年収800万円でもらえる手取り額はいくら?知っておくべき節税対策

リリース日:2022/04/01 更新日:2024/11/06

年収が800万円という場合、そこから税金や社会保険料を支払うため、手取りの額はそれより小さくなります。ここでは年収800万円での平均的な消費支出や貯蓄の金額レベルや、知っておきたい節税方法について解説しています。

  1. 年収800万円の手取り額は
  2. 年収800万円の生活レベルと貯蓄事情
  3. 年収800万円の知っておくべき節税対策

年収800万円の手取り額は

年収800万円の手取り額は

年収が800万円だとしても、実際に使える手取りの額はそれより小さくなります。税金と社会保険料が給料の800万円から引かれるからです。税金として納めるのは、所得税と住民税。社会保険料としては、一定条件を満たす会社勤めであれば、厚生年金の保険料と健康保険の保険料、雇用保険の保険料、40歳から64歳ならば介護保険の保険料が引かれることになります。自営業やフリーランスの場合は、国民年金と国民健康保険の保険料を支払います。収入を給料として受け取る場合は天引きされていますが、それ以外の場合は自分で手続きし納めることが必要です。

こうした税金と社会保険料を考慮すると、年収800万円の手取り額は590万円ほどになります。人によって扶養家族の数などが違うため多少の差はありますが、税金と社会保険料で約210万円を納めていることになります。
比較のため年収400万円の場合の数字も見ておきましょう。年収400万円では、手取り額がおよそ310万円となります。納める税金と社会保険料は約90万円です。年収が増えると手取り金額も増えますが、納める税金と社会保険料も多くなるのです。

年収800万円の生活レベルと貯蓄事情

年収800万円の生活レベルと貯蓄事情

家計における支出や貯蓄の状況を知ることができるデータには、総務省が毎月おこなう「家計調査」の結果があります。全国約4,700万世帯の中から、約9,000世帯を抽出して調べたデータです。調査結果には年収の階級別に表示されたものがあるので、年収800万円を中心にほかと比較しながら見ていきたいと思います。今回使用するのは2019年のデータです。

 

家計調査の家計収支編では、年収を10段階に分けています。年収800万円は低い方から見て9番目、年間収入741万円~944万円のグループに属しています。比較対象とする年収400万円は、354万円~419万円のグループ。下から数えて5番目のグループです。

 

まずは1カ月間の消費支出全体をチェックしてみます。年収800万円では、平均して30万4,976円を1カ月に支出しています。一方年収400万円では、平均22万4,799円という数字。比較すると1カ月の消費支出では、年収800万円は年収400万円より、約8万円多いという計算です。生活レベルという意味で言うと、年収が400万円から800万円になると、1カ月当たり約8万円多く支出に回せるということになります。例えば今より数万円高い家賃の家に住めるといった違いが考えられるでしょう。

家計調査の貯蓄・負債編で、貯蓄の状況についても確認してみましょう。年収800万円は10段階の分類では、764万~853万円の下から7番目のグループ。貯蓄額は1,062万円となっています。一方、年収400万円は360万円~458万円の下から2番目のグループに属し、貯蓄額は721万円。比較すると約300万円の差がついているのが分かります。

 

年収が違うと負債の額にも差が出てきます。ここでの負債の多くは「住宅・土地のための負債」。つまり住宅ローンなどの借入と考えられます。年収800万円では負債の額が平均1,562万円、年収400万円での平均は982万円。返済可能額や借入可能額の違いもあるでしょう。このように年収が多くなると、毎月の支出や貯蓄の額が増えますが、同時に多くの負債を抱える人も多いということが分かります。

年収800万円の知っておくべき節税対策

年収800万円の知っておくべき節税対策

年収800万円の中から引かれるものに、税金があります。納める税金を低く抑える方法がいくつかあるので、紹介しましょう。例えば老後資金の準備として個人年金保険を活用すると、節税になります。個人年金保険は私的年金。年金保険料を納めると、契約時に決めた時期から、年金または一時金として保険金を受け取れるというものです。「生命保険料控除」の対象となる条件を満たすタイプであれば、年間最高4万円の所得控除が受けられます。

もうひとつ老後資金の準備で節税対策となるのがiDeCo。個人型確定拠出年金の制度です。自分で申し込み、掛金を拠出、自分で運用方法を選びます。掛金全額が所得控除の対象となり、節税効果が高いのが特徴。毎月の掛金を1万円と仮定しても、所得税(10%)・住民税(10%)で計算すると年間2.4万円が節税可能です。

年収800万円では住宅ローンなど、負債の額も大きくなっていました。住宅ローンを利用した場合に税金が安くなる制度もあります。それが「住宅借入金等特別控除」、いわゆる住宅ローン減税制度です。基本的に10年間、毎年の住宅ローン残高の1%を所得税から控除できるというもの。新築だけでなく、中古住宅の購入や増築リフォームでも使えます。今のところ「個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等をし、令和3年12月31日までに自己の居住の用に供した場合」というのが条件です。

収入の管理には銀行選びが大切。楽天銀行で給与を受け取ると、楽天ポイントが貯まります。また他行振込手数料は、最大で月3回まで無料となっています。節税対策としてiDeCoを利用するなら、楽天銀行と楽天証券を連携させる「マネーブリッジ」も有効です。連携により、普通預金金利が優遇される特典を受けられます。

 

※マネーブリッジの優遇金利「年0.18%」(税引前、税引後 年0.143%)の適用は普通預金残高300万円以下の部分のみです。
普通預金残高300万円を超える部分に関しては「年0.12%」(税引前、税引後年0.095%)の金利が適用されます(2024年10月時点)

 

2024年10月22日現在における楽天銀行での、住宅ローン(金利選択型)の金利は年0.834%。住宅の購入にも楽天銀行が役立ちます。

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黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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