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学童保育の最新情報と問題点。品質は大丈夫?指導員の資格緩和も
待機児童という言葉をニュースなどで目にすることは多いでしょう。また学童保育を取り巻く環境も変化しています。私たちはどのように対応すればいいのでしょうか。学童保育を取り巻く現状をまとめました。
もくじ
・「学童保育」とは
・学童保育も人手不足?
・品質の低下が懸念、指導員の基準緩和
「学童保育」とは
小学校低学年の子どもたちは早ければ午後2時くらいには帰宅します。しかし、ひとり親世帯や共働き世帯の中には、その時間に働いていて誰も子どもの面倒を見られないという家庭も多いでしょう。子どもだけでは防犯上の不安があるほか、火の元なども心配しなければいけません。そこで放課後の子どもたちを預かってくれるのが学童保育です。
学童保育は放課後クラブなどの名前で呼ばれることもありますが、正式名称は「放課後児童育成事業」。厚生労働省が管轄しています。学童保育では学校が終わった放課後から夕方5時、6時くらいまで子どもを預かってくれます。施設は学校の空き教室や公民館などさまざまです。
共働き家庭の増加によって学童保育の需要は高まる一方で、学童保育の定員には制限があります。学童に入りたくても入れない子ども、待機児童が取りざたされるニュースを目にしたことがある人もいるでしょう。
2018年5月時点で、定員オーバーなどのため学童保育を利用できなかった児童は過去最多の1万6,957人でした。東京都や千葉県などの首都圏では学童保育が不足しているため、待機児童の割合も高くなります。このような地域による格差も問題になっています。
学童保育も人手不足?
学童保育は2015年に始まった新しい制度によって、小学校4年生以上の高学年も利用できるようになりました。また各自治体も整備を進めて学童保育をより多くの児童が利用できるように態勢を整えています。しかし、学童保育の急速な需要増に対応し、受け入れ可能な児童数を増やすには、学童保育をおこなうための施設や人手が足りないという新たな問題も浮上してきました。
学童保育で親に代わって子どもを預かってくれるのが学童保育指導員です。指導員、学童の先生というような名称で呼ぶこともあるでしょう。以前は、学童保育指導員になるのに教職員免許といった公的な資格は必要ありませんでした。しかし2015年に「放課後児童支援員」の資格ができ、40人程度の児童に対して2人以上の指導員を置いて、うち1名は有資格者の支援員という基準が設けられました。
現在、放課後児童支援員の人材は多くの地域で不足しています。学童保育指導員の待遇の悪さも関係しています。学童保育指導員は子どもを預かる責任が重い仕事であり、同時に体力も必要です。安全衛生の知識やさまざまな問題を抱える子どもたちをケアするための専門知識も求められます。それにもかかわらず非正規雇用であったり、経験や知識が給与に反映されなかったりしているのが現状です。
不安定な雇用や待遇の悪さが原因で、学童保育指導員のなり手は足りていません。学童保育指導員は子どもたちの成長を支える専門性が高い仕事であるものの、それに見合った待遇が確保されず入れ替わりも頻発しています。
品質の低下が懸念、指導員の基準緩和
多くの待機児童を抱える中で、基準を満たす放課後児童支援員の確保が各自治体の課題となっています。人員確保が難しいため地域の裁量を求める声も上がっています。例えば、資格保持者を増やすための裁量です。
法律では「放課後児童支援員」の資格をとるためには、講習の受講が義務付けられていますが、この講習を受けることができるのは、教育・福祉関連の資格をすでに持っている人や、2年以上の児童福祉実務経験がある人です。国の指針は「2年以上」というのは2,000時間以上を意味するものとしています。
これを2年間1,000時間に緩和する提案が地方自治体から出されました。というのも、学童保育支援員の中には補助員として週3日4時間程度の勤務の職員も多く、2,000時間勤務するには4年ほどの時間がかかることもあるためです。基準を緩和することによって、より多くの有資格者を育成したいという地方からの声です。
もちろん、地方の裁量が認められるようになれば、必ずしもこのように支援員資格の間口を広める自治体ばかりになるとは限りません。より多くの経験を持った人だけを放課後児童支援員にして保育の質を高めるという考え方もあるでしょう。地方の対応が今後問われることになります。
子どもたちの安全を守るためにも保育の質を高めたいという声が上がるものの、現実的には難しいという現場の声もあり、現状では落としどころを探っているような状態です。将来的には自治体によって学童保育の質や利用しやすさに大きく差が生まれる可能性もあるでしょう。
まだ学童保育は必要でないという人も他人事ではありません。将来的に学童保育が必要になるのはいつなのか、自分が住んでいる自治体の待機児童の現状とそれに対してどのようなプランを策定しているのかを確認しておく必要があります。
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