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5Gとは、わかりやすく言うと何?簡単に解説する携帯第5世代
実用化が近づく5Gですが、一体どのようなものなのでしょうか。ここでは第1世代からの進化の歴史や、超高速・大容量通信・多数同時接続・超低遅延といった特徴、それにより実現するIoT・VR・自動運転などについて解説します。
5G=第5世代とはいったいどういうこと?
5Gとは英語で「5th Generation」、日本語では「第5世代移動通信システム」の略です。第5世代というだけあって、これまでに第1世代から第4世代までがありました。携帯電話の歴史を簡単に振り返ってみましょう。
日本で1Gのサービスが始まったのは、1979年のことでした。まだデジタルではなく、アナログの時代です。これは車載電話で、走行する自動車のなかから電話をかけられるというもの。同じ1Gで持ち歩くタイプの携帯電話が作られたのは、1985年です。重さが3kgあり、肩から掛けて持ち運ぶものでした。ちなみに持ち運べる電話が「携帯電話」として売られるようになったのは1987年から。重さは900gまで軽量化されています。
2Gからは通信方式がデジタル化されました。日本での導入は1990年代の半ばです。携帯電話で着メロが設定できるようになったのもこの頃。1999年からは、iモードのサービスが始まっています。メールの送受信やWebサイトの閲覧ができるようになりました。iモードについては、2020年の半ばには3Gとともにサービスが終了する予定です。
2000年代に入ると、携帯電話は3Gの時代になります。通信の高速化が進み、PC向けのサイトや動画もストレスなく利用できるようになりました。携帯電話とインターネットが融合した時代と言えるでしょう。
スマートフォンが登場したのは2007年。携帯電話に、iOSやAndroidといったOSが搭載されるようになります。3Gからさらに通信の高速化を実現した4Gは、 2010年代に始まりました。動画や音楽、フリマ、SNS、さらにはネット銀行、ネット証券での金融取引などさまざまなサービスをスマホで利用できる状況を実現しています。
通信システムについては、世代が進むごとにスピードアップしてきました。通信スピードはbps(ビットパーセカンド)という単位、つまり毎秒何ビットの情報を転送できるかで示されます。初めてデジタル化された2Gでは、28.8bps~2.4kbpsといった速さでした。現在の4Gでは50Mbps~1Gbps。そして次に始まる5G=第5世代では、1Gbps~50Gbpsの高速通信が実現すると言われています。
4Gとどのくらい何が変わるの?
4Gと5Gの違いは、速さだけではありません。5Gの特徴としては3つの性能が挙げられています。「超高速・大容量通信」と「多数同時接続」、そして「超低遅延」です。
「超高速・大容量通信」は通信の速さ。5Gの場合、理論値として20Gbpsとされています。これは4Gの100倍ほどの通信速度です。現在動画は高画質化が進んでおり、4Kや8Kといった高画質の動画も手軽に扱えるようになるでしょう。
「多数同時接続」は、ひとつの通信基地局により多くの端末が接続できるようになるというもの。従来の10倍~100倍の接続数が実現するとされています。基地局に接続するのは、スマホなどの携帯電話だけではありません。これからはIoTの時代です。家電や自動車、メーター、センサー、カメラなど多くのものが基地局に接続して通信を行います。充分な数の機器が使えることが必要になる今後、5Gの規格はIoTの実現に対応したものとなっているのです。
もうひとつの特徴が「超低遅延」。これはデータを要求してから、送られてくるまでの時間が短いということです。5Gにおいては、移動通信の遅延を1ミリ秒以下に短くします。1ミリ秒は、1,000分の1秒です。これは、たとえば自動運転技術などで重要になります。自動運転で走行中の自動車が、通信によって危険を察知する場合、遅延が短ければ素早くブレーキをかけられます。事故を防ぐのに役立つでしょう。
4Gから5Gへの進化は、上記3つの要素を実現します。これにより高画質動画やIoT、自動運転といった新しい技術が具体化するのです。
進化する可能性のある私たちの暮らし
身近なところでは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、5Gによる生活の変化を体験できるかもしれません。すでに5Gを利用したVR(仮想現実)ゴーグルによる、競技の観戦を体験できる施設もあります。たとえば卓球の場合、VRゴーグルを通して観戦することで、まるで卓球台のすぐ横で見ているような感覚が味わえるのです。
5Gが実現する自動運転やIoTは、農業などに役立つと言われています。多くのセンサーを配置して、農作物の生育状況などをデータ通信で集め分析できるためです。農薬を減らしたり、収穫量を増やしたりできるかもしれません。また自動運転によるドローンや農機具を使えば、人手不足の解消にもつながるでしょう。建設現場での活用も期待できそうです。
そのほか、現在使っているライブチャットも高品質になることが予想されています。仕事での会議や医療、学校といった場面で、より実用的なものに進化するでしょう。
このようにスマホなどの携帯電話は、通信速度が上がることでインターネットや動画を利用できるようになるといった進化を遂げてきました。今回の5G導入ではIoTや自動運転など、より広い範囲の機器が通信を行うことになります。普段の暮らしのなかでも、高画質のVRによるライブ鑑賞やスポーツ観戦など、5Gの普及でより楽しめるものが増えるでしょう。
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