暗号通貨
事実婚のメリット・デメリットとは?手続き方法も
人生の大きなイベントのひとつといえば結婚ですが、婚姻届を出さない事実婚という選択肢もあります。ここでは事実婚の意味や同棲との違い、そのメリット・デメリット、また手続きの仕方などについて紹介します。
事実婚とは?同棲との違いとは?
まずは事実婚の意味や仕組み、同棲との違いについてみてみましょう。
・事実婚とは
事実婚とは、婚姻届を提出していないが、社会的には夫婦といえる状態を指します。一部法的にも夫婦と同じ権利・制度を利用できるのが、大きな特徴です。事実婚を証明するためには役所に届け出をし、必要に応じて公正証書を作成します。
住民票は、自治体に対して住所や同居人(家族構成)を公的に登録する書類です。夫婦として同居している事実を登録することで事実婚の状態になります。登録上、一人は世帯主となりますが、もう一人の続柄(世帯主との関係性を示すもの)の項目に夫もしくは妻(未届)と届け出することで事実婚になります。未届とは婚姻届を出していないという意味です。
公正証書は公証人が作成する書類で、これがあれば各種手続きをスムーズに進めることが可能です。公正証書を作成してもらうには事実婚を証明できる住民票などが必要になります。
・同棲との違いは公的な証明があるか
事実婚と同棲の違いは、一緒に生活していることを公的な書類で証明できるかどうかです。単に同居しているという事実を表す同棲とは違い、事実婚は住民票などで公的に夫婦としての同居を証明できる状態をいいます。
事実婚のメリット・デメリット
事実婚は、公的に婚姻の意思を示すことができるだけなく、法的にも権利を得られるのが特徴です。ただ、婚姻届を提出した夫婦と完全に同じように扱われるわけではありません。事実婚のメリットとデメリットを確認しましょう。
【メリット】
・名字の変更義務がない
事実婚のメリットの1つは、婚姻関係と違い名字の変更はしなくてよい点です。結婚して名字が変わると、免許証やパスポートなど、多数の公的書類を変更する必要があります。そのような煩瑣(はんさ)な手続きを避けるために事実婚を選択する人もいるでしょう。
また、夫婦別姓にしたいが、法律で認められていないため結婚をためらっているケースもあるでしょう。事実婚の場合は名字の変更義務がないので、事務手続きの手間もありません。夫婦別姓という考え方も変えることなく、共に生活できます。
・法的な制度を受けられる
事実婚は単なる同棲と違い、いくつかの点で婚姻関係と同等に扱われます。例えば、国民年金の第三号被保険者になることも可能です。第三号被保険者とは、会社員や公務員(第二号被保険者)に扶養されている20歳以上60歳未満の主婦・主夫のことで、保険料の納付義務がないのが特徴です。扶養されている人の年収が130万円未満など、いくつかの条件をクリアしていると第三号被保険者として加入できます。不妊治療費助成に関しては多くの自治体で事実婚夫婦が対象とされておらず、今後の改善が期待されています。
・関係がなくなっても戸籍に影響がない
事実婚は法的な手続きを踏まずに行うことができるため、その分戸籍には事実婚の履歴が残らず関係解消された後の再婚などにも影響が出ないという点も一つメリットとしては挙げられます。
【デメリット】
・税に関する一部制度を受けられない
事実婚のデメリットは、婚姻関係にある夫婦が受けられる税の控除を受けられない点です。2019年時点では、税法上事実婚を夫婦とは認めていないため、配偶者控除や相続税の控除などを受けることはできません。
・配偶者の遺産相続権がない
事実婚は遺産相続についても、一部デメリットがあります。法律の規定で、配偶者は婚姻関係がなければ遺産相続権がありません。財産を配偶者に渡したい場合は、生前贈与を選択するか遺言書の作成で対策を講じる必要があります。こんなときはどうするの?という疑問は、楽天保険の総合窓口からもご確認いただけます。
ただし配偶者が亡くなって法定相続人がいない場合は、生計を共にしていた事実婚の配偶者が「特別縁故者」であることを証明して遺産相続できることがあります。
パートナーシップ制度とは?
パートナーシップ制度は事実婚の異性間カップル、同性婚カップルを対象としたそれぞれの自治体が持つ制度。内容自体は各自治体によって異なっており、また2019年7月時点で24自治体のみが採用している制度です。しかし、自治体に依存した制度のため、引っ越し他場合には制度の対象外となってしまうことが問題点になります。また、法的な効力を一切持たず、不動産の手続きが円滑になるなどの最低限の保障がなされます。
子どもができた場合はどうなるの?
事実婚で分かりにくいポイントといえば、子どもができた場合の法的な手続きや権利です。入籍している夫婦の間に生まれた子どもの場合は、両親に親権があります。しかし事実婚の親の元で生まれた子どもの親権は母親のみに与えられ、名字も母親のものを名乗ります。出生した時点では、法的に父親との親子関係がありません。
父親と子どもの親子関係を法的に認めてもらうためには、認知手続きをします。認知手続きは、父親が認知届を提出することで完了します。父親または子どもの本籍地か住所がある役所で、認知届・父親の戸籍謄本・父親の本人確認書類・印鑑・承諾書を提出するだけです。
事実婚の手続き方法
事実婚を選ぶ場合は同居し、上述したように住民票の続柄を変更します。役所では以下のとおり変更届を提出します。ほかに必要な書類は本人確認書類とマイナンバーカード、印鑑です。
・すでに同棲している場合
世帯変更届を提出することで続柄の変更ができます。
・現在は別々に住んでいる場合
両者またはどちらか一方の転入届を出すときに、続柄も同時に変更します。
各種手続きをするとき、公正証書があればより便利です。最寄りの行政書士事務所に相談し、内縁関係契約書や事実婚契約書(事実婚であることを示す証明書のようなもの)の作成を依頼します。これらの契約書を公証役場で公正証書にするのが一般的な手順です。
事実婚は住民票の続柄変更手続きだけでできます。それだけで婚姻届を出した夫婦が得られる制度を一部利用できるので検討してみる価値はあるでしょう。最終的には、法的な制度や税法上の取り扱い、親権などを総合的に考えて選択してください。
|
|
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。