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ウッドショックとは|木材価格高騰の原因とそれによる影響について解説

大きなライフイベントのひとつとなっている、住宅の購入。それに影響を与えているのが「ウッドショック」です。木材は住宅を建設するのに必要な資材ですが、その価格が世界的に高騰し、住宅価格にも影響を与えています。これから住宅を購入しようという方にとっては、気になる問題となるでしょう。ここでは、ウッドショックと呼ばれる木材価格高騰の原因や、住宅を購入する際の注意点、これからの見通しなどを解説していきます。

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ウッドショックとは

ウッドショックとは、2021年に起こった木材価格の高騰のことです。建築に必要な木材の価格が上がり、住宅の価格にも影響を及ぼしています。ウッド(wood)は木材、ショック(shock)は攻撃や打撃を意味します。
ウッドショックに似た言葉として思い出すのが「オイルショック(oil shock)」。こちらは1970年代に起こった、中東戦争やイラン革命などを原因とする、原油価格の高騰のことです。ウッドショックもこれと同じように、世界経済に大きな影響を与えています。
1970年代のオイルショックについて、少し詳しく見てみましょう。1973年から1974年にかけて、原油の公示価格は3ドル付近から12ドルほどまで引き上げられています。1970年頃の日本は、高度経済成長を続けている最中でした。しかしオイルショックによって物価が高騰し、インフレ率は年20%を超える状況になります。物価を下げるために金利を上げる政策がとられたため、景気は悪化。マイナス成長となり、高度経済成長が終わるきっかけになったともいわれています。
2021年におけるウッドショックの状況はどうでしょうか。木材価格に関するデータをいくつか確認してみましょう。日本銀行が公表する企業物価指数では、木材・木製品価格の動向を知ることができます。企業物価指数というのは、企業間で物品を売買する際の価格変動を表す指標です。2021年12月の数字を見ると、前年同月比で61%の上昇となっています。1年前から見て、約6割の値上がりということです。2022年3月は59%の上昇となっており、高い上昇率が続いている状況です。
輸入木材の価格もチェックしてみます。企業物価指数のデータでは、輸入価格の動向を示す、輸入物価指数も確認可能です。木材・木製品・林産物の輸入価格について、2021年12月の数字を見ると、前年同月比で73%の上昇となっています。特に集成材では135%、製材では132%と大幅な値上がり。物価に関するデータを見ると、木材価格の上昇は世界的なもので、日本においても木材の輸入価格・企業物価ともに上昇しているのがわかります。
ウッドショックによる影響

木材の価格が世界中で高騰するウッドショック。その影響はさまざまです。まずは注文住宅の建設などを行う、工務店への影響を見てみましょう。全国建設労働組合総連合が、2021年8月6日~2021年8月30日に実施した『ウッドショックによる工務店影響調査(第2回)』では、32都道府県、273社が回答しており、全国の工務店の声を知ることができます。これによると51%の工務店が、2021年8月は5月と比べて、木材の調達の状況が悪化したと答えています。必要な木材を、問題なく調達できる状態ではなかったようです。
木材を調達する際の価格については、2021年8月は5月と比べて、「大きく値上がり」「若干値上がり」と答えたのが93%。多くの工務店が、木材価格の高騰を感じているのがわかります。木材価格が上昇すると、新築やリフォームでのコストが上がります。この点についてたずねると、コスト上昇分を「お客様に負担してもらった」が39%、「一部またはすべて自社で負担した」は61%でした。すべて自社で負担した際に増えた費用は、新築1棟当たり平均82万円、リフォーム1件当たり平均27万円となっています。
新築やリフォームの費用が上がると、工務店の受注にも影響を与えます。2021年8月の状況を5月と比べると、悪化したという回答が37%、横ばいという回答は61%でした。悪化の理由をたずねると、「工事金額が高くなり契約が成立しない」「お客様がウッドショックの様子を見ている」という回答が約8割を占めました。住宅の新築やリフォームを検討する人も、値上がりした工事費によってあきらめたり、ウッドショックが一時的なものなのか確認するため先延ばししたり、と影響を受けていることがわかります。
新築戸建住宅の販売については、経済産業省が公表する『第3次産業活動指数』で推移を確認できます。これによると新築戸建住宅売買業指数は、2020年4月に新型コロナウイルス感染症の拡大で大きく落ち込みました。そこから2020年8月のピークまで上昇するのですが、その後は下落傾向が続いています。この下落については、輸入する木材価格の上昇に連動している、と分析されています。ウッドショックは新築戸建住宅を中心に、家を買いたい人や建設業者、不動産業者などに影響を与えているのです。
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ウッドショックの原因とは

2021年に注目され始めたウッドショックによる木材価格の高騰は、住宅価格の上昇につながり、販売数を減らすなど影響が広がっています。では木材価格高騰の原因とは何だったのでしょうか。ひとつ考えられるのは、アメリカにおける新築住宅需要の拡大。さらにその原因をさかのぼると、2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の拡大に行き着きます。感染症拡大から世界的なウッドショックが起こり、日本に波及する流れを見ていきましょう。

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新型コロナウイルスの感染拡大は、移動の制限などを通して、経済活動の低下をもたらしました。その対策としてアメリカでは、金融緩和政策をとりました。金利を低くおさえ、お金を借りやすくする状況になります。それに加えて実施したのが大胆な財政出動。現金給付も実施されました。そうした状況の中、感染症対策として広がったのがリモートワーク。自宅で仕事をする人が増え、郊外に住宅を買い求めたり、自宅をリフォームしたりするケースが増えたのです。
新築住宅やリフォームへの需要が増える一方、感染症の広がりから製材所での生産が低下したことも、木材価格高騰の要因となりました。また日本での木材価格の高騰については、木材の輸入価格の高騰が大きな要因となっています。林野庁が公表した『令和2年木材需給表』よると、2020年の木材自給率は41.8%。木材は輸入に頼る部分が大きくなっています。コンテナ不足などによる輸入コスト上昇も相まって、日本の木材価格が上昇しました。
ウッドショックは長期化する?

ウッドショックがこの先も続くのかについては、さまざまな見方があります。アメリカの木材先物市場では、2021年8月には最高値から3分の1に下落する動きが見られました。高値が続いたことにより、需要が減少したものと見られ、ウッドショックが沈静化したことを示唆しています。
また2022年に入ると、世界経済の減速も目立つようになってきました。アメリカの2022年第2四半期(4~6月)における、実質GDP成長率は前期比年率でマイナス0.9%。2期連続のマイナスとなり、景気悪化が懸念されるようになっています。中国においても2022第2四半期(4~6月)の実質GDPは前年同期比0.4%の増加と低い数字。こうした景気の減速は、住宅需要の減少につながり、ウッドショックを緩和する要素と考えられます。
ただ、2022年に始まったロシアによるウクライナへの侵攻。これがウッドショックを再燃させる要素として、懸念されています。ロシアやウクライナは森林資源が豊富で、木材を輸出する国です。こうした国の状況が悪化すると、世界的な木材供給にも影響を与える可能性があります。木材の供給が減少する見通しとなれば、価格の高騰が続くことになるでしょう。ウッドショックが長期化するかどうかは、このような世界情勢に左右されることになりそうです。
日本においては、長期化する輸入木材の高騰により、国産木材の利用を進める動きも出ています。輸入木材よりも国内産の方が安くなるケースもあるようです。前述のように、木材自給率は、2020年で41.8%という数字です。低い数字ではありますが、前年比で4.0ポイントの上昇。実は2011年から10年連続で上昇しています。木材の国内生産量も11年連続で増加。世界的な木材価格の高騰が続くようであれば、こうした国産材の利用が進んでいくのかもしれません。
ウッドショックの状況下で注意したいこと

木材の価格が高騰し、必要な木材が手に入りにくくなってしまうウッドショック。その状況下では、住宅を購入する際に気を付けたいポイントがあります。住宅を購入しようと考えるときは、前もって借り入れるローンの額や返済について計画を立てます。しかしウッドショックにより急に住宅価格が上昇するようなことがあれば、土地や家の大きさ、資金計画などの見直しが必要です。無計画に借入金額を大きくするのは避けたいところです。
必要な資材が手に入りにくい状況では、新築住宅の完成時期が遅れるケースが考えられ、これもお金の計画に影響を与える可能性があります。新しい家に引っ越すまでの待ち時間が長くなり、賃貸住宅に住んでいる場合は、家賃を負担する期間が長くなることに注意が必要です。
また木造住宅の購入で知っておきたいのが、補助金の存在。地域型住宅グリーン化事業では、事業に参加する施工事業者に工事を依頼し、認定長期優良住宅・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)・認定低炭素住宅といった条件を満たすことで、上限140万円の支援を受けることができます。ウッドショックによる値上がりの影響を、少しでもおさえるのに役立つでしょう。

このテーマに関する気になるポイント!
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ウッドショックとは?
2021年に起こった木材価格の高騰のことです。
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ウッドショックによる影響は?
建築に必要な資材の価格が上がり、住宅価格や納期に影響が及んでいます。
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ウッドショックの原因とは?
新型コロナウイルス感染症の拡大で景気刺激策として低金利政策がとられたことや、リモートワークが普及したことにより、アメリカで新築住宅やリフォームの需要が増えたことが原因です。
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ウッドショックは長期化する?
2022年は世界経済の減速により住宅需要に陰りが見えそうですが、ウクライナ情勢の悪化によりロシアからの木材供給が減ることで、長期化の懸念もあります。
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ウッドショックの状況下で住宅を購入する場合に注意したいことは?
価格の高騰や納期の遅れがありそうな場合は、当初の資金計画を見直す必要が出てくるかもしれません。利用できる補助金もチェックしておきましょう。
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ウッドショックって初めて聞いたけど、木材価格高騰のことなのね!たしかに木材の価格が高騰したら、新築物件の価格にも影響するわね!