桜を見る会とは。問題とされていることが何なのかわかりやすく解説

リリース日:2021/03/09 更新日:2024/11/07

だれがだれにいくらお金を支払ったのかが、ひとつの焦点になった「桜を見る会」問題。これを機に、取引の記録が改ざんされないブロックチェーン技術に注目が集まるかもしれません。この記事では、桜を見る会問題の論点を詳述します。

  1. 「桜を見る会」とはどんな会?
  2. 桜を見る会で問題とされていることとは
  3. 支払ったのか支払っていないのか。領収書問題
  4. お金の流れが履歴で追えると起こらなくなる現代の問題

「桜を見る会」とはどんな会?

「桜を見る会」とはどんな会?

桜を見る会は、総理大臣が主催する公的行事。1952年から2019年までの間、阪神・淡路大震災があった1995年や東日本大震災が起こった2011年などを除き、毎年4月の中旬に開かれてきました。ヤエザクラがちょうど見ごろとなる時期です。桜を見る会が開催される場所は、新宿御苑。日本さくら名所100選に入っている桜の名所です。

 

桜を見る会が始まったのは1952年ですが、その前身となる「観桜会」は明治時代からありました。当初は国際親善を目的とする皇室主催の行事でした。現在の桜を見る会の目的は、「各界において功績、功労のあった方々を招き日頃の労苦を慰労するため」となっています。皇族、元皇族、各国大使、国会両院の議長・副議長、最高裁判所長官、国務大臣、都道府県の知事、各界の代表者など、約1万人が招待されます。

 

しかし2019年に「桜を見る会問題」が起こり、2020年度の開催中止が発表されました。さらに菅首相は、2021年以降の桜を見る会についても、中止することを表明しています。

桜を見る会で問題とされていることとは

桜を見る会で問題とされていることとは

2019年5月に「桜を見る会問題」が表面化しました。第2次安倍政権での桜を見る会の開催にいくつかの問題があると指摘され、国会で与野党による真相究明が始まります。

 

ひとつは、どんな人を招待したかという問題です。桜を見る会には、「各界で功労・功績のあった方々を慰労する」という趣旨があります。しかし首相や首相夫人、自民党関係者、自民党議員などが招待枠を持っていたのではないかという指摘がありました。政治家が支援者を招待していたのではないかということです。野党は、公職選挙法違反の疑いがあるとしています。

 

また出席者の数と支出額が年々増え続けたことを問題視する向きもありました。以前は1万人ほどだった出席者の数が2019年には1万8,000人に増え、支出の額も当初予算の3倍になったことが明らかになっています。

 

記録の管理についても問題になりました。野党議員が招待客名簿の開示を要求したところ、名簿が1時間後にシュレッダーにかけられてしまうという出来事が起こっています。公文書が失われると、問題の検証ができなくなるということになります。

支払ったのか支払っていないのか。領収書問題

支払ったのか支払っていないのか。領収書問題

2013年から2019年には、桜を見る会前夜祭が行われていました。安倍晋三後援会の主催により、ホテルニューオータニやANAインターコンチネンタルホテル東京で夕食会を開催するというものです。ここで問題となったのが、誰がホテル側にお金を支払ったのかという点。参加者個人が支払ったのか、後援会が支払ったのかということです。後援会が支払ったのであれば、政治資金規正法に抵触する可能性があると指摘されています。

 

そこで注目されたのが、領収書の存在です。野党側の追及に対して当時の安倍総理は「安倍事務所職員が1人5,000円を集め、ホテル名義の領収書をその場で手交した」と述べる一方で、ホテル側は「数百人規模のパーティーで、代金を参加者1人ひとりからホテルが受け取ることはない」と回答するなど、明確な答えが出ない状況になりました。公文書や領収書といった記録が、問題を検証するうえで重要な存在だということがわかります。

お金の流れが履歴で追えると起こらなくなる現代の問題

お金の流れが履歴で追えると起こらなくなる現代の問題

こうした取引の履歴を保持するという課題については、新しいテクノロジーが登場しています。それがビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)に応用されている「ブロックチェーン」という技術です。ビットコインでは、どのアドレスからどのアドレスにいくら送金されたのかが記録されていきます。取引の記録は改ざんが難しく、その内容はだれでも見ることができます。さまざまな情報をブロックチェーンに記録すれば、公文書や領収書のような問題も解決できるかもしれません。

ブロックチェーンは今、多くの問題を解決する手段として期待されています。たとえば穀物や鉱物といった資源の取引。国際的な取引においては、紛争地域への資金供給など、望ましくない資源の取引が起こり得ます。ブロックチェーンで供給ルートを記録することが、抑止力として働く可能性があるでしょう。また消費者にしてみれば、製品がどこで作られどのように流通してきたのかは気になるポイントです。取引のプロセスが記録されることで、安全性を確認できるようになるでしょう。

 

ブロックチェーンのように、履歴を変えることができない仕組みが浸透すれば、桜を見る会問題のような疑惑もなくなるかもしれません。これからはブロックチェーンを使ったビットコインなどの暗号資産が、社会を変える手段としてさらに注目を集める可能性があります。楽天でビットコインを購入できるのが「楽天ウォレット」のサービス。楽天ポイントを暗号資産に交換することも可能です。最低100ポイントから交換できるので、手軽に「暗号資産デビュー」できるでしょう。

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黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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