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暖冬によるメリットとデメリット。2019年はどうなる?暖冬予報の確認
2019年は暖冬になると噂されています。その根拠はどのようなものでしょうか?暖冬になるメカニズムと長期予報の調べ方をご紹介します。また暖冬が経済活動にどのような影響をもたらすのかについても説明します。
「暖冬」とはどういう状態のこと?
今年は暖冬だった、冷夏だったと言うように、私たちは日常的に気候についての会話をしています。しかし、暖冬という言葉の意味を正確にご存知でしょうか。暖冬というのは、12月から2月の平均気温が平年よりも高い状態を指す表現です。ここで「平年」というのは、ここ30年間の統計をもとに計算された平均を意味しています。
また3カ月という期間で区切られるため、12月の時点ではまだ暖冬であると断定することはできません。暖冬というと厳しい寒さがない気候に思えるかもしれませんが、あくまでも平均での気温なので、12月、1月が暖かく2月から急に厳しい寒さに見舞われるといった場合も平均での気温が上回れば暖冬です。
また暖冬という区分の具体的な値は地域によって違います。北日本は平年並みでも、西日本では暖冬というように、地域差が生じることもあります。
2019年は暖冬になる?
2019年の冬が実際に暖冬になるかどうかを知るために、参考になるのが気象庁のサイトです。毎月25日頃に翌月から3カ月間の予報が更新されるので確認してみてください。12月から2月までの気候を予報する寒候期予報は、9月25日に3カ月予報と同時に発表されています。
気候を予測するための重要な指標がエルニーニョ現象です。エルニーニョ現象とは南米沖から日付変更線付近にかけて海面水温が平年より1~5℃高くなる状況が1年から1年半続く現象のこと。その反対に海面水温が平年より低くなる現象はラニーニャ現象と呼ばれますが、エルニーニョ現象とラニーニャ現象はそれぞれ数年おきに発生しています。
エルニーニョ現象になると地球全体の大気の流れが変わり、世界的な異常気象を引き起こすことがあります。日本でも梅雨入りと梅雨明けが遅くなり、夏の気温は低め、冬の気温は高めとなる傾向があるようです。
気象庁によるエルニーニョ監視速報によれば、2019年はエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態です。それは冬にかけて続くと見られています。ただし、気候に関しては急に変化することも珍しくありません。今までの気象予報でも暖冬と言われていたにもかかわらず、豪雪になったような例は少なくありません。油断することなく冬支度をしておきましょう。冬の天候予測は難しいため、レジャーなどの予定がある人は気象庁の発表などもこまめにチェックするようにおすすめします。
暖冬による大きなデメリットとは
暖冬というとさほど寒くないから嬉しいという感想を持つ人もいるかもしれません。しかし、それだけにはとどまらず、暖冬が経済面で影響を与えることもあります。
例えばレジャー産業は気候の影響を受けやすい業種です。暖冬で降雪量が少なくなると、自然雪のスキーやスノーボードは楽しめなくなるでしょう。気温が高くなることで雪は多くの水分を含み、ウィンタースポーツに向かない雪質になってしまうのです。
特に寒い地方の観光地はウィンタースポーツで観光客を呼び込みます。暖冬になればホテルや外食産業など観光地への影響は免れません。またウィンタースポーツの関連事業で、服飾業界にも響くでしょう。スキーウエアのほか、ダウンなどの売れ行きも下がってしまいます。
冬の寒さに影響されるのは人間だけではありません。育つはずの農作物が出荷前に育ちすぎてしまうこともあります。また逆に大豊作になった結果、市場取引価格が暴落すると農家にとっては大打撃になりかねません。甘さが売りの果物などは、冬にゆっくり休眠することでおいしく育つものもありますが、暖冬だとこのサイクルが崩れて糖度が下がったり、成長が悪くなったりと、品質面での影響が出ることもあるでしょう。暖冬の影響はレジャーから食卓にまで広く現れます。
暖冬と家計消費の関係とは
気象の変化は家計の消費にも影響します。過去の気象のデータと家計消費の関係を見ると、暖冬の年は家計消費が減少するケースが多いようです。例えば製薬会社やドラッグストア等は暖冬で業績が左右される業種です。また鍋など冬らしい食料品を提供しているスーパーや百貨店、暖房器具などを扱う家電量販店やホームセンターなども暖冬の影響を受けます。
2019年は世界の景気が停滞期に入るのではないかと不安視されるうえに、日本では消費税が10月から10%へ引き上げられました。政府は景気が落ち込まないような対策を取りますが、増税が個人消費減速を招くと予想する人は多いでしょう。これからの景気動向次第では個人消費の減退に暖冬が拍車をかける可能性もあります。個人消費の動向とそれに影響する産業の業績についてはまだまだ注目していく必要があるでしょう。気候も経済にとってはリスクのひとつです。
また、気候変動が株価に対してインパクトを与えることも少なくありません。楽天証券で注目企業の株をチェックしてみるのもいいですね。
暖冬の仕組みや普段の生活との関連を意識しながら気象情報に注目してみてください。
参考サイト
・気象庁|季節予報(12~2月) 2019.11.11
https://www.jma.go.jp/jp/longfcst/000_1_30.html
・気象庁|エルニーニョ監視速報 2019.11.11
https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/elnino/kanshi_joho/kanshi_joho1.html
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