タスク管理とは、業務を細分化して、小さなステップに分けた仕事や作業（＝タスク）の進捗状況を管理することです。ビジネスにおいては、プロジェクト遂行に必要な各タスクについて「担当者はだれか」「いつまでに完了するべきか」が常にクリアになっている必要があります。

上手にタスク管理ができていれば、一目見ただけでタスクの状態が把握できるため次のアクションがとりやすく、業務の効率化につながります。タスク管理はビジネスにおいて必要不可欠なスキルといって間違いないでしょう。

タスク管理には、以下のようなメリットがあります。

・プロジェクトの全体像が見える
タスク管理を行うことで、取り組んでいるプロジェクトの全体像の把握が可能です。進捗状況やメンバーに割り振られたタスク量などもわかりやすく管理できるようになります。

プロジェクトの全体像が見えないまま場当たり的に作業を進めても、全体の進行やスケジュールが見えません。また、複数人がかかわるプロジェクトでは、誰がどのタスクを担っているのかを明確にしておくことで、余計な確認をする手間や漏れを減らせます。

・仕事の優先順位が明確になる
仕事量とその重要度を「見える化」することは大切です。タスク管理を行うと、どのタスクを優先的に行うべきかが整理できるようになり、タスクごとの時間配分が合理的にできるようになります。

タスクの優先度を決めていないと、優先度の低いタスクに時間や労力が奪われて、過密なスケジュールにチームが疲弊してしまうという状況にもなりかねません。

・仕事や作業の漏れがなくなる
タスク管理で常にタスクをリスト化しておけば、各タスクの期限や重要度などを、常に把握した状態で作業に取りかかることができ、仕事や作業を漏らしてしまう危険性を回避できます。

タスク管理が十分にできておらず、自分の記憶だけを頼りにしている人も少なくありません。記憶や経験則だけに頼ったタスク管理には、漏れや抜けの危険性が潜んでいます。

タスク管理はどのように進めれば良いのでしょうか？4つのステップに分けて、それぞれのポイントを解説します。

1. 全てのタスクを洗い出す
まずは今自分が関わっているタスクをリストアップすることから始めましょう。小さなことでも、プロジェクトに必要なことは全て洗い出してください。どんな作業があるのか、全体量を把握することが第一歩です。

また、ただ漠然と書き出すのではなく、どのプロジェクトに紐づくタスクか、またどんな作業なのかという種類に分けておくことでより全体像がつかみやすくなります。

2. タスクはできるだけ細分化する
タスクが抽象的なままだと、具体的な作業が見えません。リストアップしたタスクの内容をできるだけ細分化しましょう。

例えば「資料を作成する」というタスクがあれば、「情報を集める」「データを整理する」「資料をまとめる」など、具体的な作業に分解します。

3. タスクの所要時間を計算する
作業内容を把握したら、それぞれのタスクについて必要な時間と人数を見積もって、担当者のスケジュールを組みます。その際、グループ全体でスケジュールを確認できるツールがあると便利です。

スケジュールは一度作成したら終わりではありません。進捗状況に合わせてヘルプの人員を追加したり、期日を変更したりと、適宜修正していきましょう。

4. 優先しなければならないタスクを決める
仕事全体の流れやボリュームがつかめたら、緊急性や重要度を考慮してタスクをこなすべき順番を決めます。今すぐにやるべき作業、後回しにできる作業、外注できる作業などに分類し、優先順に着手しましょう。

実際にタスク管理を行う方法を紹介します。

1. 紙やホワイトボードに手書きする方法
個人でタスク管理を行う場合は、自身のスケジュール帳を活用してタスクをリストアップしていく方法が良いでしょう。終わったタスクを消し、どのタスクが残っているのか一目で分かりやすくしておくことがポイントです。

チームでタスクを管理する場合は、ホワイトボードに直接タスクを記入したり、タスクを書いた付箋を貼り付けたりする方法がおすすめです。プロジェクト別や作業別に付箋を色分けするなどの工夫を入れれば、より視覚的に分かりやすくなります。

2. 表計算ソフト（Excel）を利用する方法
Excelやスプレッドシートなどの表計算ソフトも、タスク管理に使える有効なツールです。項目を工夫して自在にカスタマイズが可能で、自分に合ったタスク管理が行えます。

Excelやスプレッドシートなどの表計算ソフトを使ってタスク管理を行うには、以下のポイントを押さえておきましょう。

●タスクが項目ごとに網羅され、ひと目でわかる状態か
●期限や重要度、ステータス（進捗）が整理され、着手するべきタスクがわかりやすいか
●タスクの確認や更新を継続できるか（時刻を決める、アラームをセットするなどの仕組みを工夫する）

タスク管理に必要最低限の項目は、「タスク名」と「期限」、「ステータス（進捗）」です。これらの項目に加えて「作業の優先度（重要度）」や「備考欄（メモ）」などを必要に応じて増やしましょう。シンプルな形であれば、画像のようなもので十分です。自由度の高さも表計算ソフトのメリットといえます。

3. タスク管理ツールを利用する方法
本格的にタスク管理を行うなら、タスク管理に特化したツールを活用するのがおすすめです。タスクの進捗状況のチャート化、クラウド上のファイル共有、履歴の検索などができ、業務効率が大幅に改善します。

ツールの選択にあたって押さえておきたいポイントは以下の2つです。

●業務に必要な機能が搭載されているか
●不慣れな人でも操作しやすい分かりやすいツールであるか

導入する前に、無料プランなどを活用してツールの使い勝手を試しておきましょう。必要な機能が搭載されていて、現場で定着し得るツールであるかを確認します。

数あるタスク管理ツールの中でも、個人タスク管理におすすめのツールを3つ紹介します。個人タスク管理は、パソコンでもスマートフォンでも使えるものが使い勝手も良くおすすめです。

●Microsoft To Do
「Microsoft To Do」は、非常にシンプルでわかりやすいタスク管理ツールです。不慣れな方でも、ToDoリストを作ってチェックを入れていく感覚で簡単に使えるでしょう。

タスクの内容と開始予定日時、優先度を登録しておくと、予定時刻にリマインドしてくれます。定期的に繰り返すタスクは何度も開始予定日時の設定が可能です。

メールソフト「Outlook」と同期が可能なため、関連するメールに紐づけられるのも便利です。

●Todoist
「Todoist」もシンプルで使いやすいツールです。思いついたときにサッとタスクを登録でき、カテゴリや優先度ごとに整理できるので、どんなタスクを持っているかが一目でわかります。作業開始時間を登録しておけばアラームで知らせてくれるリマインド機能もついているため安心です。

また、カレンダーやマップ、クラウドストレージなど外部のアプリと連携も可能です。

●Google ToDo
「Google ToDo 」はGoogleアカウントに紐づいて同期ができるため、Googleの各種アプリケーションサービスの利用頻度が高い方におすすめです。例えばGmailに届いたメールをドラッグ&ドロップでそのままGoogle ToDoへ登録したり、Google ToDoに登録したタスクをカレンダーに表示させたりといったこともできます。

もちろん基本的なToDoリストとして使うこともでき、リマインド機能や日時の繰り返し登録なども可能です。

グループタスクの管理におすすめのツールを3つ紹介します。複数の人が使用するため、操作性が使いやすくシンプルであることがポイントです。

●Backlog
「Backlog」は、直感的に使えるシンプルさが特徴です。プロジェクトや課題ごとにやりとりができるため、グループ全体でのタスク管理に向いています。複数の部署にまたがるプロジェクトでも、各タスクの担当者や締め切りを設定することで、責任の所在を明確にすることができるでしょう。

コミュニケーションツールやカレンダー、メールなどの外部サービスと連携させれば、これまでの環境を変えずに導入することも可能です。

●Redmine
「Redmine」は無料で使えるプロジェクト管理ソフトウェアです。Webサイト上でタスク管理を行うので、必要なのはネット環境のみ。専用のアプリをインストールする必要もありません。

タスクは「チケット」と呼ばれる単位で管理されます。それぞれに担当者や期日などを設定することで、チームメンバーは進行状況が一目で確認できます。

●Trello
「Trello」は、付箋を貼ったりはがしたりするような感覚でタスク管理ができる、視認性に優れたタスク管理ツールです。

ひとつひとつのタスクを登録する「カード」を、「リスト」に登録したり移動させたりすることで進捗や担当者などを表すことが可能です。プロジェクト全体は「ボード」と呼ばれ、チームや取引先などと共有できます。

このテーマに関する気になるポイント！

1. タスク管理とは何ですか？
   プロジェクトを進めるにあたり、細分化された1つ1つの仕事や作業（タスク）を、誰がいつまでに完了するか、その進捗状況を管理することです。
   
   
   
2. タスク管理を実施するメリットは何ですか？
   1つ1つの作業の優先順位を決め、効率的に作業を進行させることができるため、仕事の漏れや遅れがなくなるというメリットがあります。
   
   
   
3. タスク管理におすすめの方法はありますか？
   個人用としては、自分のスケジュール帳や、スマートフォンのスケジュール機能を使って管理するのがお手軽です。ビジネスで本格的にタスク管理をする場合は、タスク管理に特化したアプリやツールを導入することをおすすめします。