通称「カジノ法案」統合型リゾート(IR)整備推進法案とは簡単にいうと何?

リリース日:2020/02/04 更新日:2024/11/05

IR(統合型リゾート)推進法が成立し、カジノ施設を含むIRが建設されることになりました。IR建設の候補地と日程、世界のIR事情に加え、ギャンブル依存症・マネーロンダリングといった問題点についても解説します。

通称「カジノ法案」統合型リゾート(IR)整備推進法案とは簡単にいうと何?
  1. 統合型リゾート(IR)整備推進法案、通称「カジノ法案」とは
  2. 他国のIRはどんな場所にあってどんな特徴があるの?
  3. カジノができると日本が受けるメリット・デメリット

統合型リゾート(IR)整備推進法案、通称「カジノ法案」とは

統合型リゾート(IR)整備推進法案、通称「カジノ法案」とは

近年シンガポールや韓国、オーストラリアのように、統合型リゾート(IR)を整備することで、多くの観光客を呼び込む例が増えてきています。日本でも、訪日外国人観光客(インバウンド)を拡大する政策の一環として、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」が2016年12月に成立しました。IRやカジノに関する内容を含むため、「IR推進法」「カジノ法」などと呼ばれることもありますが、IRの整備により地域経済を振興することや、カジノを適切に管理していくことなどを定めた法律です。

統合型リゾート(IR)というと、カジノばかりが注目されがちですが、カジノ以外にも、ホテルやショッピングモール、MICE(マイス)などが集まる複合観光集客施設がIRです。MICEは、国際会議や見本市などビジネスイベントの会場となる場所。観光だけでなくビジネス関連の集客も見込める要素となっています。

具体的なIRの整備や運営のルールなどは、2018年7月に成立した「IR実施法」に定められています。それによれば、IRを整備するのは当面の間、全国で3カ所。実際に開業するのは2020年代の半ばころになりそうです。今後、「カジノ管理委員会」が発足し、IR候補地の正式決定、IR事業者の選定といった作業に取り組むことになります。

現時点でIR建設の候補地となっているのは、東京のお台場・千葉県幕張・神奈川県横浜・愛知県名古屋・愛知県常滑・大阪の夢洲・長崎のハウステンボス・和歌山県マリーナシティなど。北海道は2019年11月に、IR誘致を見送る方針を決めました。自治体によるIRの申請は、2021年1月4日~7月30日に行われ、2022年ごろに建設地が正式決定する予定となっています。

他国のIRはどんな場所にあってどんな特徴があるの?

他国のIRはどんな場所にあってどんな特徴があるの?

それでは世界各地にどんなIR施設があるのか、カジノ解禁の歴史と共にみていきたいと思います。

カジノといえばまず思い起こすのが、アメリカのラスベガス。代表的なIRとしてはMGMグランドがあります。収容人数17,157名の「MGMグランド・ガーデン・アリーナ」は、ボクシングの世界タイトルマッチが行われることで有名です。日本政府の資料によれば、ラスベガスがあるネバダ州で賭博が合法化されたのは1869年のことです。1970年代の後半から1980年にかけて、業界の健全化をすすめ、現在のようなリゾート施設が立ち並ぶ都市へと発展しました。

シンガポールには、マリーナベイ・サンズというIRがあります。開業は2010年。3棟あるホテルの屋上をつないだ、1ヘクタールの空中庭園「サンズ・スカイパーク」が有名です。150メートルある「インフィニティプール」は、地上200メートルに設置された屋外プールです。シンガポールでカジノが解禁されたのは、2005年。リゾート・ワールド・セントーサというIR施設も2010年に開業しています。

韓国では1967年に、初めて外国人専用のカジノが開設されました。現在では、ソウルや済州島など17カ所に設置されています。このうち韓国人が入れるカジノは1カ所。2000年に開業した江原ランドです。

ところでカジノで行われているゲームには、どのようなものがあるかご存じでしょうか。ルーレットやブラックジャックは、よく知られているかもしれません。ルーレットでは、数字や色で区別された37または38の目を予想します。カードの合計数が21に近くなるように、ディーラーとプレイヤーが勝負するのがブラックジャックです。バンカーとプレイヤー、どちらが勝つのか予想するのが「バカラ」と呼ばれるゲーム。ほかにも3つのサイコロ合計や組み合わせなどを予想する「大小(だいしょう)」などがあります。

カジノができると日本が受けるメリット・デメリット

カジノができると日本が受けるメリット・デメリット

カジノが日本にできると、心配な点もありますが良いこともあります。懸念される問題点については、対策が採られることになるでしょう。

まず期待できるのは、経済への好影響。カジノを含むIRを整備することで観光客が増えれば、経済効果が見込まれます。道路や交通機関といったインフラ整備も必要となり、地域経済に好影響を与えるでしょう。カジノのディーラーをはじめ、ホテルやショッピングセンターなどでの雇用が増えることも期待されています。

一方で心配なのが、ギャンブル依存症の増加。カジノには外国人観光客だけでなく、日本人も入ることができます。この点に関しては、様々な対策が用意されているようです。例えば入場料の徴収。日本人の利用に関しては、6,000円の入場料を設定します。また、マイナンバーの提示により利用回数を把握し、週3回・月10回までという制限も設けることになっています。

またカジノでよく問題になるのは、犯罪で得たお金を正常な取引で得たお金に換える、いわゆるマネーロンダリングに利用されることです。例えばカジノで不正なお金とチップを交換し、その後チップを現金に換えます。またディーラーと共謀し、一時的に負けてお金を使い、その後ゲームで買ったお金として再度受け取るといった手口もあるようです。対策としては、反社会勢力を排除するために事業者・従業員・利用者をチェックするだけでなく、ゲームの不正監視やチップの管理をするなど、IR先進国の経験を参考に講じていくことが議論されています。

カジノやIRに関しては、今のところ2022年ごろに候補地が選定される予定です。実際の開業は2020年代半ばになるとみられています。世界のIRの成功例をみると、日本の施設にも期待できそうです。カジノを体験してみたいという方は、今からゲームの研究をしておくと良いかもしれません。もちろん自分や周囲の人たちが依存症にならないよう、知識を身につけておくことも必要となるでしょう。

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また、IR推進法の成立により、カジノ関連銘柄の株に注目が集まりました。世の中の変化やトレンドをキャッチして株式投資をしてみるのも良いかもしれません。楽天証券では新規デビューキャンペーンも実施しているので詳細をチェックしてみても良いでしょう。

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黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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