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ラグビーW杯の経済効果予想を分析!開催地それぞれの取り組み内容とは
全国12都市で試合が開催される、ワールドカップ日本2019。スポーツイベントで気になるのが、経済効果です。前回の実績と今大会の予測を分析します。また、釜石・大分・熊谷・大阪といった開催地での取り組みも紹介します。
大きな経済効果が期待されるラグビーW杯
・ラグビーW杯とは?
ラグビーワールドカップは、15人制ラグビーの世界王者決定戦です。1987年に第1回大会がオーストラリアとニュージーランドで開催されました。以降4年に1回行われ、今回で9回目となります。前回は2015年にイングランドで開催され、スタジアムを訪れたファンの数は約240万人、テレビ放映で観戦した人が40億人超という規模でした。ラグビーワールドカップは、夏季オリンピック・FIFAワールドカップと並び、世界3大スポーツイベントと呼ばれています。
・ラグビーW杯の経済効果
大きなイベントで話題となるのが経済効果です。経済効果は、ある産業に新たな需要が生まれると、関連する産業にも連鎖的な需要が発生することです。たとえば自動車の新たな需要が生まれると、関連する鉄鋼やタイヤなどの需要も生まれます。それによって働いている人の収入が増え、消費も増えるのです。
この直接効果と第1次波及効果・第2次波及効果の金額を合計したものが経済効果です。計算に使用する産業連関表は、国が5年に1度公表しています。では、ラグビーワールドカップのようなスポーツイベントに当てはめて考えてみましょう。
まず直接的な効果として挙げられるのが、スタジアムの建設費・観客の宿泊や飲食の費用・公式グッズの売り上げです。第1次波及効果としては、それらの生産に必要な素材への需要があるでしょう。さらに需要が増えた産業で雇用や収入が増えることで消費も増えるという、第2次波及効果があるというわけです。その金額の合計が、イベントの経済効果として公表されます。
ただし、だれが計算するかによって数字が上下するものでもあります。おおまかな目安としてみるのが良いでしょう。
2015イングランド大会の経済効果は?
それではラグビーワールドカップの前回大会、2015年イングランド大会の経済効果はどうだったのでしょうか。EY新日本有限責任監査法人が、開催後に分析を行っています。
2015年のイングランド大会は前述のとおり、スタジアムの観客動員が約240万人、テレビ観戦者数が40億人超というものでした。経済効果の総額は、約23億ポンド(約3,100億円)となっています。内訳は、直接効果が約8.5億ポンド(約1,200億円)・第1次波及効果が約6.5億ポンド(約900億円)・第2次波及効果が約7.5億ポンド(約1,000億円)です。
どのような需要があったのか、具体的に見ていきましょう。大会の開催によって生まれた直接の需要として、スタジアム改修・チケット収益・ 試合当日の飲食売り上げ・ファンゾーン・観光客による地元での消費拡大など挙げられました。このなかにあるファンゾーンとは、ラグビーワールドカップが開催される期間中に、各開催都市に設置されるイベントスペースのこと。パブリックビューイングや体験コーナー、飲食コーナーなどが設置されました。
ラグビーW杯2019の経済効果は?釜石・大分・熊谷・大阪など各地の取り組み
日本で行われるラグビーワールドカップ2019の経済効果については、2016年に日本政策投資銀行が推計を発表しています。今大会は全国の12会場で計48試合が行われる予定になっていて、来場者数は200万人を想定。直接効果が1,422億円、1次波及効果が528億円、2次波及効果が380億円。合計で2,330億円の経済効果が予測されています。
試合が行われる12都市は、北海道札幌市・岩手県釜石市・埼玉県熊谷市・東京都調布市・神奈川県横浜市・静岡県袋井市・愛知県豊田市・大阪府東大阪市・兵庫県神戸市・福岡県福岡市・熊本県熊本市・大分県大分市です。各地ではさまざまな取り組みが行われています。
・岩手県釜石市の場合
経済波及効果は83.2億円と試算されています。建設される釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムは、開催12都市のなかで唯一の新設です。また九州では3都市で試合が行われますが、その経済効果は350億円と試算されています。大分県の会場は、大分スポーツ公園総合競技場です。ワールドカップに向けて屋内スポーツ施設を建設し、活用する予定になっています。
・埼玉県熊谷市の場合
全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会が毎年春に行われています。強豪校もあり、ラグビータウンとしてまちづくりを推進している都市です。
・大阪府東大阪市の場合
花園ラグビー場で毎年冬に全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会が行われる、高校ラグビーの聖地です。ワールドカップ開催に向けては、大型ビジョンやナイター設備の設置、収容人数を増やす改修が行われています。
このように日本各地で、ラグビーワールドカップ2019開催に向けた取り組みが行われています。経済効果も試算されていますが、あくまでも試算です。試合を見に行ったり、ファンゾーンを訪れたり、関連グッズを購入したりと想定よりも多くの人が参加すれば、より大きな経済効果が期待できるでしょう。
参考サイト
・EY新日本有限責任監査法人|ラグビーワールドカップ2015の経済効果 2019.8.5
https://www.shinnihon.or.jp/shinnihon-library/publications/research/2016/pdf/2017-01-26.pdf
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