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イカ|乱獲から守れ!栄養満点でおいしい未来の地球の覇者とは
近年、不漁が続くイカ。原因として乱獲や他国の違法操業が指摘されており、資源の枯渇や漁業の持続性が心配です。料理にもよく用いられる身近な食材ですが、今回は改めて抱えている問題や特徴についてご紹介します。
近年の「イカ不足」に鳴らされる警鐘
ここ数年、イカの不漁が心配される状況がつづいています。実際のデータを見ると、どれほど水揚げが減っているのか実感できるかもしれません。全国いか加工業協同組合のサイトで確認すると、2016年のイカ漁獲量は約11万トンでした。2000年には約62万トンだったので、6分の1ほどに減ったのが分かります。統計を見ると、ここ10年から20年での減少が深刻のようです。
イカという水産資源の減少には、どのような原因があるのでしょうか。一つには、漁業のあり方が指摘されています。漁業の技術は時代とともに発達します。はじめは技術の発展とともに漁獲量も増えるのですが、いつか卵を産んで魚が成長するよりも速いペースで魚を獲ってしまうという状況が訪れるのです。こうした乱獲が進むと漁業者の収入が減り、後継者も減ってしまいます。乱獲への対応としては、国レベルでの資源管理の強化が必要と言われています。
さらにイカ不足を加速させているのが中国や北朝鮮の漁船による違法操業です。日本海にはイカの漁場があり、能登半島の西方沖にある「大和堆(やまとたい)」や、北海道の西方沖に広がる「武蔵堆(むさしたい)」などが知られています。どちらも日本のEEZ(排他的経済水域)内にあり、そこでの操業には日本の許可が必要ですが、中国や北朝鮮の漁船が違法に侵入して、IUU漁業(違法・無報告・無規制で行われる漁業)するケースが後を絶ちません。海洋の環境を悪化させる要因であり、国による資源管理をより難しいものにしています。
日本近海にはどんなイカがいるの
このように乱獲による減少が心配されるイカですが、日本近海で獲れるイカにはどのような種類があるかご存じでしょうか。全体の漁獲量の約80%を占めるのはスルメイカです。日本海では、このほかに約100種類ものイカを獲ることができるそうです。大きく2つに分けると、石灰質の硬い甲羅を持つのが「コウイカ目」、透明で柔らかい甲羅を持つのは「ツツイカ目」と呼ばれています。
いくつか具体的な名前を挙げてみましょう。スルメイカのほかには、ヤリイカ、アオリイカ、ケンサキイカ、コウイカ、モンゴウイカ、ハリイカ、マツイカ、アカイカ、ホタルイカなどが有名です。イカが好きな方なら名前を聞いただけで、イメージが浮かぶのではないでしょうか。
漁獲量の80%を占めるスルメイカの漁期は、初夏にスタート。秋から冬にかけて本格化します。ワタが大きく、塩辛の材料としても最適なスルメイカは、東北・北海道地方では「まいか」、関西地方では「まつイカ」、九州地方では「とんきゅう」と呼ばれることもあるそうです。全国的になじみが深いのが分かります。
イカの栄養パワーやおいしい食べ合わせとは
イカの魅力と言えばその美味ですが、含まれる栄養も優れています。イカの栄養でまず注目したいのが、タンパク質。イカは9種類ある必須アミノ酸を多く含んでいます。また、食事の際には脂肪が気になるかもしれませんが、イカは低脂肪です。それだけでなくイカの脂肪はリン脂質であり、抗酸化作用があると言われています。さらに、イカにはビタミンD以外の全てのビタミンが含まれています。とくに多いのがナイアシン。ビタミンB3とも呼ばれる、循環系、消化系、神経系の働きを促進する栄養素です。
イカはさまざまな食べ方ができる食材です。たとえば焼きイカ。スルメイカを焼き、おろしたショウガを薬味にして食べます。煮物の場合だと、ジャガイモやサトイモなどと一緒に、しょう油や出汁で煮ることが多いかと思います。このほかにも、イカゲソのから揚げやイカリングフライなどはビールのおつまみとしてもおいしそうです。好きなイカ料理を思い浮かべると、よりイカの不漁が心配になってきます。
2億年後には地球を支配?イカのすごさ
イカに関しては、興味深い予測がなされています。2億年後の地球には、陸上生活するように進化したイカが、広く生息するというものです。スクイボンと呼ばれる進化したイカはテナガザルに近い習性を持ち、8本の足で枝から枝へ移動することになるのだそうです。この予測は、『フューチャー・イズ・ワイルド』というテレビ番組で紹介されました。2003年にイギリスで製作されたもので、多くの科学者へのインタビューをもとに、未来の地球に現れる進化した生物をCGで再現しています。この予測が実現するには、まずイカが現在の乱獲を乗り越える必要があるでしょう。
このように、身近な食材として親しんできたイカですが、最近では不漁がつづいています。国を挙げての資源管理や、他国による違法操業の取り締まりが必要だと考えられます。漁業が持続可能なものとなるような、環境づくりも大切です。イカに関して、私たちは消費者としての立場となることが多いと思いますが、問題意識を持ちつづけることで、課題解決へ向けた動きを応援したいものです。
参考サイト
・全国いか加工業協同組合|いか漁獲量 2019.9.20
http://www.zen-ika.com/ika/data_2_gyokaku.html
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