これまでは、都知事を含む地方自治体等の首長や政治家の情報発信ツールといえば、ラジオ、新聞、テレビ、雑誌が主でした。

しかし、現在はそれに加えTwitterやFacebookなどのSNSや動画投稿サイトも、情報発信のための非常に重要なツールとなっています。実際に、各地方自治体の首長や総理大臣、世界各国の大統領に至るまで、TwitterなどのSNSを積極的に利用する時代になっています。

政治家がSNSを使って発信している内容は様々です。現東京都知事の小池百合子氏の場合は、政治的なことから災害に関すること、今後の活動方針に至るまで多岐に渡って発信しています。

平成25年4月に公職選挙法が改正され、政党や立候補者がTwitterやFacebook、ホームページ、動画投稿サイトなどを利用して選挙運動することもできるようになりました。これはSNSが情報発信ツールとして市民権を得たことが公に認められたと考えても良いのではないでしょうか。

・都知事のSNS
都知事は、Twitter、Facebook、Instagramのアカウントを持ち、情報を発信しています。Twitterのアカウントは都知事になる前に作成されたもののみですが、FacebookとInstagramには、小池百合子氏個人のアカウントと都知事公式アカウントの2種類が作られています。現在ではどのアカウントも、都知事としての活動と東京都の政策、それに東京に関する情報を発信することにほぼ限定して使用しているようです。

SNSの更新頻度はいずれも高く、フォロワーも多いです。特にTwitterのフォロワー数は2021年7月19日時点で91.6万人となっており、多くの人がTwitterから都知事の情報を受け取ろうとしていることが分かります。

小池都知事のTwitterでは、自身の情報を発信する以外にも、東京都が発信する「東京都 新型コロナウイルス関連情報」をリツイートしています。都知事が首長としてTwitterを利用していることが分かる事実です。

・知事の部屋
東京都の公式サイトには「知事の部屋」というページがあり、ページ内では東京都知事が情報を発信しています。

ここで発信される情報の内容は、主に以下のものです。

●所信表明・市政方針
●記者会見
●活動レポート

特にこのコロナ禍では、所信表明や政策方針は気になるところでしょう。感染拡大防止のために何をしていくのか、コロナワクチンの迅速な接種のためにどのような方策をとるのか、オリンピックの開催についてどのように考え、どのような準備が進められているのかといった、都知事の考えを文章で読むことができます。

また、記者会見のページでは、記者会見をリアルタイムで視聴することもできます。さらに、過去の会見動画をノーカットで視聴することも可能です。

活動レポートは、FacebookとInstagramへのリンクという形式をとっていて、リンク先で都知事の日々の活動状況が分かるようになっています。

ほかにも、海外出張費・交際費の詳細が「知事の部屋」で公開されていることが目を引きます。これには支出の透明性を高め、都民の理解と信頼を得たいという意図があるようです。

東京都知事の記者会見は、「知事の部屋」から確認できますが、ほかにも動画投稿サイトのYouTubeでも視聴できます。YouTube上の東京都の公式チャンネルは、「東京都 Tokyo Metropolitan Government」です。

特に記者会見については、テレビや新聞では編集されてしまうため、知事の発言の真意を汲み取るのが難しくなってしまうこともあります。その点、YouTube上の記者会見は、ノーカットの動画が多く、正確な情報を収集するには欠かせないツールといえるでしょう。

また、このYouTubeチャンネルには、コロナ関連の情報や知事の記者会見のほかに、生活支援相談の情報や、納税期日のお知らせ動画なども投稿されています。