暗号通貨
岩倉具視はどんな功績を残して紙幣になったのか、風変わりなエピソードも紹介
幕末から明治にかけて活躍した、「明治維新の立役者」、岩倉具視をご存知でしょうか。具視と書いて「ともみ」と読む、少し珍しい名前を持つこの人物は、お札の肖像画になったこともある著名な人物なのです。
もくじ
・岩倉具視という人物
・岩倉具視の功績
・どの時期の紙幣だった?
・現在の価値
・岩倉具視と津田梅子の「画像反転」
岩倉具視という人物
岩倉具視は、朝廷に仕える公卿・堀河康親の次男として生まれ、13歳で岩倉家の養子になります。岩倉家も公卿でしたが、公卿の中ではそれほど身分は高くありませんでした。しかし、岩倉具視は朝廷にもどんどん意見を申し立て、臆することなく政治活動を行っていきます。
岩倉具視の初めての大きな活動は、日米修好通商条約調印を朝廷が求められたときでした。このとき、88人の公卿がこれに反対します。岩倉具視も日本に不利であるとして、反対運動を起こしました。朝廷はこれを受けて、幕府に対し条約締結の見直しを申し入れます。
ところがその後、大老井伊直弼は朝廷の許可を取ることなく、日米修好通商条約を結んでしまいます。これに反発した大名・志士などは、安政の大獄で投獄や処刑される事態に陥りました。岩倉具視はこのとき、朝廷と幕府の関係を平和的なものにするべく奔走しています。しかし、こうした動きが問題視され「幕府の味方である」と判断されてしまった岩倉具視は、その後、役割を解かれてしまいます。
しかし、表舞台にこそ出なかったものの、岩倉具視はその後も政治活動を続け倒幕へと動き出します。結果的には、徳川慶喜が大政奉還を行ったことで、武力行使で徳川慶喜を倒すことはありませんでした。しかし、大政奉還後、徳川の力を失墜させなければ完全な天皇主権は適わないと考えた岩倉具視は、王政復古の大号令を行いました。
新政府軍と旧幕府軍がぶつかった戊辰戦争でも勝利を収め、岩倉具視は明治政府の新しいリーダーとしての一歩を踏み出します。欧米への「岩倉使節団」の派遣や、韓国へ軍事圧力をかける「征韓論」の抑止、憲法制定のための準備など、その後も今の近代日本へ続くさまざまな政治的活動を精力的に行いました。
しかし憲法制定を見届けることなく、1883年、53歳のときに咽頭がんでこの世を去っています。
岩倉具視の功績
岩倉具視の功績は数多くありますが、その中でも特に有名なのが、「王政復古の大号令」と「岩倉使節団」でしょう。
岩倉具視は王政復古の大号令として、徳川幕府を廃絶し、公家社会をなくして新政府が樹立したことを宣言しました。これによって、徳川政府は名実ともに力を失うことになります。
一方の岩倉使節団とは、1871年から1873年の間に行われた欧米への視察で、不平等条約改正を目的としていました。岩倉視察団の参加者は、木戸孝允(桂小五郎)、大久保利通など、そうそうたるメンバーで、かつて紙幣に採用されていた伊藤博文や、2024年から新しい五千円札にデザインされる津田梅子も含まれていました。
どの時期の紙幣だった?
岩倉具視は、1951年から1994年まで、五百円札の肖像画として採用されていた人物です。五百円は現在では硬貨となっているため、紙幣での発行はされていません。また、五百円紙幣が発行をスタートしたのは1951年です。
つまり、岩倉具視は、五百円札の肖像画として採用された唯一の人物なのです。
現在の価値
岩倉具視の五百円札は、1951年から発行されました。このときの紙幣については額面通りの500円から5,000円程度での買取が期待できます。買取価格の違いは、紙幣の状態や発行されたタイミングによって生まれます。もっとも高いのが、新品のクリーム色がかった紙幣のうち、アルファベットが一桁のものです。
また、1969年からは、左側にすかしの空白部分が作られた新しいデザインの五百円札が発行されています。こちらについては、残念ながら額面通りの価値しかありません。とはいえ、キリ番やゾロ目、福耳エラーなどのエラーあり紙幣については、数万円の値段がつくものもあります。買取価格は紙幣の種類だけで簡単に決めることはできないため、気になる方は一度専門家に見てもらうといいでしょう。
なお、岩倉具視のデザインされた五百円札は、今でも通常通り、500円の価値がある紙幣としてお店などで使用することもできます。
とはいえ、高額買取が期待できなくても、ある程度珍しいものであることに変わりはありません。額面も500円とそれほど高額ではありませんから、手元にあるという人は、安易に使ってしまわずに取っておいてはいかがでしょうか。
岩倉具視と津田梅子の「画像反転」
2024年から新しく切り替わることになった津田梅子の五千円札について、「画像を反転している」ということが話題になっています。
しかし、画像の反転自体は初めてのことではなく、岩倉具視の五百円札についても左右が反転され、なおかつ服装まで変更されているのです。お札は写真をそのまま利用しているものではないため「問題ない」という声明が出されています。
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