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婚姻とは|夫婦になる事で生じる権利関係を解説。婚姻届を出す前に知っておくべきこと
婚姻とは、婚姻届を役所に提出することで法律に基づいて夫婦となることです。婚姻することで生じる権利関係や、離婚することで生じる財産分与に関する情報もまとめました。結婚というイベントを少し客観的に見てみましょう。
血族、姻族、親族とは?
血族とは?
血族には自然血族と法定血族の2種類があり、自然血族とは、生物学的に血縁関係のある血族をいい、法定血族とは、血縁関係はないものの、法律で血縁関係を成立させた血族のことをいいます。
●自然血族の例
自分と両親
自分と兄弟
自分と祖父母
●法定血族の例
養子と養親
また、血族には「直系(ちょっけい)」と「傍系(ぼうけい)」の分類があります。
直系とは、上下の関係をいい、上の関係を「尊属(そんぞく)」、下の関係を「卑属(ひぞく)」といいます。
傍系は、横の関係をいいます。
●直系血族の例
両親または祖父母・・・直系尊属
子または孫・・直系卑属
●傍系血族の例
兄弟姉妹
いとこ
姻族とは?
姻族とは、血族の配偶者または配偶者の血族のことをいいます。
●血族の配偶者の例
兄弟の妻、姉妹の夫等
●配偶者の血族の例
夫、または妻の両親、兄弟等
親族とは?
親族とは、次の関係にある者をいいます。
(1)6親等内の血族
(2)配偶者
(3)3親等内の姻族
親等(しんとう)とは、自分から相手まで何人目でたどりつけるのかを示す単位のことです。(姻族の親等は配偶者を起点にします。)
家系図をイメージしてなぞっていくと分かりやすいと思います。
なお、傍系に行く場合はその親を必ず経由します。
・父母 1親等
・祖父母 2親等
・兄弟 2親等
・おじおば 3親等
・従兄弟 4親等
・配偶者の父母 1親等
・配偶者の兄弟姉妹 2親等
婚姻により生じる権利関係
(1)夫婦間でした契約は、婚姻中であればいつでも一方から取り消すことができます。ただし、当事者間では取消ができますが、第三者の権利を害することができないと規定されています。
例:夫が妻へ不動産を贈与し、妻がその不動産を売却したあとに取消をした場合。
買主は不動産を夫に返さなくてよい。
妻は売買によって利益を受けた範囲で夫に償還する。
※婚姻関係が破綻している場合は、取消権を認めないと裁判所が解釈しているため、実質的に意味のない規定となっています。
(婚姻関係が良好であれば取消権を行使できるが、良好な関係で取消権を主張することは実質的に存在しないため)
(2)夫婦間の相互扶助義務
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければなりません。
これは双方の収入を照らし合わせて、お互いが同じ生活レベルを保持できるようにしなさいという規定です。経済的に相手を追い詰めるようなハラスメントはこの規定により許されないことになります。
夫婦の財産関係
夫婦は、その資産や収入等の事情を考慮したうえで、婚姻費用をそれぞれ負担することになります。
また、日常の家事に関する第三者との契約については連帯してその責任を負うこととなります。(日常の家事に該当するかどうかはその夫婦の生活水準と取引内容の関係によって決まります。)
夫婦間における財産の帰属
夫婦の一方が婚姻前から有している財産や、婚姻中に自分の名前で得た財産は単独所有の財産とします。
なお、いずれの所有か判断できないものは共有と推定されます。
夫婦財産契約
婚姻前に双方で合意して夫婦財産契約をすることができます。
これは、婚姻費用や家事の負担割合、離婚時の財産分与内容をあらかじめ定めて契約することで成立します。
結婚時に離婚のことを考える必要もあるため、なかなか普及しない制度ではありますが、次のような場合に利用価値があると考えます。
なお、海外ではプレナップ(prenuptial agreement)といわれる同様の婚前契約も存在します。
(1)資産家
一方が資産家である場合、離婚時の財産分与が高額となる可能性があるため、一定期間を経過しない離婚の場合は財産分与を行わない等の契約を定めることが可能です。
(2)お互いが経済的に自立している
晩婚カップルのようにお互いが資産を築いている状態での婚姻では、対等な関係で財産分与の内容を定めることが可能です。
離婚により生じる財産分与
協議離婚をした場合、離婚から2年以内に限り、相手に対して財産の分与を請求することができます。
財産分与には、3つの種類があります。
(1)清算的財産分与
婚姻中に形成した財産の清算
(2)扶養的財産分与
離婚により経済的に困窮することが無いようにするための支援
(3)慰謝料的財産分与
一方が他方に与えた精神的な苦痛に対する慰謝料として支払う
清算的財産分与は、夫婦それぞれの収入にかかわらず、原則2分の1とされています。
例えば、一方が婚姻中に一切の収入がなかった場合でも、婚姻後に築いたと認定される財産の半分を受け取ることができます。
これは、家庭を支えている一方の家事負担の功績が資産の形成に寄与していることを認めているためです。
ただし、裁判所を介した財産分与の手続きでは2分の1の割合とならない場合もあります。
なお、財産分与に関して話し合いや、夫婦財産契約により割合を自由に定めることもできます。
まとめ
結婚をすることで得るものはたくさんあると思いますし、離婚することで救われる方がいることも事実です。
ただ、どちらであってもそこに権利や義務が付いてくることを理解して、人生の選択をすることが大事だと考えます。
FAQ
- 血族とは?
血縁のある家族。(自然血族) または養子。(法定血族) - 姻族とは?
血族の配偶者または配偶者の血族。 - 親族とは?
6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族。 - 婚姻により生じる権利関係は?
夫婦間契約取消権(実質として無意味)、夫婦間相互扶助義務。 - 夫婦間の財産の帰属は?
婚姻前から所有するものや婚姻後に個別に取得したものは固有財産とする。 - 夫婦財産契約とは?
婚姻前に限り契約をすることで、婚姻費用や家事分担、財産分与等を定めることができる。 - 財産分与とは?
双方の協議により、又は裁判所によって一方が他方に対して支払う。婚姻中に築いた財産は原則2分の1とするが、この割合を変更することは可能。
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