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就職氷河期世代が貧困に陥らないためには?その世代の負債額の実態と救済について
コロナ禍で失業者や収入が減った人が増えている今、就職氷河期世代の人たちは再び苦しい状況を迎えています。この記事では、就職氷河期世代の実態と貧困に陥らないためにしておきたいことについて考えていきます。
就職氷河期世代とは
就職氷河期世代とは、1993年から2005年に卒業し、就職活動を行った世代のことです。現在、概ね30代後半~40代の世代が就職氷河期世代にあたります。
就職氷河期世代の人たちは、バブル崩壊を受けた厳しい経済状況の中で就職活動を強いられました。当時は有効求人倍率が1を割り、就職するのが非常に難しい状況でした。その結果、未就職や希望しない職種・企業への就職、非正規雇用などの不安定な就業を余儀なくされた人が多く生まれてしまったのです。
就職氷河期世代の現状
就職氷河期世代の人たちは、就職氷河期が終わった後も苦しい就職状況が続いています。その理由のひとつが、日本企業の新卒至上主義です。特に大手企業は新卒採用を重視しており、既卒の入社は新卒に比べてハードルが高くなる傾向があります。
そのため、新卒時に正社員として入社できず、アルバイトや派遣社員などの非正規雇用で働くことを余儀なくされた就職氷河期世代の人たちは、今でも正社員になれず苦しい思いをしていることも少なくありません。
また、就職氷河期に正社員として入社できた人であっても、新卒時に希望しない職種や企業での就職を余儀なくされたため、早期の離職で企業に求められるスキルが身に付けられていないという課題もあります。
内閣府の「就職氷河期世代支援プログラム関連参考資料」によると、就職氷河期世代の中心となる35〜44歳の人(2018年時点)のうち、「正規雇用を希望していながら実際は非正規雇用として働いている人」が50万人にも至り、この世代の非正規職員・従業員全体の約7分の1の割合を占めています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で失業者が増えている現在、就職氷河期世代の人たちはさらに苦しい状況に陥っていることでしょう。
就職氷河期世代支援プログラム
就職氷河期世代の問題に取り組む政策として、政府は2019年6月11日に「就職氷河期世代支援プログラム」を発表しました。就職氷河期世代が抱える固有の問題や人材ニーズを踏まえた上で、個々の状況に応じた支援に取り組むプログラムです。
支援対象となるのは、以下のような人たちで合計して100万人程度になるものと見込んでいます。
・正規雇用を希望していながら非正規雇用で働く人
・就業を希望しているものの個々の事情により求職活動をしていない長期無業者
・社会参加に向けてより丁寧な支援を必要とする人(いわゆる「ひきこもり」)
現在働いていないかアルバイトや派遣として働いている人の正規雇用者を、3年間で30万人増やすという目標を掲げています。
このプログラムの具体的な支援を知りたい方は、厚生労働省の特設サイトをチェックしてみてください。
負債額の実態
就職氷河期世代の就職困難のため、貧困に陥ってしまうというケースも少なくありません。総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)」より、世代ごとの負債額を見ていきましょう。
負債額の平均 570万円
・~29歳 877万円
・30~39歳 1,395万円
・40~49歳 1,124万円
・50~59歳 652万円
・60~69歳 259万円
・70歳~ 70万円
住宅・土地以外の負債額の平均 36万円
・~29歳 39万円
・30~39歳 38万円
・40~49歳 50万円
・50~59歳 45万円
・60~69歳 46万円
・70歳~ 14万円
子育て世代で、子どもの教育費や住宅ローンなどの負担があることも関係していると思われますが、就職氷河期世代はほかの世代に比べて負債額の多いことが分かるでしょう。
貧困に陥らないためにできること
就職氷河期世代にあたる30代後半~40代の世代の人たちは、子育て世代でありながら、老後に向けての準備を進めていかなければならない世代でもあります。多くのお金が必要になる人たちが貧困に陥らないためには、とにかく収入の確保が必要不可欠です。
資格取得により自分のスキルを磨いていけば、収入アップが期待できます。副業OKの会社に勤めているのであれば、Wワークにより複数の収入を確保しつつ、新たな職種にチャレンジしてみてもいいでしょう。転職を検討している方は、ハローワークが求職者向けに実施しているハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)を受けてみるのもいいかもしれません。
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