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日本のインフレ率の推移から、資産を守る方法を考えよう!
自分の資産を管理するうえで忘れてはならないのが、資産を守るという感覚です。しかし実際のところ、ただ預金しているだけ・持っているだけで、資産を守ることはできません。私たちの資産を守ることに関係しているのがインフレ率です。その関連性を探ってみましょう。
もくじ
・日本のインフレ率が低い理由
・CPI消費者物価指数とは?
・日本のインフレ率の推移から考える、資産を守る方法
日本のインフレ率が低い理由
インフレとは「インフレーション(inflation)」の略称。昔は数十円だったものが、数百円に高騰していて驚いた経験は誰しもあるでしょう。缶ジュースの値段や初任給の推移などからも、インフレの推移を見ることができます。
例えば大卒初任給が25,000円だった時代と今の時代では、同じ10,000円でも重みが全く違うでしょう。しかし、この初任給から10,000円をそのままタンス預金していたとしても、現代での10,000円と価値は変わりません。つまり、インフレすることによって同じ10,000円であったとしても価値が違ってしまうのです。
基本的には景気が拡大するとインフレ率が上昇、つまり物価が上がる傾向にあります。しかし2018年5月、主要国のコアインフレ率は米国2.2%、ドイツ1.5%、日本0.1%でした。景気は拡大しながらも、インフレ率が上がらない状態となっています。
日本のインフレ率が上がりにくい理由は、家賃や公共料金にあります。日本は人口が減少している一方で住宅は増加傾向にある、家賃が上がりにくい環境です。また景気が良くなっても、公共料金や公共交通機関の料金はあまり上がりません。
さらにインフレ率が上がらない理由として、日本人の特性も挙げられるでしょう。日本人はもともと慎重で、物価上昇が続くと警戒して買い控える傾向があります。欧米などでは物価上昇すると、それに伴い労働組合の交渉で賃金も上昇するのが一般的。しかし日本ではその期待が薄いため、消費も控えざるを得ないのです。
結果として企業は商品の価格を上げるのではなく、コストカットして価格を安く、もしくは据え置きするような戦略を取ることになります。企業収益性が低いなかでの価格競争が進むことも、インフレ率が上がらない原因です。
CPI消費者物価指数とは?
もしインフレしたとしても、日常生活ではなかなか実感できないと考える方も多いでしょう。このとき注目したいのが、消費者物価指数という指標です。
消費者物価指数(CPI)とは、全国の世帯が購入する商品やサービスにかかる変動をあらわす指数のこと。基準となる年を100として、5年ごとに改訂されて算出されます。消費者物価指数が100以上となったときには物価は上昇、逆に小さくなっていれば物価が下落していることがわかるという仕組みです。
インフレ率を計算するときにも、今年の消費者物価指数から昨年の消費者物価指数を引き、100を乗じて算出されます。消費者物価指数は、2015年を基準とした場合2017年が100.4、1998年には100.1とほぼ横ばいであることがわかるでしょう。
日本は長く続くデフレから脱却するため、金融緩和などのさまざまな政策を強いてきました。現在のインフレ率の目標は2%。インフレすることで物価が上昇、その結果企業業績が上がり、賃金も上昇するというのが政府の描いているシナリオです。しかし、そこまでうまくいくかは未知数でしょう。
日本のインフレ率の推移から考える、資産を守る方法
日本のインフレ率が他国に比べて低いといっても、全く上昇していないわけではありません。長期的な視点に立てば、じわじわと物価は上昇中です。1980年と2014年の物価を比べてみると、即席カップ麺は60円から143円と倍以上になっています。
インフレ率が上がる一方で、日本の預金金利はどうでしょうか。ご存知のように日本は長期にわたる低金利で、インフレにはとても届きません。インフレ率が2%だとすると、資産運用で2%以上の利回りを得なければ、持っている資産の購買力をキープできなくなってしまいます。
世界的に有名な投資家ウォーレン・バフェットは、インフレを「歴史上、最も重い税金」と表現しました。自分で税金を支払っているつもりはなくても、お金の価値が変化することで資産が目減りしてしまうリスクを世界中の人が抱えています。
さらにウォーレン・バフェットは、インフレに対抗しうる手段として株式を高く評価。インフレしたときにインフレ率と同じか、それ以上の上昇が期待できるものに投資しておくことで、リスクヘッジになると考えられます。
しかしインフレ時だからといって、すべての不動産や投資商品が上昇するわけではありません。また企業によっても、インフレすることで業績アップが期待できるところと、そうでない企業があります。
世界国債は1.4%程度、来年以降のアメリカの利上げが気になるものの、目先ではインフレ率を上回る利回りを得られるかどうかは不明瞭です。しかし財政赤字に苦しむような国であっても、景気が良くグローバルな活躍が期待できる企業はたくさんあります。本格的にインフレが加速する前に、インフレに強く成長が期待できる企業に選定すべきでしょう。
貯金さえしておけば、将来的にも今と同じような生活水準をキープできると考えるのは、あまりに楽観的かもしれません。これは消費者物価指数が数十年前から見て、大きく上昇していることからもわかります。
世界株式の騰落率の長期平均は、年平均5.6%。また世界社債の利回りの長期平均も6.5%あります。グローバルな活躍のチャンスがある企業への投資も、検討が必要な時代といえるでしょう。自分の資産を守るためには、消費者物価指数やインフレ率から動向を読み取るとともに、そのときどきに合わせた投資対象を選定することが大切です。
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