民泊新法とは?民泊で副業をする際に知っておきたい法律のこと

リリース日:2018/11/20 更新日:2024/10/04

外国人旅行客の増加に対応する有効な手段として関心を集めてきた民泊ビジネス。2018年6月15日には「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行となり、副業として民泊運営を始めたい人には良い契機となったことでしょう。そこで今回は、会社員が民泊副業を始めるにあたって知っておきたい法律や運営上の注意点を紹介します。

民泊新法とは?民泊で副業をする際に知っておきたい法律のこと

もくじ

・民泊の基本知識をおさらい

・民泊新法とは?

・民泊の問題点

・民泊新法で民泊が受ける影響とは

民泊の基本知識をおさらい

民泊の基本知識をおさらい

旅行や出張の際には旅館やビジネスホテル、シティホテルに宿泊します。これらは旅館業の基準をクリアした宿泊施設となり、安全で快適に過ごせる点がメリットです。ただ、もっと安く宿泊したい・日本人の文化を心ゆくまで体験したいと考えている訪日外国人観光客の需要に応えることができるかといえば、悩ましいところです。安く宿泊できるホテルは早くから予約が埋まってしまうことが多く、予算オーバーを余儀なくされる問題もでてきます。

 

そこで始まったのが、空き家やマンションの一部を貸し出す民泊です。オーナーが住んでいる状態のままゲストに1部屋を提供し、名産品を使った料理でもてなすなど特色のある取り組みで差別化する施設もあります。借りたい人・貸したい人をマッチングさせるサイトの普及も民泊市場の成長を後押ししました。

民泊新法とは?

民泊サービスが広まるに連れて、衛生面に対する不安や地域住民とのトラブルが問題視されるようになってきました。従来の旅館やホテルとの線引きが難しく、無許可営業を続ける施設が多かったことも問題になったポイントです。

 

これらの課題をクリアするために生まれたのが民泊新法です。日本国内で民泊運営を行う人は、以下3つの形態から1つを選ぶ必要があります。

 

・旅館業法の簡易宿所として運営する

・国家戦略特別区域法に則って、特区民泊の認定を受ける

・民泊新法に則って、住宅宿泊事業法の届出を提出する

 

民泊新法の届出を行うにあたっての主な要件として、生活の本拠地として使用されている家屋や入居募集がなされた住宅、賃借人もしくは転借人の居住の用に供されている家屋であることがあげられます。原則的には住居を対象にした制度のため、新築マンションを建設して民泊を始める人は対象外です。

 

また、年間180日を超えない範囲に営業を留めるなどの制限もあります。そのほかにも細かい規定はたくさんあるため、「民泊制度ポータルサイト」などを確認して理解を深めたうえで、申請手続きに着手しましょう。

民泊の問題点

民泊の問題点

それでは、個人が民泊を始めるにあたって注意したいポイントを見ていきましょう。まずは近隣住民への配慮です。夜中まで大騒ぎをしたり施設の近くにゴミを放置したりといったマナー違反がないように、宿泊者には十分な説明が必要です。民泊新法でも、宿泊者への説明・苦情対応をきちんと行うように定めています。各自治体でさらに厳しい条例を設定しているケースもあるため、事前に市町村役場に確認が必要です。

 

文化の異なる外国人の利用が多いのも民泊の特徴です。設備を壊してしまったり通常の宿泊では考えられないくらい部屋を汚してしまったりするケースもあります。修理費用や清掃費用の請求に応じてもらえない場合は管理維持にコストがかかり、経営を圧迫しかねません。請求をしたくても言葉が通じなかったり連絡がとれなくなったりというトラブルも起こりやすくなります。対処の仕方が確立するまでは、それ相応の覚悟が求められるでしょう。

 

物騒な話ですが、犯罪に使われる可能性があることも知っておきたいポイントです。民泊はホテルや旅館と違って利用者のチェックが甘くなりやすく、危険な人を泊めてしまうリスクがあります。情報掲載するマッチングサイトを精査するなど、被害を未然に食い止める対策も必要です。

民泊新法で民泊が受ける影響とは

民泊新法で民泊が受ける影響とは

民泊新法の施行によって、これまであいまいだった民泊の定義が明確化されました。規制を守って運営する限りはやりやすくなるものと考えられます。新法施行前は、旅館業の許可もしくは特区民泊の認定を受けないと法律の規定をクリアできず、副業で行うには負担が大きいものでした。民泊新法ができたことで個人にもチャンスが広がり、合法的な運営に乗り出すには非常に適したタイミングといえるでしょう。

 

では、合法的な運営を行うためにはどんな準備が必要でしょうか。運営者には、宿泊者の安全確保義務があります。非常用照明器具を設置したり避難経路を表示したりと、火災や地震が起こっても安全を確保できるような具体的対策が必須です。宿泊者の利便性を高めるため、家電製品や生活用品を整備することも事前準備の1つ。また、外国人利用者が不便を感じることがないように、日本語以外の言語で書かれた説明書も必要です。

 

犯罪被害を防ぐための準備として、宿泊者名簿の作成が義務付けられています。職業・氏名・住所を名簿にまとめて報告しなくてはいけません。近隣住民への配慮としては、民泊を行っている旨を知らせる表札を立てる・苦情窓口を設けるなどのルールがあります。

 

これらの規定を守れない運営者に対しては、業務停止・登録取り消し処分も行っていく方針です。参入障壁が下がったとはいえ簡単に始められるものではなく、十分な準備を行わないと法律違反になってしまうリスクがあることは、十分理解しておきましょう。

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この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)/宅地建物取引士
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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

大学卒業後に国内準大手証券会社、広告代理店勤務を経てフリーライターになりました。沖縄にふらっと来てから気付いたら住みついていて、目覚ましをかけない生活がマイブームです。AFP・宅地建物取引主任者資格保持。
お金に関する悩みは尽きないものですが、つらいことはなるべく考えなくても良いようにストレスを減らすことはできます。自然体で生活できて安定した家計を保持、もしもの時の備えもできるとしたら、すごくうれしいとは思いませんか? そんな生活を実現すべく、ライフプランや家計管理のアドバイスをさせて頂きます。

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