勉強は何も学生だけがするものではありません。むしろ変化の激しい現代においては、キャリアアップを実現していくために、社会人こそ積極的に勉強を続けることが必須といっても過言ではありません。

勉強の習慣がない人は、勉強をしている人と比べると以下のようなリスクにさらされる可能性が高くなります。

・自分の市場価値を高めることができず、よい職に就けない
終身雇用制度が崩壊して雇用の流動性が高まったことで、今や転職は私たちにとってかなり身近な存在となりました。

最初に入社した会社に一生勤め続けられるという保証はもはやありません。これからは複数の会社を渡り歩くことを前提としたキャリアプランが必要です。

日々勉強をして自身の知識やスキルを磨いている人は労働市場での価値が高まり、選べる仕事の幅が広がりますが、勉強の習慣がない人は選択肢が制限されてしまいます。

・収入が伸び悩む
たとえ今すぐ転職する予定はなく、同じ会社で働き続けられたとしても、勉強をしている人としていない人では収入の伸び率に大きな変化が出てきます。

かつては「年功序列」で決まっていた会社の評価も、個人のスキルや能力を重視する方向に変わってきました。

入社してから知識のアップデートがない人と、様々なことを吸収して幅広い知識とスキルを身に付けている人では、人事評価でどちらが高く評価され、多くの報酬をもらえるかは明らかでしょう。

・時代の変化についていけなくなる
「人生100年時代」という言葉を聞くようになって久しいですが、人の平均寿命は延び続けています。

2007年生まれの50％は100歳を超えて生きるようになる、という説を唱える学者もいます。特に日本は世界的にも超長寿化社会であり、人生100年時代が世界に先駆けて訪れる可能性があるのです。

この超長寿化社会において「学生の時にしか勉強をしていなかった」場合、時代の変化についていけなくなってしまいます。

今は役に立っている知識でも、数十年先の未来にそれが役に立つという保証はありません。意識して知識のアップデートを重ねていかないと、「自分の知っていることは時代遅れ」という事態にもなりかねません。

では、具体的に社会人は何を勉強すればよいのでしょうか。おすすめの勉強は以下の2つです。

・語学

社会人の勉強として最もポピュラーなものが語学勉強です。特に世界的に使用している人口の多い英語や中国語などは、スキルを活用できるシーンが多いため人気の言語となっています。

海外の企業と頻繁にやり取りをするようなグローバル企業に勤めるのであれば、必須のスキルと言えるでしょう。またビジネス会話レベルでやり取りができる人は希少性が高いので、企業では重宝されます。

・ITスキル
もはやコンピュータシステムを使用していない企業はありません。つまり、パソコンやネットワークといったITの知識はあらゆる業種、業界で活かせるチャンスがある、コストパフォーマンスの高いスキルなのです。

また日本は国の政策としてデジタル改革を進めているところですが、IT・ウェブ業界は慢性的に人手不足が続いている状態です。今後もIT人材に対する需要はますます高まっていくことが予想されますので、スキルさえ身に付ければ仕事には困らなくなるでしょう。

毎日仕事に追われて忙しい社会人にとって、勉強時間を確保することはなかなか難しいものです。学生時代は学校に通って勉強をすることが本分であったため、勉強をする環境や仕組みが整えられていました。

社会人の勉強は、学生時代と全く同じというわけにはいきません。後回しにしたり、途中でやめてしまったりといったことを防ぐには、すこし工夫が必要になります。

・まず先にスケジュールを確保してしまう
「毎朝の出勤前30分」「毎週日曜日の午前中」というように、勉強をする曜日や時間を先に決めて、スケジュールを確保してしまいましょう。

時間が空いたらやろう、という意識では、まず手を着けることはできません。スケジュールを確保するということは、優先順位を上げるということです。その予定は何が何でも譲らないという強い決意をまずはしっかり持ちましょう。

・自宅以外で勉強する

自宅には、テレビや漫画など何かと誘惑が多いもの。できるだけそういったものから離れて、集中できる環境で勉強しましょう。

おすすめは「仕事が終わって家に帰る前に、カフェに寄って勉強する」ことです。実はカフェは適度な雑音と適度な空調、適度に広い空間といった、集中力を保つのにもってこいの場所です。疲れてきたらコーヒーや食べ物で休憩もできます。

また、仕事から家に直接帰ってしまうと、家で一息ついた瞬間に脳はリラックスモードになってしまいます。一度切れてしまったスイッチを再びオンにするのはなかなか難しいものです。「家で勉強しようと思ったけど疲れたのでやっぱりやめた」と先延ばしにしてしまった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

帰宅途中のカフェでならば、脳のスイッチが完全にオフになる前に勉強に取り組めるでしょう。