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私立高校授業料は無償化される? 詳しい内容と注意点をチェック
2020年4月から私立高校の授業料が実質無償化されると言われていますが、世帯の所得や高校の授業料によっては無料にならないこともあります。高等学校等就学支援金制度の内容や、注意点を詳しく解説します。
高校無償化とはどんな制度?
高校無償化と深い関係があるのは国の高等学校等就学支援金制度です。所得に応じて支援金が支給されるため、保護者が負担する授業料が減ります。対象となるのは国公私立の高等学校(全日制、定時制、通信制)をはじめ、中等教育学校後期課程、特別支援学校の高等部、高等専門学校(1~3学年)、専修学校(高等課程)、その他要件を満たす学校に在籍する生徒。年齢制限はありませんが、支給期間は36カ月(定時制・通信制は48カ月)と決まっています。
このお金は国から都道府県を通じて学校に支払われ、授業料に充てられます。申し込みも学校を通じて行うため、個人が単独で手続きをしたり、お金を受け取ったりすることはありません。手続きには高校から配布された申請書と、課税証明書あるいはマイナンバーカードの写し等が必要です。
・現行制度の支給額
就学支援金には世帯の年収に応じた上限があります。2019年11月現在、現行の制度での支給限度額は、全日制の高校で、国立は9,600円(年11万5,200円)、公立と私立は9,900円(年11万8,800円)です。
ただしこれには所得要件があり、年収目安910万円を超える世帯(厳密には、市町村民税所得割額と道府県民税所得割額の合算額が50万7,000円以上の世帯)は受け取れません。
私立高校については、所得に応じた加算があります。
○目安年収270万円未満 年額29万7,000円(2.5倍加算)
○目安年収270万円~350万円未満 年額23万7,600円(2.0倍加算)
○目安年収350万円~590万円未満 年額17万8,200円(1.5倍加算)
収入状況の確認は毎年度行われます。1年生は4月と7月の2回、2年生と3年生は7月の1回です。住民税額は毎年6月頃に決まるため、最新の状況で判定されます。
・私立高校の無償化って?
現行の制度で国公立高校の授業料は実質無料でしたが、私立高校はもともと授業料が高く、差額を保護者が負担する必要がありました。2020年からは上限額が引き上げられるため、所得制限を満たす家庭では実質無料と言われています。これは2020年4月に入学した生徒だけでなく、すでに2年生、3年生である在校生も対象です。
・自治体によって異なる?
自分が住んでいる場所はすでに私立高校も無料だという方もいるかもしれません。それは自治体が独自に行っている制度です。もらえる金額や所得制限は自治体ごとに異なり、一概に無料になるわけではありません。東京都は2020年1月10日、私立高校授業料の実質無償化制度の拡充を決定。都議会の承認後、年収目安910万円未満の世帯に対し国の就学支援金と合わせて年46万1,000円の助成が行われる予定です。
全員ではない!?高校授業料無償化にならないケース
2020年4月からは就学支援金の上限額が引き上げられますが、すべての生徒の授業料が無料になるわけではありません。
・保護者の年収
上限額が引き上げられるのは、年収目安が約590万円未満の世帯に限られます。「年収目安」となっているのは、保護者の課税所得をもとに判定されるからです。これは両親、高校生、中学生の4人家族で、両親の一方が働いている家庭をイメージしたもの。扶養家族の人数や控除の有無によって、590万円のラインは変わってきます。
年収目安が590万円~910万円の世帯はこれまでと同じく、年間11万8,800円が支給されます。年収目安910万円を超えると支給されません。
・高校の授業料
引き上げられる支給上限額は「私立高校の平均授業料を勘案した水準」です。つまり、平均授業料よりも高い授業料を支払っている私立高校については、その差額を引き続き負担する必要があります。なお、平均授業料より低い私立高校の場合は授業料が上限となるため、上回った分のお金がもらえるわけではありません。
授業料以外の費用は?
高等学校等就学支援金制度の対象になるのは授業料のみです。教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、PTA会費、修学旅行費といった、授業料以外は含まれません。授業料以外の教育費に対しては、高校生等奨学給付金という制度があります。
全日制の高校では以下の金額が補助されます。これらは国の基準で、都道府県によっては独自の給付を行っているところもあります。
生活保護受給世帯
・国公立 年3万2,300円
・私立 年5万2,600円
住民税非課税世帯(第一子)
・国公立 年8万2,700円
・私立 年9万8,500円
住民税非課税世帯(第二子)
・国公立 年12万9,700円
・私立 年13万8,000円
高校入学に向けた備えが重要
以上、高校無償化について解説しました。授業料が無償になっても、教科書代や学用品代などがかかるため、教育費が完全に無料になるわけではありません。特に入学時にはお金がかかります。入学時期に向けて学資保険や積み立てで備えておきたいところですね。
なお、制度は今後も変わっていく可能性があります。お子さんがいる家庭では、最新の情報をチェックしておきましょう。
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