慰謝料とは精神的損額に対する損害賠償です。浮気や暴力などの有責行為に対して損害賠償が認められます。

慰謝料の額のボリュームゾーンは200万円から500万円。子どもの数や職業、収入、離婚原因などを総合的にみて、浮気された側にも問題があれば過失相殺されて減額されることもあります。

離婚に対する財産分与や不動産は慰謝料とはまた別の話です。財産分与とは夫婦で協力して築いた財産をそれぞれ分けること。不動産がある場合や住宅ローンが残っている場合も財産分与の対象になります。その場合は不動産を売却するか、夫婦のどちらかが引き継ぐことになり住宅ローンの名義も分割の際に問題になるでしょう。

慰謝料や財産分与とは別に、親権や養育費の算出も必要です。親権において一番大切なのが、子どもにとって一番良い解決法が何かという点です。

不倫が原因で離婚になった場合であっても、子どもに十分に愛情を注いでいれば親権を得られる可能性があります。ただし、不倫相手との密会で朝帰りや育児放棄があると不利になることもあるでしょう。子どもの意思や子どもにとっての幸せなどを総合的に考えて親権は決まります。

子どもの権利である養育費も慰謝料とは別に計算されます。養育費は子どもが成人するまでの生活費。慰謝料との相殺は禁止されています。

慰謝料の額はケースバイケース。さまざまな事情を総合的にみて決められるものなので、一概にいくらとは言い切れません。当事者の話し合いで決めることもできるので、1億円の慰謝料を払うなんて合意をすることもできます。

お金の問題だけで離婚を解決できるわけではありませんが、新しい生活を気持ちよくスタートさせるためにも、慎重に交渉を進めることが大切です。