人工知能が雇用を奪う?!AIは経済をどう変えるのか

リリース日:2019/01/15 更新日:2024/10/09

新聞やテレビでよく取り上げられるAI(人工知能)の話題。現在は人間が行っている仕事を人工知能が代わりに行うことで、雇用が奪われる可能性が指摘されています。2045年には全人口の1割しか働いていないという説も。そうなった場合、人間はどうやって収入を維持していけばよいのでしょうか。AI時代における経済の変化についてまとめました。

人工知能が雇用を奪う?!AIは経済をどう変えるのか

もくじ

・2045年には、雇用の大半が人工知能になる可能性がある?

・人工知能が経済格差と貧困を激化する

・経済格差対策のベーシックインカム

・これからの人間に求められるスキル

・人工知能によって生産性はどう変わるのか

2045年には、雇用の大半が人工知能になる可能性がある?

2045年には、雇用の大半が人工知能になる可能性がある?

2016年に発行された井上智洋氏の著書、『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』には、AIと経済の未来について書かれています。中でも多くの人に衝撃を与えたのが、「2045年くらいには、全人口の1割ほどしか労働していない社会になっているかもしれません」の部分。あくまで可能性の話ではありますが、9割の人が失業するとなると大変なことです。以前は「人工知能が発達すれば労働時間が減らせる」とポジティブにとらえられてきましたが、近年では「仕事をまるごと奪われる」とネガティブな考えに転換しつつあります。

 

井上氏によれば、人間の仕事として残るのはCreativity(創造性)、Management(経営・管理)、Hospitality(もてなし)の三分野としています。これらは人間の脳をコピーしたとしても、そっくり真似できない能力と考えられるからです。逆に言えば、これ以外の仕事はAIに取って代わられてしまうかもしれません。

人工知能が経済格差と貧困を激化する

人工知能が経済格差と貧困を激化する

AIの台頭が経済格差と貧困を深刻にする可能性についても指摘されています。かつて第一次産業革命が起こった際、機械に仕事を奪われることを懸念した職人たちがラッダイト運動(機械打ちこわし運動)を行いました。しかし一時的に機械に職を奪われても、人間には別の働き口があり、新たなスキルを身につけることで別の職に就くことができました。

 

もう少し詳しい話をすると、AIには特化型AIと汎用型AIの2種類があります。特化型AIは自動運転や画像認識、将棋、囲碁、チェスなど、一つの領域に特化したAIのこと。特化型AIのひとつであるアルファ碁が人間に勝ったことは大きなニュースになりました。一方、汎用型AIは特定の作業だけでなく、すべての能力において人間と同様の機能を持つとされるもの。プログラミングされていない機能も、自身の別の能力を組み合わせて対応する能力があります。

 

特化型AIは第一次産業革命における機械と似ていますが、汎用型AIは人間が生み出せる技術をすべて人工知能が奪ってしまう可能性があります。この時期がいつになるかは専門家によって見方が異なりますが、いずれ人工知能に職を奪われ、失業者が増える時代が来るかもしれません。

経済格差対策のベーシックインカム

経済格差対策のベーシックインカム

経済格差を解消するための一つの方法として考えられているのがベーシックインカム(BI)です。BIとは、一定のお金を国民に配るもの。所得に関係なく、国民全員にお金を配るのが特徴です。井上氏はAIが高度に発展したとしても、その運営は民間企業が行う必要があると考えています。AIを使って儲けた民間企業が税金を納め、そのお金を再分配するのがBIの考え方。生活保護や失業手当は支給対象者を認定し、支給額を計算するコストがかかるので、BIのように一定額を与えてしまうほうが無駄がないというのです。

 

ただしBIとしてみんなが贅沢をできるほどの金額は配れませんし、そうする必要もないというのが井上氏の説。まずは少額を配ってみて、国民がBIを実際に体感するところから始めてみたらいいと考えています。

 

BIは生活のためだけでなく、AIのためにも必要です。たとえAIが新たな商品を生み出したとしても、それを買う人がいなければ意味がないからです。BIはAIが生み出した経済を循環させる仕組みを担います。

これからの人間に求められるスキル

これからの人間に求められるスキル

井上氏によれば、これからはスペシャリストよりもゼネラリストのほうが有利だといいます。スペシャリストは特化型AIのようなAIに置き換えやすいのに対し、さまざまな技術を持ち合わせたゼネラリストのほうがAIにない能力を発揮できるからです。かつては「手に職をつける」ことが高く評価されてきましたが、AIの台頭によってその考え方が180度変わると言っても過言ではありません。

 

また、AIにも弱点はあります。中でも苦手としているのが問題を発見すること。過去に同じ事例があればAIが即座に指摘してくれますが、前例のない問題を見出すのは人間特有の仕事になるかもしれません。

人工知能によって生産性はどう変わるのか

日本では少子高齢化が問題になっており、働き手不足が深刻になっています。しかしこれがAIを開発するモチベーションになりうるという説もあります。日本がかつて産業用ロボットの開発でめざましい成果を上げたのも、人手不足で必要に迫られていたことが理由の一つ。AIの開発は日本にとって必要な課題でもあります。

 

AIを生産性向上の味方と見るか、職を奪う敵と見るかは立場によって考えが異なるところでしょう。しかし、AI時代はすぐそこまで来ています。人間にはAIと共存していく方法を探していくことが求められるのではないでしょうか。

この記事をチェックした人におすすめの記事




LINE友だち追加
Instagramフォロー
宮島ムー
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)/宅地建物取引士
宮島ムー

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

関西に住む子育て中の主婦です。 お金や不動産に興味があり、日商簿記1級・FP2級・宅建などの資格を独学で取得しました。 記事ではなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明するよう心がけています。

この記事をシェアする

よく読まれている記事 (掲載期間: 2024/11/17~2024/11/21)

はじめよう、いつか、君が困らないように

ラストメッセージ

人生の最期の日、その日は全ての人に必ず訪れます。あなたの遺すメッセージ・言葉は、これから先の未来を生きていく人にとって大きな励みになります。

参加者募集中

みんなのマネ活コミュニティ

みんなのホンネ

あなたの1票は多数派?少数派?みんなのホンネは投票後すぐにグラフに反映。Let'sポチっと投票!

 

  • Q&A
  • マネ活ラッキーくじ
  • 今月のマネー運占い|中嶋マコト先生の九星気学
  • 中途採用募集中!楽天カードで一緒に働きませんか?
  • あなたは何問わかるかな?マネ活クイズ
  • 楽天モバイル
  • 楽天Bic
  • 楽天グループ若手社員座談会
  • 楽天ビューティ
  • 楽天ふるさと納税
  • 楽天インサイト
  • 楽天ウォレット
  • 楽天スーパーDEAL
  • 楽天レシピ
  • 楽天西友ネットスーパー
  • 楽天ママ割
  • 楽天モバイル_スマ活
  • 楽天生命保険
  • 楽天市場
  • FinTech学割
  • 楽天エナジー
  • 楽天Car
  • 楽天損保