天皇即位記念硬貨の価格はいくら?発行の背景や交換・買取

リリース日:2019/07/10 更新日:2024/10/24

新天皇のご即位に伴って発行される、天皇陛下御即位記念貨幣。発行の背景や、デザイン・価格・入手方法について解説しています。また、記念硬貨を使う方法や、買取業者などで換金する場合の価格などについても確認できます。

天皇即位記念硬貨の価格はいくら?発行の背景や交換・買取

もくじ

・記念貨幣とは。作られるタイミングや、過去の記念貨幣について

・天皇即位記念硬貨が発行される経緯。一万円金貨幣・五百円バイカラー・クラッド貨幣の特徴は?

・「天皇即位記念金貨」買取価格はいくら?換金・買取の仕方は?

記念貨幣とは。作られるタイミングや、過去の記念貨幣について

記念貨幣とは。作られるタイミングや、過去の記念貨幣について

記念貨幣は国家的な出来事があった時に、それを記念するために発行されるものです。紙幣の場合は記念紙幣、硬貨の場合は記念硬貨や記念コインなどと呼ばれています。日本だけでなく世界各国で発行されています。世界初の記念貨幣を発行したのは、ローマ帝国。戦勝記念として発行されました。現在では王室における国王の即位や皇太子の婚儀、またオリンピックや万博の開催などを記念して発行されることが多いようです。

 

日本で初めて発行された記念貨幣は、1964年の東京オリンピックを記念したものでした。東京オリンピック記念千円銀貨と、東京オリンピック記念百円銀貨が登場しています。皇室関連では1986年(昭和61年)に、天皇陛下御在位六十年記念硬貨が発行されました。昭和天皇の在位60年を記念したものです。十万円金貨、一万円銀貨、五珀円白銅貨が発行されました。1991年(平成3年)には、天皇陛下御即位記念として十万円金貨と五百円白銅貨が発行されています。

天皇即位記念硬貨が発行される経緯。一万円金貨幣・五百円バイカラー・クラッド貨幣の特徴は?

天皇即位記念硬貨が発行される経緯。一万円金貨幣・五百円バイカラー・クラッド貨幣の特徴は?

今回の新天皇陛下ご即位においても、記念貨幣が発行されることになっています。記念貨幣の発行は閣議で決定され、令和元年5月10日に、官邸から決定が発表されました。同じ日に財務省のホームページでは、天皇陛下御即位記念貨幣についての報道発表が行われ、記念貨幣の概要や販売価格などの情報が公開されています。また、1年ほど前の平成30年5月30日に行われた会合では、天皇陛下御在位三十年と皇太子殿下の御即位にかかわる記念貨幣のデザインや価格・販売方法などについて、同時並行で話し合いがなされました。

 

財務省の発表から、天皇陛下御即位記念貨幣の特徴を知ることができます。発行される貨幣は2種類で、一万円金貨幣と、五百円バイカラー・クラッド貨幣です。一万円金貨幣のデザインは、表が鳳凰(ほうおう)と瑞雲(ずいうん)、裏が菊花紋章(きっかもんしょう)と梓(あずさ)とハマナスです。五百円バイカラー・クラッド貨幣では表が高御座(たかみくら)、裏が同じく菊花紋章と梓とハマナスとなっています。

 

ちなみに、裏面に描かれる菊花紋章は天皇および皇室を表す紋章で、菊の御紋とも呼ばれています。また、梓は天皇陛下のお印、ハマナスは皇后陛下のお印です。お印とは、皇族の方々が身の回りの品などに使用しているシンボルマークです。

 

また、一万円金貨幣の素材は純金20グラム。5万枚発行される予定となっています。五百円バイカラー・クラッド貨幣の素材は、ニッケル黄銅・白銅および銅で重さは7.1グラム。500万枚発行される予定です。

 

それでは価格や入手方法を見てみましょう。一万円金貨幣の販売価格は、14万555円(税込)。金融機関の窓口における引き換えは無く、独立行政法人造幣局から通信販売で入手することになります。申し込み受付期間は、令和元年7月11日から3週間程度で、10月以降の発送が予定されています。販売価格が額面価格を上回っているのが気になるかもしれません。これについては純金を使用するなど、貨幣の製造などに要する費用が額面価格を上回るプレミアム型の記念貨幣である、との説明がなされています。

 

一方の五百円バイカラー・クラッド貨幣は、金融機関の窓口で額面価格による引き換えが行われるようです。具体的な引き換えの方法については、令和元年9月頃、財務省から発表する予定となっています。一万円金貨幣と五百円バイカラー・クラッド貨幣、2点セットでの販売も行われ、造幣局での通信販売が窓口となっています。

「天皇即位記念金貨」買取価格はいくら?換金・買取の仕方は?

「天皇即位記念金貨」買取価格はいくら?換金・買取の仕方は?

記念硬貨を購入したあと気になるのが、買い物に使えるのか、いざというとき換金できるのかだと思います。財務省の説明によれば、「記念貨幣は、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律において、貨幣として定められている」とあります。通常の貨幣と同じように使うことが可能だということです。ただし、お店に断られたり自動販売機やATMといった機械が認識しなかったりなど、不便な点もあるようです。使用する場合は、銀行など金融機関の窓口で、通常の硬貨と引き換えておくのが良いでしょう。

 

また、記念硬貨は買取業者などに買い取ってもらうこともできます。購入した時の価格より、高い値段で換金できるかもしれません。買取業者のサイトをチェックすると、平成2年(1990年)に発行された天皇陛下御即位記念十万円金貨については、12万円で買取を行っているケースを見つけることができました。

 

金貨の買取価格は変動し、金の価格に影響を受けるようです。天皇陛下御即位記念十万円金貨は、30グラムの純金でできています。また金の価格については、さまざまな限月がありますが、東京商品取引所で1グラム当たり4,500円程度の値が付いているのを確認できます(2019年5月末時点)。金貨を購入した場合、金価格の値動きに注目するのも一つの楽しみになるかもしれません。

 

新しい天皇陛下のご即位は国家的なイベントです。それを記念して発行する天皇陛下御即位記念貨幣の材質やデザイン、価格や入手方法を知ることで、興味を持った方も多いでしょう。記念硬貨の素材となる金は市場において価格が変動し、資産形成の手段になるものです。資産としての金について、より深く学んでみるのも良いかもしれません。

参考サイト

・財務省|天皇陛下御即位記念貨幣を発行します 2019.7.8
https://www.mof.go.jp/currency/coin/commemorative_coin/emperors_enthronement/20190510.html

 

・財務省|過去に発行された記念貨幣は、現在でもお金として使えますか 2019.7.8
https://www.mof.go.jp/faq/currency/07ai.htm

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黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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