失業保険は、会社で雇用保険に加入していた人が失業した際に受け取れるお金です。

失業保険の対象者は、1年以上雇用保険に加入していた人のうち、再就職先を探している人です。「1年以上」という期間は、同じ会社に1年以上勤めてから退職した人だけでなく、前職をやめた後で失業保険をもらわずに再就職した人が、「過去2年間の通算で1年以上雇用保険に加入している」という場合も該当します。

ただし、会社都合で辞めた人は加入期間が6カ月以上であれば失業保険を受け取ることが可能です。

「再就職先を探している人」というのは、実際に再就職を目指して活動している、就業の意思がある人を指します。そのため、会社を辞めてしばらく育児に専念するという人や、定年退職後に再就職のご予定がない人などは、失業保険の対象外となります。

失業保険でもらえる金額は、それまでに受け取っていた給料の50～80％程度です。具体的な金額はそれまでの給与額によって異なるため、ハローワークに問い合わせてみましょう。

また、この金額には年齢ごとの上限も定められているため、該当する場合は支給割合が50％以下になることもあります。

受給できる日数は、失業保険への加入年数や退職理由（自己都合か会社都合か）によって異なりますが、最低90日、最高で330日です（※）。なお、自己都合退職の場合、実際に失業保険が給付されるまでに3カ月間の給付制限期間があります。

※心身の障がいや社会的理由による就職困難者の場合は最高360日です。

失業保険のほかに受け取れる給付金として、教育訓練給付金があります。対象者や受け取れる金額を確認しましょう。

教育訓練給付金は、雇用保険に3年以上加入している人（※）か、退職している場合は退職から1年以内の人が、厚生労働大臣が指定した教育訓練を受講した場合に受け取ることができる給付金です。

ただし、受給のためには、前回教育訓練給付金制度を利用してから3年以上経過していることなどの要件を満たす必要があります。

※初めて利用する場合は1年以上の加入です。

具体的に講座の内容を知りたい人や、自分が条件を満たしているかを確認したい人はハローワークにお問い合わせください。

教育にかかった費用の20％相当額が、10万円を上限として支払われます。ただし、4,000円以下の場合は対象外です。また、かかった費用の50％（上限40万円）を受け取ることのできる「専門実践教育訓練給付金」という制度もあります。

職業訓練受講給付金は、失業保険の受給期間が終了した人や、受給要件を満たさず失業保険が受け取れない人などの中で、ハローワークで求職活動をしながら指定の職業訓練を受けている人が受給できる給付金です。受給金額は月額10万円と交通費（上限あり）で、受給期間は訓練が終了するまでです。

育児休業の取得は性別に関係なく与えられた権利で、この育児休業中に受け取れる給付金が「育児休業給付金」です。

1歳未満の子供を育てるために休業している雇用保険の被保険者の人が対象です。ただし、育児休業を取得する前の2年間に11日以上働いた月が通算12カ月以上ある人に限ります。失業保険の受給資格を得た経験のある人は、離職日以前の期間は該当しないため注意しましょう。

育休開始から6カ月間は、休業を開始する前の給料の67％相当額が支給され、その後は給料の50％相当額が支給されます。支給上限額は67％の場合は30万1,299円、50％の場合は22万4,850円となります（2025年9月現在）。

原則として、育児休業給付金はお子さんが1歳になるまでの育児休業期間に対して支給されます。ただし、保育所に入れないなどの事情がある場合は、1歳6カ月または2歳まで延長することが可能です。

ハローワークでもらえる手当には、ほかにも、ハローワークで求職申込をした後で病気にかかってしまって就活ができなくなった場合の「傷病手当」や、失業した日雇い労働者の人のための「日雇労働求職者給付金」などさまざまな種類があります。

手続きをすることで受給できる給付金を逃さないように、制度を十分理解しておくことが大切です。