デジタル庁とは何をする組織?日本のデジタル化に向けたねらいを解説

リリース日:2021/08/05 更新日:2024/11/13

近頃ニュースでよく耳にするようになった「デジタル庁」は、2021年9月新設予定の国の組織です。どのような業務を司るのでしょうか。この記事ではデジタル庁の具体的な業務内容やデジタル化とお金の関係について解説します。

デジタル庁とは何をする組織?日本のデジタル化に向けたねらいを解説
  1. 新しくできるデジタル庁とは
  2. 何をねらいにしているの?
  3. デジタル庁の具体的な業務
  4. デジタル化すると変わるかもしれないお金のこと

新しくできるデジタル庁とは

デジタル庁は、国・地方行政のデジタル化の推進を目的とした内閣直轄の組織です。菅内閣の目玉政策のひとつであり、2021年9月1日に設置される予定となっています。デジタル庁の長は内閣総理大臣になりますが、デジタル大臣も置かれる予定です。

何をねらいにしているの?

何をねらいにしているの?

デジタル庁のねらいは、日本における行政のデジタル化を推進することです。

 

コロナ禍の対応において、国や地方自治体のデジタル化の遅れや、情報システムがバラバラでデータの活用が十分にできないなど、様々な課題が明らかになりました。このような事情から、コロナ禍での給付金や助成金では給付の遅れなども出てしまったのです。

飲食店への営業時間短縮協力金の給付遅れが問題になっていたけれど、こういう原因があったのね!

デジタル庁ではこうした課題を改善するために、省庁間、国と地方自治体でバラバラとなっていたITシステムを統一することを目指しています。また、スマートフォンを使った行政手続きや、オンライン診療やデジタル教育など国民の生活の利便性を向上させることなども期待されています。

 

さらにこれらの実現には、マイナンバーシステムの普及が必要不可欠です。そのため、マイナンバーカード普及の遅れを取り戻すことも、デジタル庁の取り組みとされています。

デジタル庁の具体的な業務

デジタル庁の具体的な業務

デジタル庁の具体的な業務として、以下のものが挙げられます。

 

・国と自治体のITシステム統一
デジタル庁のメインの業務となるのが、国や自治体が導入しているITシステムを統一することです。これまで各自治体では住民に関する情報(住民票や年金、保険、税金など)を扱うシステムがバラバラに管理されており、自治体の人的・財政的な負担となっていました。

 

省庁間のみならず自治体間でスムーズに情報の受け渡しができるよう、これらのシステムを統一し環境を整備していきます。

 

・行政手続きのオンライン化
これまで行政手続きを行うためには、役所に出向いて申請や届出をする必要がありました。国民生活の利便性向上のために、今後は行政手続きをオンラインでできるようにしていくとのことです。

 

・マイナンバーカードの普及促進
デジタル庁の業務として最も重要視されているのが、マイナンバーカードの普及促進です。オンライン行政手続きの安全性は利用者の確実な本人確認にかかっていることもあり、信頼性の高い身分証明書となるマイナンバーカードのいっそうの普及を重要な課題としています。

 

今後は、

●    健康保険証としての利用
●    職員証としての利用
●    行政手続きのオンライン化

 

など、マイナンバーカードの活用シーンの拡大も目指しています。

・医療・教育・防災分野におけるデジタル化の推進
国民の生活に密接する医療や教育、防災といった分野のデジタル化もデジタル庁が取り組むことになる業務です。

 

コロナ禍において、オンライン診療やオンライン教育などの重要性が認識されました。それにもかかわらず、これらの分野では対面を前提とする現行制度やリテラシーなどの課題により、デジタル化が遅れているのが実情です。

 

デジタル庁が関係省庁と連携することにより、デジタル化の環境整備を図るとのことです。

デジタル化すると変わるかもしれないお金のこと

デジタル化すると変わるかもしれないお金のこと

デジタル庁ができれば、社会生活がこれまでよりも本格的にデジタルへと移行することが予想できます。近年、お金に関しても現金のやり取りをしない「キャッシュレス決済」が広がっており、経済産業省が主体となってキャッシュレス化が推進されています。

 

経済産業省が発表のデータでは、日本における2019年のキャッシュレス決済の比率は26.8%と過去最高の水準となりました。2010年の13.2%と比較するとここ10年で約2倍に増えたことがわかります。

日本は海外に比べて現金志向が強く、キャッシュレス決済の普及が遅れていましたが、ここ最近では日本にもキャッシュレス決済が広がっていることは間違いありません。

 

お金のキャッシュレス化が広がることによるメリットは、以下のとおりです。

 

●    現金を下ろす手間がなくなる
●    ATM手数料が不要になる
●    ポイントが受け取れる
●    店舗での決済がスピーディ
●    事業者も現金の計算の手間などが削減できる
●    硬貨や紙幣のやり取りをしないため衛生的

 

キャッシュレス化により消費者はもちろん、事業者にとってもメリットがあります。現金の管理を行う手間が省けることにより、仕事の効率化が図れます。また、キャッシュレス決済によるポイント還元などにより、消費の拡大効果もあるのです。

 

政府はキャッシュレス決済の比率を2025年までに40%程度にし、将来的には世界最高水準の80%を目指すとしています。今後はキャッシュレス決済が当たり前の世の中になるかもしれません。

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このテーマに関する気になるポイント!

  1. デジタル庁とは?
    国・地方行政のデジタル化の推進を目的とした内閣直轄の組織です。

  2. デジタル庁はいつできるの?
    2021年9月1日に設置される予定です。

  3. デジタル庁の長は誰?
    内閣総理大臣です。

  4. デジタル庁設立のきっかけは?
    コロナ禍おいて行政のデジタル化の遅れや課題が明らかになったため。

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まきあん
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)
まきあん

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

元栄養士で現在フリーのWEBライターとして活動している、まきあんです。基本的なお金の知識を身に付けたいと思い、独学でFP2級を取得しました。お金に関する知識や生活に役立つ情報を分かりやすく発信していきます。

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