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フェムテックとは|言葉の意味やその定義から製品・サービスの具体例、企業も紹介
最近テレビや雑誌で話題の「フェムテック」。この言葉をよく聞くようになったと感じる人も多いかと思います。フェムテックは、女性がライフステージごとに直面する健康課題を、テクノロジーを使って解決していこうとする商品やサービスのことです。日本においては比較的新しい取り組みであり、多くの企業や投資家が注目している分野です。
ここでは、フェムテックの言葉の意味とフェムテックが世界で盛り上がりを見せる背景、そして具体的な企業の取り組みについて詳しく解説していきます。
- フェムテックとは|女性が生活しやすい世界を作るテクノロジー
- フェムテックが盛り上がりを見せる背景
- フェムテックを広げる活動も盛んに
- フェムテックが対象とする分野と製品・サービスの事例
- フェムテックの市場規模と将来性
- フェムテックに取り組む企業
- 今後の株価は?フェムテックの関連銘柄
- まとめ
フェムテックとは|女性が生活しやすい世界を作るテクノロジー
「フェムテック(Fem Tech)」は、先述したように女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決していこうとする商品やサービスのことで、「女性(Female)」と「技術(Technology)」を掛け合わせた造語です。フェムテックの例として、生理周期を予測するアプリや生理用ナプキンを使わない吸水ショーツ、不妊治療の相談サイトなどがあげられます。
海外ではすでに多くの企業がフェムテックへ関心を寄せていますが、日本で知られるようになったのはつい最近のことです。
2020年は日本における「フェムテック元年」ともいわれ、短期間のうちにベンチャー企業から大手企業まで、多くの企業がフェムテック事業に参入するようになりました。さらには経済産業省もフェムテックの支援を開始しています。
フェムテックが盛り上がりを見せる背景
フェムテックが注目を集めるようになった背景として、しばしば指摘されるのが以下の3点です。
●働く女性の健康問題
●女性が声をあげやすい社会になった
●技術の進歩
このあと、それぞれを詳しく解説していきます。
・働く女性の健康問題
女性の社会進出が一般的になった現代では、月経や妊娠・出産、更年期障害などの女性特有の悩みが見過ごせないものとなったことが関係しています。
これまで女性特有の悩みは、なんとなく他人に話しにくい悩みであったことから「個人差があるものだから仕方ない」と片付けられていました。しかし、女性社員が増えたことから、働く女性の健康問題は企業にとっても徐々に大きな課題となっていきました。さらには、女性起業家や女性役員が増えてきたことも追い風となり、女性の悩みをビジネスとして解決していく取り組みが生まれていったのです。
・女性が声をあげやすい社会になった
フェムテックが盛り上がりを見せるようになった2つめの理由に、女性が声をあげやすい社会になったことが考えられます。SNSの発展により、これまでひとりで抱えていた問題が共通の悩みであることが明らかになり、女性の共感を集めていきました。
世界中の女性が声をあげた「#Metoo運動」なども後押しとなっています。こうした背景により、女性特有の悩みに向き合い、社会全体で解決しようとするフェムテックが注目を集めているのです。
・技術の進歩
フェムテックが注目を集めるようになった3つめの理由として、テクノロジーの発展もあげられます。
現代のテクノロジーの発展は目覚ましいものです。女性の健康問題のみならず、金融や農業等さまざまな分野に高度な技術を取り入れて、効率的な問題解決に取り組んでいます。
女性特有の悩みをデータ化することで、それぞれの問題にあわせた適切な治療や対策の提案ができるようになりました。
フェムテックを広げる活動も盛んに
日本ではまだまだ認知されていないフェムテックですが、これを広める活動が盛んに行われるようになってきました。
例えば、2021年に一般社団法人フェムテック協会が発足し、ひとりでも多くの人にフェムテックに関する知識をつけてもらいたいと、無料で受験できる「フェムテックアンバサダー認定」を開始しました。フェムテック協会認定資格3級Webテスト15問の選択問題から11問正解するとフェムテックアンバサダーになることができます。
また、2021年10月7日には「Femtech Japan」(株式会社G-Place)により、東京・表参道にて「フェムテックジャパン2021/フェムケアジャパン2021」が開催されました。有名女性タレントのセミナー参加や、フェムテックに取り組む企業団体の製品紹介等を通じ、フェムテックの発想や活動を多くの人に知ってもらうイベントとなりました。
2021年のジェンダーギャップ指数において、日本は世界156カ国中120位です。フェムテックの広がりを機に、ジェンダーギャップが残る日本の課題解決が進むことが期待されています。
フェムテックが対象とする分野と製品・サービスの事例
ここからは、フェムテックが対象とする分野と製品・サービスを具体的に紹介します。
【月経】
フェムテックの代表格ともいえる生理関連商品。女性の毎日を少しでも快適にするため、さまざまな商品やサービスが展開されています。
・Bé-A(ベア)|吸水ショーツ
Bé-A(ベア)の吸水ショーツの魅力は、高い吸収量と機能性。洗濯を繰り返しても120〜150mlもの吸水が可能で、多い日でも安心して過ごせます。さらに、下腹部分の生地には血行促進を促すテラヘルツ加工を施しているため、月経痛緩和にも効果的。もちろん抗菌・防臭効果も優れているのでニオイも気になりません。
「その日」であることを忘れるくらい快適な使用感を追求した吸水ショーツです。
・ルナルナ|生理日予測アプリ
2000年から運用されている生理日予測アプリ、ルナルナは、日本におけるフェムテックの先駆けともいえるサービスです。毎月の生理周期にあわせて変化する心と体の調子の管理ができます。
過去の生理日を入力すると、次月の生理日予測や排卵予定日、妊娠可能性等を知らせてくれます。また、生理周期から見た体調の変化や肌の状態など、生理日に限らず女性のサポートをしてくれるアプリです。
参照元:ルナルナ|Our Story
【妊娠・不妊】
人生を大きく左右する妊娠・不妊分野。他人に相談しにくい内容のため、ひとりで抱え込んでしまいがちな悩みです。そうした悩みを抱える女性をサポートするフェムテックのサービスを紹介します。
・ninpath|不妊治療サポートアプリ
ninpath(ニンパス)は、不妊治療に関するさまざまな情報をデータにまとめ、可視化できるようにしたアプリです。
不妊治療の記録・管理はもちろんのこと、データ化することで自分と近いデータを持つ第三者の情報と比較ができ、最善の道を探るきっかけを作ります。
顔の見えない誰かの事実を知ることで、最適な治療方針が見えやすくなると同時に、自分のデータは同じ境遇の誰かの道しるべになります。ninpathは、データを通して女性同士が支え合える場を提供するアプリです。
・じょさんしONLINE|妊娠・出産・育児のオンラインサポート
オンラインで気軽に助産師のサポートを受けられるサービスです。「誰ひとり取り残さない」を方針に、さまざまな妊娠・出産・育児の形に寄り添い、支えます。
じょさんしONLINEでは、個人またはオンライン講座で女性の健康問題や妊娠・出産についての相談が可能です。ひとりひとり抱える悩みが違うからこそ、いつでも寄り添ってくれる助産師がいることは大きな安心感につながるでしょう。
参照元:じょさんしONLINE
・F check|卵巣予備能のセルフ検査キット
F check(エフ・チェック)は、卵巣にある卵子の数が推定何歳にあたるのかを示す「卵巣年齢」を自分で確認できる検査キットです。
指先から0.1ml以下の血液を採取し、病院に送るだけで検査完了です。結果はWeb上で確認できるため、外出を控えたいときも利用できます。個人差がとても大きい卵巣年齢は、実年齢に相関しているとは限らず、検査でなければ調べられません。妊活・不妊治療の第一歩として活用できるセルフ検査キットです。
【更年期】
卵巣機能が低下する50歳前後に見られる更年期。女性ホルモンの分泌が変わることで心身のリズムに乱れが起こります。こうした更年期症状にもフェムテックの商品・サービスが役立てられています。
・エルビートレイナー|骨盤底筋のトレーニングアイテム
エルビートレイナーは、加齢による骨盤底筋の緩みを矯正するトレーニングアイテム
です。骨盤底筋を鍛える方法としては、ヨガやエクササイズなどが広く知られていますが、エルビートレイナーは専用アプリと連動し、ゲーム感覚で鍛えるまったく新しいトレーニング方法です。
骨盤底筋を鍛えると、便秘解消やPMS(月経前症候群)の軽減、ウエストやヒップのシェイプアップの効果が期待できます。
・エクエル|女性特有の心身の変化をサポートするサプリ
エクエルは、女性なら誰もが経験する更年期による心身の変化を緩やかにすることを目的としたサプリメントです。
心身の変化を緩やかにするために有効な成分として注目されているのが「エクオール」と呼ばれる大豆イソフラボンが腸内細菌に反応して生まれる成分です。しかし、エクオールを生成する能力には個人差があります。そこで、すべての人がエクオールを直接摂取できるようにと作られたのがエクエルです。更年期症状に対し、身体の内側からのサポートが期待されています。
フェムテックの市場規模と将来性
フェムテックは、2025年までに500億ドル規模の市場に成長すると見込まれており、世界中の投資家からも注目されている分野です。
フェムテックの市場価値をさかのぼると、2012年には60億ドルだった市場が、2019年には400億ドルにまで拡大しています。この歴史を見る限り、2025年までに500億ドルを突破する見込みは信憑性が非常に高いといえるでしょう。
なお、世界では広がりを見せているフェムテックですが、日本ではまだまだ参入企業が少ない、いわゆる「ブルーオーシャン」状態です。女性にはひとりひとりさまざまなニーズがあるので、フェムテックは今後も拡大が見込まれる分野であるといえます。
フェムテックに取り組む企業
ここからは、フェムテックに取り組む国内外の注目企業を表でご紹介します。
今後の株価は?フェムテックの関連銘柄
フェムテックは多数の大手企業も参入する注目の分野です。ここからは、フェムテックの関連銘柄を3つご紹介します。
●ファーストリテイリング(証券コード:9983)
●シャープ株式会社(証券コード:6753)
●丸紅株式会社(証券コード:8002)
それぞれのフェムテック商品・サービスへの取り組みを詳しく見ていきましょう。
・ファーストリテイリング(証券コード:9983)
ユニクロやGUといった高品質で手の届きやすい値段の商品を提供するファーストリテイリングもフェムテック事業に取り組んでいます。
ユニクロの大人気商品「エアリズムブランド」に、吸水サニタリーショーツが登場しました。それまで、吸水ショーツは通常のショーツよりも高価な点がネックとなり、手が出せないと感じる人も多くいました。しかし、ユニクロは吸水ショーツを手頃な価格で販売しています。
・シャープ株式会社(証券コード:6753)
シャープは、IoTを取り入れた生理用品の収納ケースを開発し、在庫管理と生理周期の自動記録を可能にしました。
IoT収納ケースと連動するアプリを導入するだけで、生理用品の買い忘れや周期管理などの日常の小さなストレスから解放されます。家電にデータを蓄積し、利用者に価値ある情報を提供できるのは、シャープならではの優れたIoT技術といえるでしょう。
・丸紅株式会社(証券コード:8002)
2021年、丸紅は株式会社エムティーアイおよび株式会社カラダメディカと共同開発で、働く女性が直面する健康課題の改善を一貫してサポートする法人向けサービスを始めると発表しました。
医療機関と連携したオンライン相談や診療サービス、セミナーを通じて、女性がライフステージごとに直面する健康課題の解決をサポートするというものです。企業全体でフェムテックへの理解を深め、女性特有の健康課題に向き合う環境作りにビジネスチャンスを見出しています。
まとめ
このテーマに関する気になるポイント!
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フェムテックとは?
「女性(Female)」と「技術(Technology)」を掛け合わせた造語です。女性特有の健康課題に対し、テクノロジーを使って解決しようとする商品やサービスのことをいいます。
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フェムテックが対象とするサービスにはどのようなものがある?
月経、妊娠・不妊、更年期など、女性がライフステージごとに直面する健康課題すべてが対象です。
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フェムテックの市場規模は?
2012年には60億ドルだった市場が、2019年には400億ドルにまで拡大しました。2025年には500億ドルに到達すると見込まれています。なお、日本ではまだまだ参入企業が少ない状況です。
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フェムテックの関連銘柄は?
ファーストリテイリング(証券コード:9983)、シャープ株式会社(証券コード:6753)、丸紅株式会社(証券コード:8002)等があげられます。
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