そもそもなぜ人を嫌いになるのでしょうか。人を嫌いになるメカニズムを解説している文献がいくつかありますが、その中からひとつご紹介します。

まず、好き嫌いを判断するのは脳です。脳には危険を察知する働きを持つ扁桃体という部分があり、見た目や言動、雰囲気などをもとに0.02秒で危険かどうかを判断すると言われています。

この扁桃体があるからこそ、危険から身を守り安全に生活できるのですが、この瞬時の判断は人に対しても行われます。過去に不快な思いをさせられた相手はもちろんのこと、似たような人も危険だと判断してしまうということです。人は自分にとって危険な人を嫌うというメカニズムで人が嫌いになります。

嫌いな人とは関わらないのが一番ですが、現実的にはそうはいきません。その人との関係性によっては、毎日顔を会わせたり、会話をしなければいけなかったりします。

嫌いな人とどう関わるかは、その人との関係性次第です。ここでは、嫌いな相手との関係性別の回避法をご紹介します。

・職場
職場で関係性が悪化すると、職務に響く場合があります。嫌いな相手の決裁が必要だったり、連携をとって仕事を進めなければいけなかったりするときは、簡単な対処法はありません。

嫌いだとしても、最低限の挨拶は必ず行いましょう。そうしておくことで、最低限の関係性を保ちつつ、周囲に迷惑をかけたり、嫌な雰囲気を作ってしまったりすることは避けられます。

さらに、会話もある程度はしておくのがベストです。ただし、重要な仕事の話以外は適当に受け流しておきましょう。

・SNS
現実的な会話よりもネット上でのやりとりのほうが、悩みが多いかもしれません。特に、グループで会話できるSNSでは、会話に加わらないと疎外されるという怖さを感じることもあります。

しかし、そんなときは思い切ってその関係を断ち切ってしまっても良いかもしれません。

断ち切るときに最も良い方法は、別の何かに打ち込んでいることをアピールすることです。現在打ち込んでいるものがない人は、新しいものを見つけてみましょう。

気分の良くない会話に参加して関係を続けるよりも、思い切って断ち切ってしまうと、意外と大した関係性でなかったことに気づくこともあります。本当に大切にするべき相手は、自分のことを応援してくれるはずです。

・友達
友達とはともに過ごす時間が長くなる分、嫌な部分も目にしてしまい、嫌いになってしまうこともあるかもしれません。その嫌いな部分を上回るほど、一緒にいて楽しかったり信頼できたりする間柄ならともかく、そうでなければ無理に付き合い続けることもないでしょう。

自分から連絡をとることを避け、相手からの連絡には応じないという方法もあります。どうしても良好な関係性を続けたいのであれば、少し距離をとって、自分の気持ちや相手の様子を確認してみましょう。

また、本当に友人関係を続けたいと思う場合は、気になっている部分を正直に話してみるのも良いでしょう。相手にとっても、自分自身や友達関係を見つめ直す良い機会になるはずです。

だれかのことを嫌いになってしまい、自分自身に対して「ヒドイやつだ」と自己嫌悪に陥ってしまう人もいます。

しかし、先ほどもお伝えしたとおり、脳が瞬時に判断して嫌いになるもので、自分を守るための感情であることを忘れないでください。だれしも嫌いな人がいてもおかしくないのです。