タックスヘイブンの問題点とは?パナマ文書との関係や解決策を解説

リリース日:2019/01/25 更新日:2024/10/10

2016年にニュースを賑わせたパナマ文書。タックスヘイブンを使って租税回避していた大企業や富裕層の名前が明らかになりました。ところで、タックスヘイブンの何がいけないのでしょう? タックスヘイブンの問題点やパナマ文書との関係について、詳しく説明していきます。

タックスヘイブンの問題点とは?パナマ文書との関係や解決策を解説

もくじ

・タックスヘイブンの特徴

・タックスヘイブンの問題点

・パナマ文書とは?

・タックスヘイブン問題を解決するためのグローバル・タックス

・タックスヘイブンの日本への影響

・タックスヘイブン問題は解決できる?

タックスヘイブンの特徴

タックスヘイブンの特徴

タックスヘイブンとは租税回避地のこと。タックスヘイブンの定義はまちまちで、税金がまったくかからない国や地域を指すこともあれば、日本と比べて税率が低い国や地域を指すこともあります。パナマ文書で話題になったパナマ共和国もそのひとつ。ほかにはイギリス領のケイマン諸島やバージン諸島、ルクセンブルク、モナコ、ドバイ、香港などもタックスヘイブンとして挙げられます。

 

タックスヘイブンは法人税などの税金がかからないうえに、秘匿性が高いという特徴もあります。課税が行われないということは、収益や資産の状況を公開しなくてもいいということ。会社設立の際、本人ではなく第三者の名前でもいいというぐらいです。プライバシー保護というと聞こえはいいですが、この秘匿性が問題になることもあります。

タックスヘイブンの問題点

タックスヘイブンの問題点

タックスヘイブンそのものは法的に問題がありません。そもそもなぜタックスヘイブンがあるかといえば、自国の産業がない国や地域が、税金が安くなることを売りに、海外の企業を誘致することで経済を支えているからです。タックスヘイブンと企業にとってみればwin-winの関係といえるでしょう。しかし、その制度が悪用されてしまうこともあります。

 

・税逃れに利用される

日本の企業もこうしたタックスヘイブンに進出し、資産を移すことで日本での税負担を減らしてきました。これは節税の一種であり、咎められるものではありません。しかし、企業がその場所で事業を行う実体がなく、ペーパーカンパニーとして形式的に住所だけを移していることがあります。この場合は税逃れと思われても仕方ないでしょう。

 

・マネーロンダリングへの悪用

タックスヘイブンは秘匿性が高いため、マネーロンダリングに利用されてしまうことがあります。犯罪組織が被害者から集めたお金をタックスヘイブンの企業に送ることで、そのお金の出処がわからなくなるからです。タックスヘイブンを経由するとお金がきれいになるという意味で、「マネーロンダリング」と呼ばれます。

パナマ文書とは?

パナマ文書とは?

パナマ文書とはパナマの法律事務所から流出した機密文書です。1970年代から作成されてきたもので、オフショア金融センターを利用する214,000社の詳細が公開されてしまいました。日本でもソフトバンクのグループ会社や丸紅、伊藤忠商事、電通などの企業名が記載されています。記載のあった大手企業の代表者の個人名も報道されました。しかしまったく関係のない個人の名前も書かれており、第三者が勝手に名前を使った可能性も指摘されています。

タックスヘイブン問題を解決するためのグローバル・タックス

現在OECD(経済協力開発機構)がタックスヘイブンの解決に向けて動いています。中でも重視されているのが「グローバル・タックス」と呼ばれる政策。現在は国によって税制が異なりますが、地球規模で税制を共有しようというものです。グローバル・タックスには3本の柱があります。

 

1.漏れを防ぐ

世界の金融情報を透明化して、各国で情報を共有化します。

 

2.税をかける

金融取引税、地球炭素税、タックスヘイブン税などを別途課税する考え方です。

 

3.システムの透明化

集めたお金を適切に使用するための仕組みを作り、明らかにします。

 

グローバル・タックスが実現すると、地球規模で税収が増える仕組みです。タックスヘイブンで逃れてきた巨額の税金が納められ、地球規模の問題解決につながると期待されています。

タックスヘイブンの日本への影響

タックスヘイブンの日本への影響

パナマ文書をもとに行われた税務調査により、日本では数十億円規模の申告漏れがあることがわかりました。財務省はパナマと税務情報を交換する協定を締結し、パナマにある日本人の銀行口座を把握できるようになりました。

 

パナマ文書の流出以前から、日本ではタックスヘイブン対策税制を行っています。日本法人がタックスヘイブンに企業を進出させていても、日本との税率との差額を課税するというものです。2017年には税制改正が行われ、内容がさらに強化されました。特に事業実体のないペーパーカンパニーについては課税対象が広くなり、これまでは見逃されていた海外子会社でも、これをきっかけに課税される可能性が増えています。

タックスヘイブン問題は解決できる?

タックスヘイブンの問題点について詳しく解説しました。タックスヘイブンにはさまざまな利権が関わっており、一筋縄で解決できる問題ではないと言われています。しかしタックスヘイブンの問題を解決することは日本の税収を増やし、一般市民の暮らしにもつながってくるでしょう。これからもタックスヘイブンの報道について、注目していきたいところです。

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