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冬の季語一覧!使いやすい季語やその意味をわかりやすく紹介
日本には春夏秋冬という四季があり、それぞれの季節ごとに美しい言葉が数多くあります。古くから使われてきた言葉もあれば、近年になってから使われるようになってきた言葉もあり、そのバリエーションは豊かです。
中でも、俳句を詠む際には「季語」を入れる必要があるため、イメージにぴったりの季語を探している方もいるでしょう。ここでは、冬の季語として使われている言葉を一覧で紹介していくとともに、冬の季語を使った俳句も紹介していきます。
冬の季語を使う時期は?
冬の季語を使う時期は、立冬から立春の前日までとされています。カレンダーにもよりますが、11月8日頃から2月3日頃までの間です。大まかに、11月から1月にかけてと考えても良いでしょう。
参考までに、春夏秋冬の季語を使う時期をまとめてみました。
季節 | 季語を使う時期 | 日付 |
春 | 立春から立夏の前日まで | 2月4日頃から5月5日頃まで |
夏 | 立夏から立秋の前日まで | 5月6日頃から8月7日頃まで |
秋 | 立秋から立冬の前日まで | 8月8日頃から11月7日頃まで |
冬 | 立冬から立春の前日まで | 11月8日頃から2月3日頃まで |
三冬(冬全体)の季語
「三冬(さんとう)」とは、初冬・仲冬・晩冬の3カ月間を表す言葉です。この3カ月というのは、現在の11月から1月(陰暦では10月から11月)にあたり、三冬の季語は冬の期間であればいつ使用しても良い季語とされています。 三冬に使われる主な季語を以下にまとめてみました。
ジャンル | 季語 |
天文 | 冬晴、冬早、冬の星、冬北斗、オリオン、冬の空、冬の雪、冬の月、冬昴、天狼、冬凪、御講凪(おこうなぎ)、冬の風、寒波、北風、空風、北しぶき、ならい、乾風(あなじ)、冬の雨、しずり、冬の雷、冬霞、冬の霧、スモッグ、冬の虹など |
生活 | 冬着、冬服、セーター、コート、外套、冬羽織、綿、蒲団、毛布、ねんねこ、毛皮、冬帽子、襟巻、手袋、雪下駄、千枚漬、塩鮭、塩鰹、甲羅煮、雑炊、熱燗、生姜酒、蕎麦湯、三平汁、薩摩汁、紅葉鍋、おでん、暖房、ストーブ、炭火、火鉢、行火(あんか)、猪狩、兎狩、藁仕事、焚火、火の番、押しくらまんじゅう、風邪、咳、息白し、日向ぼこなど |
行事 | 冬安居(ふゆあんご/とうあんご) |
地理 | 冬の山、山眠る、冬野、枯野、朽野(くだらの)、冬田、枯園、冬景色、水涸る、冬の水、冬の海、冬の川、冬の泉、霜柱、冬の波、冬の浜、狐火など |
動物 | 冬眠、冬の鹿、狐、狸、寒犬、かじけ猫、寒雁、冬の鶯、笹鳴、冬雲雀、海雀、海豚、氷下魚(こまい)、ずわい蟹、牡蠣、冬の蝶、冬の蜂など |
植物 | 冬木の桜、冬牡丹、南天の実、室咲、蜜柑、冬林檎、木の葉、枯れ葉、冬木立、枯木、枯桑、霜枯、冬芽、冬珊瑚、寒菊、枯芭蕉、葱、大根、枯芝、寒薄、龍の玉など |
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初冬(11月頃)の季語
三冬の中で、冬の始まりである「初冬」は、現在でいう11月頃を指します。
初冬に使われる主な季語を以下にまとめてみました。
ジャンル | 季語 |
天文 | 初霜、初時雨、時雨、星の入東風(ほしのいりごち)、凩、神渡し |
生活 | 蕎麦刈、風除、蓮根掘る、大根干す、棕櫚剥ぐ、霜除、蕪引(かぶらひき)、冬構、大根引、干菜、麦蒔、敷松葉、木の葉髪、後の更衣、牡丹焚火、口切、北窓塞ぐ、注連作(しめつくり)、塗炉縁、馬下げる、目貼、切干、炉開、年貢納 |
行事 | 十日夜(とおかんや)、出雲大社新嘗祭、東叡山開山忌、東福寺開山忌、厳島鎮座祭、興福寺法華会、神農祭、新嘗祭、山の神祭、別時念仏、白秋忌、恵比寿講、鞴祭、七五三、納の庚申、勤労感謝の日、芭蕉忌、御焚火、大師講、感謝祭、案山子揚、亥の子、吉祥院八講、明治神宮祭、鎮魂祭、酉の市、神迎え、聖ザビエルの日、孟冬の旬、氷魚の使、炉炭を進る(ろたんをたてまつる)、九州場所など |
仲冬(12月頃)の季語
三冬の中で、冬の半ばにあたる「仲冬」は、現在でいう12月頃を指します。
仲冬に使われる主な季語を以下にまとめてみました。
ジャンル | 季語 |
天文 | 初雪、名残の空 |
生活 | 年忘、畳替、年末賞与、衣配、古日記、冬休、歳暮祝、御用納、年用意、古暦、日記買う、斧仕舞、賀状書く、墓囲う、節季候、門松立つ、注連飾る、暦売、餅配、霰餅(あられもち)、藺植う、甘蔗刈、蒟蒻掘る、終相場、雪囲、春着縫う、雪吊、煤払、車蔵う、藪巻など |
行事 | 年守る、松迎え、暦の奏、帯解、花祭、年越の祓、掃納、冬至粥、年の市、羽子板市、箕祭、岡見、天王寺道祖神祭、豊明節会、クリスマス、聖家族の日、聖ヨハネの日、松例祭、一茶忌、漱石忌、御正忌、近松忌、千葉笑、空也忌、顔見世、日陰の蔓、神楽、年取、納の水天宮、鳴滝の大根焚、子祭(ねまつり)、晦日蕎麦、除夜の鐘、年の火、年の宿、終大師、後日の能、年の湯、終天神、正月事始、義士会、遠山の霜月祭、里神楽、大神宮札配、春日若宮御祭、納の金毘羅、五節の舞、秩父夜祭、夜神楽など |
地理 | 初氷 |
動物 | 初鱈、初鰤、落鱚、霜月蝶 |
植物 | 枇杷の花、甘蔗の花、寒独活(かんうど)、冬至梅、冬至芽、蝦蛄葉仙人掌(しゃこばさぼてん)、クリスマスローズ、ポインセチア |
晩冬(1月頃)の季語
三冬の中で、冬のおわりにあたる「晩冬」は現在でいう1月頃を指します。
晩冬に使われる主な季語を以下にまとめてみました。
ジャンル | 季語 |
天文 | 吹雪、雪時雨、寒の雨、雨氷、氷晶、風花、霧氷、樹氷、雪、雪しまき、雪女、雪起し、節東風、八日吹き |
生活 | 寒稽古、寒天造る、粥施行、雪丸げ、雪像、雪掻、霜焼、凍豆腐造る、蒟蒻氷らす、雪眼鏡、雪踏、吹雪倒れ、雪見、融雪溝、雪投げ、雪下し、雪見舞、雪竿、雪上車、雪達磨、雪兎、雪焼、寒造、寒肥、寒見舞、寒中水泳、寒餅、ラッセル車、丸太曳、スキー、スケート、アイスホッケー、リュージュ、水餅、探梅、寒灸、寒紅、寒晒など |
行事 | 厄落、厄払、厄塚、寒念仏、大徳寺開山忌、妙心寺開山忌、年越詣、寒参、五条天神参、仏名会、和布刈神事、乙子の朔日、蕪村忌、草城忌、聖燭祭、公現の日、柊挿す、鬼餅、豆撒、雪山、黒川能、御髪上、斎宮絵馬、春日万燈籠、王子の狐日、寒垢離、乙字忌、荷前の使など |
地理 | 氷、氷湖、氷柱、寒の水、氷江、氷橋、氷壁、氷海、波の花、御神渡、冬滝、凍渡 |
動物 | 白鳥、寒雀、寒鴉、八目鰻、雪鳥、寒鯛、寒鮒、寒烏賊、寒鰤、寒鯉、寒蜆、寒鮠、たご鮭 |
植物 | 水仙、葉牡丹、冬菫、早梅、寒梅、臘梅、寒木瓜、冬蕨、寒斧、冬桜、寒椿、冬萌、雪折、黒海苔、寒海苔 |
使いやすい冬の季語は?
ここでは、三冬、初冬、仲冬、晩冬のそれぞれに使われる季語をいくつかピックアップし、その意味や俳句例を紹介していきます。
三冬の季語とその意味
三冬の季語の中から、冬を表す季語をいくつか紹介していきます。
冬の風
意味 | 冬に吹く冷たい風のこと。 |
俳句例 | 寒風に吹きしぼらるる思ひかな(星野立子) |
冬の月
意味 | 冬の月は荒涼とした寂しさの感じられるもの。雲が吹き払らわれた後の月の光には心をゆすられる思いがする。 |
俳句例 | 静かなるかしの木はらや冬の月 (与謝蕪村) 屋根の上に火事見る人や冬の月 (正岡子規) |
山眠る
意味 | 冬山を擬人化した表現。中国の山水画伯「郭煕」の「冬山惨淡として眠るがごとく」が原点。 |
俳句例 | 君が世や風治りて山ねむる(小林一茶) 日あたりの海ほかほかと山眠る(尾崎紅葉) |
初冬の季語とその意味
初冬の季語として使われる季語の意味と俳句例も見ていきましょう。
初冬
意味 | 陰暦10月の名称で現在の11月頃にあたる。秋の名残を惜しみながらも冬に向かうイメージ。 |
俳句例 | 初冬や空へ吹かるる蜘の糸(黒柳召波) はつ冬やふたつ子に箸とらせ見る(暁台) |
神無月
意味 | 陰暦10月の名称。全国の神々が出雲の国に集まるため各地のお宮では神々が留守になるといわれている。 |
俳句例 | 禅寺の松の落葉や神無月(凡兆) 拍手もかれ行く森や神無月(也有) |
山茶花
意味 | ツバキ科の常緑小高木で白や淡紅色の花をつける。 |
俳句例 | 山茶花を旅人に見する伏見かな(井原西鶴) 山茶花に雨待つこころ小柴垣(泉鏡花) |
仲冬の季語とその意味
続いて、仲冬に使われる季語の意味と俳句例も紹介していきます。
行く年
意味 | 年末の気忙しい日々の束の間に、過ぎ去った1年のことを思い浮かべる。今年ももう終わるという感慨深さもある。 |
俳句例 | 年を以て巨人としたり歩み去る(高浜虚子) 行く年や石噛みあてて歯にこたへ(小西来山) |
初氷
意味 | 冬になり初めて張った氷。本格的な冬の訪れを意味する。 |
俳句例 | 糊米や水すみかねて初氷(森川許六) 朽蓮や葉よりもうすき初氷(堀麦水) |
冬至梅
意味 | 冬至の頃から開花する梅の一種。薄紅色の八重咲きが多いが白の一重もある。 |
俳句例 | 冬至梅夜は水月の宿りかな(松瀬青々) |
晩冬の季語とその意味
最後に、晩冬に使われる季語の意味と俳句例を紹介します。
冬深し
櫂意味 | 一年で最も寒さの厳しい時期のこと。春の訪れを待ちわびる日々。 |
俳句例 | 冬探し手に乗る禽の夢を見て(飯田龍太) 冬探し柱の中の濤の音(長谷川櫂) |
雪吹
意味 | 「強風」と「降雪」という北国の厳しさを象徴するもの。 |
俳句例 | むら雲の岩を出づるや雪吹の根(丈草) 雁高く低く雪吹をめぐるかな(暁台) |
早梅
意味 | ほかより早めに咲いた梅の花 |
俳句例 | 早梅や御室の里の売屋敷(与謝蕪村) 早梅や懸燈台の薄明かり(中村史邦) |
季語は時の流れとともに増え続ける!
今回紹介したように、俳句などに使われる季語はたくさんあります。日本の繊細な四季の移り変わりを表現するには、それだけの言葉が必要になるということかもしれません。また、季語は時の流れとともに増え続けており、今後もその時代にあった季語ができ、さらに多種多様となっていくでしょう。
季語を知るうえで欠かせないのが「歳時記」です。歳時記とは、四季に関する物事や年中行事、俳句などに使われる季語の分類、解説、例句などを記した書物のことをいいます。
このテーマに関する気になるポイント!
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冬の季語を使う時期はいつ?
立冬から立春の前日までです。およそ11月8日頃から2月3日頃までの間になります。
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「三冬」とは?
三冬とは、初冬・仲冬・晩冬の3カ月間のことをいい、三冬の季語は冬を通していつ使用しても良いとされています。
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「初冬」の季語の例は?
初霜、初時雨、霜除、星の入東風、蕎麦狩、七五三などです。
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「仲冬」の季語の例は?
初雪、名残の空、雪吊、雪囲、初氷、年守る、松迎えなどがあります。
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「晩冬」の季語は?
吹雪、寒の雨、雨氷、風花、樹氷、氷湖、白鳥、早梅などがあります。
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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
季語ってこんなにたくさんあるのね!全然知らなかったわ!