セミリタイアとは|準備するべき貯金額や資産形成の方法、注意点を解説

リリース日:2021/05/17 更新日:2024/11/11

セミリタイアは定年退職とは考え方が異なります。セミリタイアを実現するためには、しっかりと資産を準備することが重要です。この記事ではセミリタイアの生き方とセミリタイアするための準備方法をご紹介します。

セミリタイアとは|準備するべき貯金額や資産形成の方法、注意点を解説
  1. セミリタイアとは
  2. セミリタイアするにはどのくらいの資産や貯金が必要?
  3. セミリタイアするための具体的なプランは?
  4. セミリタイア生活を失敗させないために注意すること

セミリタイアとは

貯金や資産を貯めて定年になる前に退職し、自分の時間や生活を楽しみながら、何らかの収入も得つつ暮らしていくのがセミリタイアです。

 

メインの仕事を退職して、自由な生活の片手間で収入を得ることになるため、収入はそれまでより大幅に減ってしまうケースが大半です。そのため、貯めた貯金や資産が十分であるか、稼げる専門性があることが重要な条件です。

 

・セミリタイアと早期リタイア(アーリーリタイア)との違い
セミリタイアはある程度の労働収入が続くことを前提にした退職です。完全に働くことをやめる早期リタイアとは区別されます。

 

セミリタイアの例としては、専門スキルを生かしセミナー講師として収入を得るなどが挙げられます。貯蓄を元手に不動産投資、株やFXなどからの収入で生活するのも典型的なパターンです。

 

これに対し、早期リタイアとは、定年前に退職した後は収入を得るために働かず、貯金・配当・譲渡収入で生活することを意味します。

 

早期リタイア・セミリタイアを後押ししているのが「早期優遇退職制度」です。会社が従業員の中から退職者を募って定年より前に早期退職してもらう制度のこと。早期退職と聞くと、マイナスイメージを抱く人もいるかもしれません。ただここで考えておきたいのは、早期優遇退職制度には割増退職金があることです。この割増退職金をあてにセミリタイアを考える人もいます。

 

気をつけたい点は、退職すると年金受給額が下がり、ローンの借り入れができなくなることです。退職金が割り増しされることだけに気を取られず、退職後の資産計画を見直すことが必要です。

 

・セミリタイアしたい理由
世の中のほとんどの人は、広い意味での労働で収入を得ています。会社勤めの人がより高い収入を得るためには残業することが必須でした。しかし、業績不振のため残業を認めない企業が増え、また近年では働き方改革による残業管理の厳正化などにより、収入増が見込めなくなってきました。

 

働きがいのない勤め人として人生を送るよりも、残りの人生を自由に生きたいと思う人がいても当然です。それなりによく働き、ある程度の資産を築いた人が会社以外の生きがいに気づくとき、セミリタイアが人生の選択肢になることがあります。

 

・欧米で広がる「FIRE」の概念

 

FIREとは「Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)」の頭文字を取ったもので、早期退職して、お金のために働く縛りから自分を解放するというライフプランや概念を指します。

 

富裕層にしか味わえない悠々自適な生活という考えではなく、資金が貯まったら仕事をやめて(早期退職)、投資の収益で労働に頼らず生活していくこと(経済的自立)を意味します。セミリタイアの一部と考えてよいでしょう。

セミリタイアを考えているのは日本だけじゃないのね!確かに、暮らしていけるお金があれば無理に働く必要はないわよね

セミリタイアするにはどのくらいの資産や貯金が必要?

一人ひとりの生活や資金繰りによるので一概に断言できませんが、1,500万〜3,000万円の貯金があれば、それを資金としてセミリタイアは可能という計算になります。

 

3,000万円を目標にし、貯蓄しながら資産運用の知識をつけて、ある程度貯金が貯まったら実際に資産運用を行うこと。そして生活費を月に12万から15万円まで切り詰めていくのが理想です。

 

・セミリタイアするには早期に資産運用を始めることが不可欠
若いうちに資産運用に取り組み、時間を味方につければ、無理なく資産を形成していくことができます。

 

また、投資の経験が長いほど、経済社会の変化に柔軟に対応できるようになります。それだけ、お金の不安も少なくなるでしょう。

 

・4%ルールという考え方
4%ルールとは、年間支出の25倍(=1÷0.04)の資産があれば、株の運用益で生活費をまかなえるという考え方です。4%というのは、米国株式市場の成長率7%から、インフレ率3%を差し引いた数字です。

 

これを、日本の現状に当てはめれば、現実的な運用益はアメリカより低く年利5~6%、一方インフレ率は0とみなしていい状況ですので、5%ルールが成り立ちます。資産は年間支出の20倍(=1÷0.05)を用意できれば、資産運用だけで生活できるということです。年間の支出を150万円とすると、必要な資産はすでに示したとおり3,000万円という計算になります。

 

・「セミリタイア=一生働かない」わけではない
セミリタイアはある程度の労働収入があることを前提としたライフプランです。セミリタイアに向けて資産を作ることも大切ですが、スキルを磨くことも必要です。それが専門知識であれ、資産運用能力であれ、リタイア後の収入に結びつくスキルがなくてはセミリタイアは成功しません。セミリタイア後の生活も見据え、楽天証券に口座を開いて投資を実践していきましょう。

セミリタイアするための具体的なプランは?

セミリタイアするための具体的なプランは?

さて、セミリタイアを目指すには、まず年間支出の20倍の資産を築くことを目標にします。

 

・マイホームの購入
これからセミリタイアを検討している人の場合は、退職する前に住宅購入検討をしておくことも意識しておきましょう。

 

退職してからローンを組もうとしても、収入が安定せず社会的信用がないと借り入れ先の審査が通りにくくなります。また、家賃を払い続けることで生活が苦しくなることも考えられるので、できればマイホームを購入して生活基盤を確保しておきましょう。

 

・不労所得を得る準備
セミリタイアすると、安定した収入は期待できなくなります。フリーランスであればなおさらです。そこで重要なのが収入源を複数用意しておくこと。不労所得を得られるようにしておくと、仕事が中断してしまったときにも収入が途切れません。

 

代表的な不労所得として、利子や配当所得が挙げられます。またアパートやマンション経営による家賃収入なども検討の価値があるでしょう。ただし、どの方法にしてもリスクは伴います。定期的にポートフォリオの見直し、物件の見直しなどをしていくことが重要です。

 

・ハイリターンの投資
年間生活費の20倍の資産を作るには、ハイリターン投資も検討したいところ。低金利の日本の銀行に預金をしてもなかなか増えません。不動産投資やJ-REIT(不動産投資信託)など不動産関連の投資、さらにはレバレッジをかけたFX投資や仮想通貨投資なども取り入れないと目標額には届かないかもしれません。

 

もちろんハイリターンを目指すにはリスクにも備えなければなりません。元本が保証されない投資では、資産を失うこともあります。資産運用は比較的リスクの少ない現物取引から始めて、少しずつ経験値を増やしていきましょう。

 

・支出をおさえる工夫

 

毎月支払う固定費は減らせる可能性があります。とりわけ通信費や保険料などは随時見直したい項目です。携帯電話代を格安SIMに乗り換えると、月4,000円以上の節約になることもあります。

 

また健康保険の保障内容や遺族年金制度をよく確認すれば、生命保険の契約も見直せることに気づきます。支出を極力おさえて、できるだけ資産形成に回しましょう。

セミリタイア生活を失敗させないために注意すること

セミリタイアをすると人間関係・社会的信用を失うなどのデメリットもあります。また準備不足で思ったほどの収入を得られず、フルタイムの仕事を探す結果になることもあります。セミリタイア生活を成功させるには十分な準備が必要です。

 

まず、セミリタイアをして何がしたいのか、どのような生活を送りたいのかといったセミリタイア後の生活をイメージし、そのためには何をしなければならないのか考え準備していくことが求められます。

FAQ

  1. セミリタイアとは?
    定年になる前に退職し、自分の時間を楽しみながら何らかの収入も得つつ暮らしていくことです。
  2. セミリタイアと早期リタイア(アーリーリタイア)の違いは?
    リタイア後にある程度の労働収入があるか、完全に働くことをやめるかの違いです。
  3. セミリタイアの収入の例は?
    セミナー講師、不動産投資、株、FXなどが挙げられます。
  4. 早期優遇退職制度とは?
    会社が従業員の中から退職者を募って定年より前に早期退職してもらう制度です。
  5. 早期リタイアのデメリットは?
    年金受給額が下がり、ローンの借り入れができなくなります。
  6. FIREとは?
    「Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)」の頭文字を取ってた欧米で広がるライフプラン、概念。
  7. 4%ルールとは?
    年間支出の25倍(=1÷0.04)の資産があれば、株の運用益で生活費をまかなえるという考え方です。

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金子賢司
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
金子賢司

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

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