モラハラをする夫と離婚したい!離婚の際の注意点と慰謝料などお金の問題を解説

リリース日:2021/08/23 更新日:2024/11/13

モラハラをする夫との離婚を決意したとき、どのように手続きを進めればよいのでしょうか。慰謝料など、お金の問題についても解説します。

  1. モラハラとは?
  2. 離婚するべきか迷ったときは?
  3. 離婚を決意した場合にまずするべきこと
  4. 離婚へ向けての具体的な手続きや注意点は?
  5. 慰謝料など離婚の際にもらえるお金はどれくらい?
  6. まとめ

モラハラとは?

モラハラとは、精神的な暴力などによる嫌がらせのことをいい、被害者に対して精神的に虐待するような言動を指します。

 

たとえば「バカ」「ダメ」「不細工」などの相手の人格、容姿、能力などを否定するような暴言を発する、相手を無視する、にらみつけるなど精神的にダメージを与える言動をすること。また、徹底したスケジュール管理を行い、違反した場合は罵倒するなど、相手の行動を過度に拘束することもモラハラに該当します。

 

こうしたモラハラに対し、猛然と反発でき、言い負かせるような強さがある人ばかりとは限りません。言われ続けているうちに、自分が悪いのかもしれないと思い、落ち込んでいってしまう被害者もいるのです。モラハラを続けられると、だんだんと自分に自信がなくなり、1人では何もできなくなってしまう人も少なくありません。

離婚するべきか迷ったときは?

離婚するべきか迷ったときは?

モラハラをする夫と長く時間を共にすると、次第に洗脳状態に陥り「私が悪いのかも」「私のせいで夫を怒らせてしまった」と思ってしまう女性は少なくありません。モラハラを明確に定義するのは難しいですが、夫の言動に「つらい」「悲しい」と感じることが多かったり、常に夫の顔色をうかがってびくびくしたりしているのなら、それは健全な状態ではないといえます。

 

モラハラをする夫との生活がつらいと感じたときは、第三者に悩みを吐き出すことで気持ちが少し楽になる場合や、相手の行いのひどさに改めて気づくことができます。悩みを聞いてほしい、アドバイスがほしい場合の相談窓口は多数あります。メジャーなものは各都道府県にある「女性センター」、そして24時間全国どこからでも相談ができる「よりそいホットライン」です。DVやモラハラをはじめ、女性が抱える問題の相談に乗ってくれます。

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離婚を決意した場合にまずするべきこと

離婚を決意した場合にまずするべきこと

離婚の意思を固めたら調停や裁判になる可能性を考慮し、まずはモラハラの証拠を記録することが大切です。具体的には、まず日記をしっかりつけておくと良いでしょう。「こういうことを言われた」の羅列ではなく、日時・場所・時間、言われた内容も具体的に記録しておきましょう。日記以外にも、モラハラを根拠づける暴言の録音や録画、LINEのスクリーンショットなどがあるとより強力な証拠になります。録音や録画はスマホで構いません。メールやSNSに書かれた悪口も証拠になります。モラハラで精神的なダメージを受けたという医師の診断書や通院記録があれば、それらもすべて保管しておきましょう。

離婚へ向けての具体的な手続きや注意点は?

話し合いを経て夫婦それぞれが離婚に合意し、離婚届に記入して提出する方法は「協議離婚」と呼ばれています。これが一番簡単な離婚の方法ですが、モラハラをする夫の場合、そうすんなりといかないケースも多いです。モラハラな言動は本人の主義主張や人生観に基づいていて、本人は言葉通り「モラル」だと思っているため「離婚したい」と思ってモラハラをしている人はほとんどいないと言ってもいいでしょう。モラハラをする夫は「不出来を教育して、正しい道に導いてあげよう」「理想の奥さん像・母親像に近づけてあげよう」という考えに基づいていると考えられます。

 

夫が離婚届にサインすることを拒む場合、裁判官や調停委員が介入する「離婚調停」に進むことになります。最寄りの家庭裁判所へ申し立てをして、決められた日時に裁判所へ出向き、夫婦と裁判官、調停委員(通常は男女1名ずつ)を交えて話し合いを行います。
調停を拒否された場合、離婚訴訟を起こし自分が集めた証拠をもとに法廷で争うことになります。注意したいのは日本の法律の仕組み上、調停をしないと裁判に進めない点です。ただ、調停を申し出て夫が出廷を拒否した場合でも「一度調停を経た」ことになる、つまり訴訟を起こすことができるので、訴訟のために形式的に調停申し立てをする人も多いです。

慰謝料など離婚の際にもらえるお金はどれくらい?

モラハラの慰謝料は、個別事情によりますが数十万円から300万円程度といわれています。離婚の際にもらえる財産分与や養育費も、夫の年齢、収入、夫婦の財産及び婚姻期間等によって変わります。ただ、一概にはいえませんが夫のモラハラの程度が重大であればあるほど、これらのお金の交渉を有利に進めることができます。子どもがいる場合、親権もモラハラが認定されれば取得できる可能性が高いでしょう。したがって、先述したようにモラハラの証拠をしっかりと集めておくことが重要です。

まとめ

自分がモラハラを受けていることに気付かずに苦しんでいる方も多いと思います。とにかく苦しい環境から抜け出すためには、しっかりとした準備が必要になります。離婚において受け取れるお金は厳しいものになるかもしれませんが、その点を認識しているのとしていないのとでは大きな差が生まれるのではないでしょうか。

このテーマに関する気になるポイント!

  1. モラハラとは?
    精神的な暴力等による嫌がらせのことをいいます。

  2. 離婚するべきか迷ったときは
    第三者に悩みを吐き出すことで気持ちが少し楽になる場合や、相手の行いを冷静に見つめなおすことができます。

  3. 離婚を決意した場合にまずするべきこと
    調停や裁判になる可能性を考慮し、モラハラの証拠を記録しましょう。

  4. 離婚へ向けての具体的な手続きは?
    協議離婚に応じてもらえない場合は、離婚調停を行います。離婚調停が不調に終われば離婚訴訟を提起します。

  5. 協議離婚とは?
    夫婦が話し合いを経て離婚に合意し、離婚届に記入して提出する方法です。

  6. 離婚調停とは?
    裁判官や調停委員が介入する離婚の方法です。

  7. 慰謝料など離婚の際にもらえるお金はどれくらい?
    個別事情によって異なりますが、数十万円から300万円程度です。

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宮崎大輔
この記事を書いた人
白石綜合法律事務所 弁護士
宮崎大輔

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

2013年3月、青山学院大学法科大学院修了。同年9月、司法試験合格。2014年12月、弁護士登録し、白石綜合法律事務所入所。企業の顧問を務める関係から、企業の労務問題を得意とするほか、刑事事件や債権回収事件、金融関係事件、企業合併事件など幅広い案件を手掛けている。近年は、インターネット上の誹謗中傷問題に積極的に取り組んでいる。

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