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5月8日は世界赤十字デー。赤十字のなりたちや役割とは
赤十字はアンリ・デュナンの提唱により1864年に発足した国際的組織です。赤十字マークには特別な意味があることをご存じでしょうか。ここでは赤十字のなりたちや役割、日本赤十字社の活動内容について紹介します。
赤十字って?
赤十字とは、白地に赤の十字形のマーク、またそのマークを持つ国際組織そのものを示します。赤十字と聞くと病院をイメージする人もいるかもしれませんが、元々は戦争における負傷者を救援する組織でした。また、現在も戦争や自然災害における傷病者救護を行う人道団体として活動しています。
現在、赤十字運動は3つの組織で構成されています。
・赤十字国際委員会 (ICRC)
戦争、内戦、国内騒乱の犠牲者に対する人道的支援を行います。
・国際赤十字(赤新月)社連盟 (IFRC)
各国の赤十字社・赤新月社の国際的な連合体で、災害の被災者に対する救援活動や保健衛生上の問題に取り組みます。
・各国の赤十字(赤新月)社
192の国と地域に広がる組織です。命と健康を守る、苦痛を軽減する、人間の尊厳を守るため、幅広い活動を行います。
赤十字のなりたち
赤十字の創始者はスイス人実業家で第1回ノーベル平和賞の受賞者でもあるアンリ・デュナンです。アンリ・デュナンは1859年6月、イタリア統一戦争の激戦地、ソルフェリーノの惨状を目の当たりにします。そこには4万人もの死傷者が打ち捨てられていました。デュナンは傷付いた兵士たちを人間同士として救う必要があると唱え、救援活動にあたりました。
デュナンはジュネーブに戻り、1862年11月『ソルフェリーノの思い出』を出版します。この中でデュナンは、戦場の負傷者と病人を敵味方の差別なく救援すること、そのための団体を各国に組織すること、この目的のための国際的な条約を締結することが必要だと述べました。
デュナンの訴えをきっかけに1863年には赤十字国際委員会の前身である五人委員会が発足。1864年にはヨーロッパ16カ国の外交会議でジュネーブ条約が成立し、国際赤十字組織が正式に誕生しました。
赤十字とナイチンゲール
赤十字の創始者はナイチンゲールと混同されることがありますが、もともとナイチンゲールは赤十字運動に反対でした。
アンリ・デュナンは自著『ソルフェリーノの思い出』でクリミア戦争におけるナイチンゲールの功績を紹介し、ナイチンゲールに本を送りました。それに対しナイチンゲールは自国の傷病兵を救う義務はあくまで各国政府にあるとして、批判的な立場を取ります。しかしナイチンゲールはその後考えを変え、赤十字の理解者となりました。
赤十字国際委員会では功績のあった看護師に対し、隔年で「フローレンス・ナイチンゲール記章」を授与しています。
参照元:赤十字NEWS
赤十字マークの意味
赤十字マークは白地に赤の十字が描かれたもので、特別な意味を持ちます。紛争地域で、赤十字マークを掲げている病院やスタッフには絶対に攻撃を与えてはならないとされているのです。
赤十字は戦争や紛争で傷付いた人々と、それを保護するためのマークのため、使用には制限が加えられています。赤十字とは関係のない医療機関や、市販の医薬品・衛生用品には赤十字マークが使用できません。まれにイラストで病院や救急箱に赤十字が描かれているものを見かけますが、日本赤十字社はこうした使用は認めていません。
赤十字マークはアンリ・デュナンの祖国スイスの国旗の配色を逆にしたものがもとになっています。しかし、イスラム教国では「十字はキリスト教を連想させる」という理由から、赤十字の代わりに赤新月を使用しています。実際には赤十字とキリスト教は関係がありません。
赤十字と赤新月に加え、赤いひし形を配したレッドクリスタルも同じ用途で使われます。
参照元:日本赤十字社パンフレット
日本赤十字社の活動内容
日本赤十字社は1887年に誕生しました。1877年、西南戦争の折に設立された博愛社がその前身となっています。現在の主な活動内容は以下のとおりです。
・国内災害救護
地震や台風の被災地に救護班を派遣し、救護活動を行います。
・国際活動
災害や紛争に苦しむ人々の救援や復興支援、予防活動を行います。
・赤十字病院
日本国内で91ヶ所の医療施設を運営し、地域密着の医療を提供しています。
・看護師等の教育
看護大学・専門学校を運営し、「人間のいのちと健康、尊厳を守る」という赤十字の使命に基づいた看護職を養成しています。
・血液事業
全国の献血会場で血液を確保します。集められた血液は血液センターで血液製剤にして、医療機関に届けます。
・救急法の講習
健康安全に関する知識や技術を普及させるため、救急法、水上安全法、雪上安全法、幼児安全法、健康生活支援講習の講習を行っています。
・青少年赤十字
児童生徒に赤十字の理念を伝える活動をしています。
・社会福祉
全国で28の社会福祉施設を運営しています。
・赤十字ボランティア
地域赤十字奉仕団、青年赤十字奉仕団、特殊赤十字奉仕団のグループや個人で、赤十字の理念に基づいたボランティア活動を行っています。
世界赤十字デーと赤十字運動月間
FAQ
- 赤十字とは?
赤十字とは、白地に赤の十字形のマーク、またそのマークを持つ国際人道団体 - 赤十字の創始者
スイス人実業家のアンリ・デュナン。アンリ・デュナンは第1回ノーベル平和賞を受賞している。 - 赤十字とナイチンゲールの関係
設立に際しての関わりはないものの、ナイチンゲールは赤十字の理解者。赤十字国際委員会は功績のあった看護師に対し、隔年で「フローレンス・ナイチンゲール記章」を授与している。 - 赤十字マークの意味
紛争地域で、赤十字マークを掲げている病院やスタッフには絶対に攻撃を与えてはならない - 日本赤十字社の活動内容
・国内災害救護
・国際活動
・赤十字病院
・看護師等の教育
・血液事業
・救急法の講習
・青少年赤十字
・社会福祉
・赤十字ボランティア - 世界赤十字デーはいつ?
赤十字創始者のアンリ・デュナンの誕生日である5月8日 - 世界赤十字デーには何が行われる?
各地でライトアップなどのイベントがある
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