが、それだけでは正しい意味や使い方がわかったとはいえません。

ビジネスパーソンとしては、「当方」を正しく理解して使っていきたいもの。そこでここでは、「当方」の正しい意味や具体的な使い方、使うときの注意点を解説していきます。

  1. 「当方」の読み方と意味
  2. 「当方」の正しい使い方
  3. 「当方」を使った例文
  4. 「当方」の類義語や言い換え表現
  5. 個人を指して使う場合の言い換え表現
  6. 「当方」の対義語
  7. 「当方」の意味や使用例を理解しビジネスに役立てましょう

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「当方」の読み方と意味

「当方」の読み方と意味

「当方」は「とうほう」と読み、「自分の方」「こちら」「私ども」という意味を表します。ビジネスの場面では「自分の属している側」という意味で使われることになります。ある業務の担当者として他社とやりとりをする場面では、「弊社」とほとんど同じ意味になります。

 

例えば、「この件は一旦持ち帰り、当方で再検討いたします」のように使います。なお、「当方」を使った例文は後ほど紹介しますので参考にしてください。

「当方」の正しい使い方

「当方」の正しい使い方

「当方」の読み方と意味がわかったところで、次に正しい使い方を確認していきましょう。

 

「当方」の使い方にはいくつか決まりがありますので、マナー違反とならないよう、正確に理解したうえで使いましょう。

個人ではなく複数人を表す

「当方」には「自分の方」という意味がありますが、個人を表す言葉ではないので自分ひとりのために使用することはできません。あくまでも、「組織として」という意味であり、個人の考えや意見などを述べるときに使うのは不適切です。

 

仮に個人の考えや意見を述べるときに「当方」を使うと、その見解はその人個人のものではなく組織全体の考えや意見と捉えられてしまい、誤解を生む可能性があります。

 

個人の考えや意見を述べるときは、「私」などの一人称を使うのが適切です。

男女の区別はない

「当方」は性別による区別はなく、男性でも女性でも使うことが可能です。「当方」には「自分の属している側」という集合体の意味合いがあるため、男女問わず使えます。

自分の会社内では使わない

「当方」は、ほかの組織や団体に対しての自分たちが属している組織(会社)ということを意味するため、自社内で使うのは適切ではありません

 

仮に、会社内のほかの部署に対し「当方」と使ったとすると、それが会社全体を指しているのか、ほかの部署と区別した一部署を指しているのかわからなくなります。曖昧で不正確なため、社内での使用は控えるようにしましょう。
なお、自分の部署もほかの部署も含む意味を表現したいときは「当社としては」のようにします。一方、個別の部署を意味するときは「うちの課としては」といった言い方にすれば誤解が生じることはなくなるでしょう。

正式なビジネス文書では使わない

「当方」は、相手先とのメールや会話の中で使われる言葉であり、契約書などの正式なビジネス文書においては使われません

 

正式なビジネス文書では、自社のことを「弊社」、複数の会社を表す場合は各企業名を列記することが一般的です。




「当方」を使った例文

「当方」を使った例文

ビジネスシーンで使える「当方」を使った例文を紹介します。

組織全体を意味する場合1

例文1:「当方の方針を説明させていただきます。」
例文2:「当方としては本日出た意見に特に異議はございません。」

 

このように、組織や団体としての意見などを伝える場合に使われます。すでに述べたように、組織の見解になっていない個人的な意見を伝える場合に、「当方」とすることはできません。

組織全体を意味する場合2

例文3:「当方にて協議のうえ、回答させていただきます。」
例文4:「ご都合のよろしい日時に当方よりお伺いいたします。」

 

ここでいう「当方」は社内の関係者です。他社と交渉する過程で使われる「当方」は、組織全体とはいっても、自社内の担当部署・関係部署というニュアンスになります。あえて「当社(または弊社)、〇〇部、××課」とせず、社内の関係者全体をまとめて、このように表現するのがスマートです。

担当者や部署名をぼかす場合1

例文5:「当方にて日程を確認次第、改めてご連絡いたします。少々お待ちくださいませ。」
例文6:「お問い合わせの件につきまして、当方でただいま調査中です。」

 

組織や団体の担当者が確定していない状態で問い合わせを受けたような場合、しかるべき担当者という意味でよく使われるのが「当方」です。

担当者や部署名をぼかす場合2

例文7:「当会場内で発生したトラブルに関しては、当方は一切の責任を負いかねます。」
例文8:「先般ご連絡いただいた件は当方の不備にて、大変申し訳ございませんでした。」

 

このように、クレームの対応などの場面でも「当方」が使われることがあります。例文8の「当方」は「業務に従事していた誰か」のことですが、あえて個人名を示さず、「こちら側の人間」として扱っています。

 

「当方」の使い方の一例をご紹介しました。使い方に迷ったときなどにお役立てください。

「当方」の類義語や言い換え表現

「当方」の類義語や言い換え表現

「当方」は正式なビジネス文書では使うのが適切ではないほか、同じ組織や団体内部の人に対しても違う表現方法の方が適しています。

 

相手に不快な思いをさせたり、違和感を抱かせたりすることのないように、「当方」の類義語や言い換え表現を知っておきましょう。

「弊社」「私ども」

「弊社」や「私ども」は、自分が所属している会社について、へりくだった表現をするときに使う言葉です。言葉自体に謙遜の意味が含まれているため、取引先や顧客など社外の人に対して使われます。

 

「当方」との違いは、へりくだった表現かどうかという点にあります。「弊社」や「私ども」にはへりくだりの意味が含まれていますが、「当方」はへりくだりの意味は含まれていません。

 

【例文】
「日頃より弊社サービスをご利用いただき感謝申し上げます。」
「先日は、私どもの社員がご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。」

「わが社」「当社」

自分が所属する会社を表す言葉に「わが社」や「当社」があります。「当方」が他社などに対して使う言葉なのに対し、「わが社」や「当社」は自社内で使われる言葉です。

 

社内でのちょっとした打ち合わせや同僚との会話の中などで、「うちの会社」という言い方をすることがあります。「うちの会社」は「わが社」や「当社」と同じような意味ですが、たとえ社内であっても上司や役員などに対する言葉としては適していません。

 

よほどフランクな場面は別として、社内でも「わが社」や「当社」などの表現を用いるのが適切です。

 

【例文】
「当社の今期売り上げがX社を上回りました。」
「この新技術は、わが社にとって大きなビジネスチャンスになるだろう。」

個人を指して使う場合の言い換え表現

個人を指して使う場合の言い換え表現

ビジネスにおいて、組織や団体を代表してではなく自分自身の考えや意見を述べることもあります。その場合は、「当方」ではなく、個人であることがわかる言葉を使います。

ビジネスシーンにおける一人称単数は、一般的に「私」です。「私」の読み方は「わたくし」と「わたし」がありますが、ビジネスシーンでは「わたくし」の方が適しているでしょう。

 

【例文】
「私はA案が妥当ではないかと考えます。」

小職

「小職(しょうしょく)」はもともと、官職の人が自分をへりくだるときに使う言葉でした。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、現在は民間でも使われるようになり、企業の管理職や役員などが使うことがあります。

 

【例文】
「小職の後任には、〇〇さんが着任される予定です。」

「当方」の対義語

「当方」の対義語

「当方」の対義語には、「先方(せんぽう)」という言葉が使われます。「当方」が自分の属する組織や団体を意味する言葉であるのに対し、「先方」は相手方や相手の属する組織・団体などを意味する言葉です。

 

「先方」には相手側を敬う意味が込められているわけではないため、単に相手方というニュアンスになります。敬語にしたいときは「先様(さきさま)」という言葉を使いましょう。

 

また、相手方に直接「先方」と使うことは適しておらず、社内で相手方を指す場合に使います。

 

【例文】
「先方と打ち合わせをしてきました。」
「スケジュールについては先方に確認中です。」

「当方」の意味や使用例を理解しビジネスに役立てましょう

「当方」の意味や使用例を理解しビジネスに役立てましょう

「当方」には、「自分の方」や「こちら」といったような「自分の属している側」という意味があります。ただし、個人を意味するわけではないことや正式なビジネス文書には適していないことなど、注意する点もあるため使うときには気を付けましょう。

 

似たような言葉もありますが、謙遜の意味が含まれているかどうかや、自社向けか他社向けかといった違いもあるため、シーンに合わせて使い分けましょう。

 

ビジネスパーソンにとって、言葉遣いなどのマナーは大切なものです。ビジネスシーンに役立つ日本語を学べる書籍を携帯しておくといざというときに役立つでしょう。

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※この記事は2023年4月時点の情報をもとに作成しております。

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このテーマに関する気になるポイント!

  • 「当方」の意味は?

    当方とは「自分の方」「こちら」「私ども」という意味の言葉です。特にビジネスシーンにおいては「自分の属している側」という意味で使われます。

  • 「当方」の使い方で気を付けることは?

    一人称として使えないことのほか、自社内では使わないこと、正式なビジネス文書では使わないことなどが挙げられます。

  • 「当方」の類義語や言い換えの言葉は?

    「弊社」「私ども」「わが社」「当社」といった言葉があります。

  • 個人としての考えや意見を述べたい場合の言葉は?

    「私」や「小職」といった言葉があります。

  • 「当方」の対義語は?

    相手方や相手の属する組織・団体などを意味する「先方」という言葉があります。

木内菜穂子
この記事を書いた人
木内菜穂子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

金融機関や税理士事務所勤務での知識を生かし、FP1級、AFP、日商簿記2級などの資格を取得しました。現在は、金融・保険をメインとしたライターとして執筆活動をしています。お金に関する情報をわかりやすくお伝えできるよう日々努めています。




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