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給与所得控除とは?働く女性と主婦のためのわかりやすい計算の解説
源泉徴収票の「支払金額」の隣に載っている、「給与所得控除後の金額」。支払金額から何かを引いた金額ということはわかっても、「給与所得控除って何?」と感じる方も多いでしょう。給与所得控除とはすべての給与所得者に対し、一定のルールで決められた控除額です。この記事では給与所得控除の意味と計算方法について、詳しく解説します。
もくじ
・給与所得控除とは
・給与所得控除の計算方法
・給与所得者の特定支出控除
・その他の所得控除
・パート主婦の給与所得控除と基礎控除
・フリーランス主婦には給与所得控除がないので要注意
・確定申告で税金がお得に?
給与所得控除とは
フリーランスの人が「これは経費」と言っているのを聞いたことがあるかもしれません。フリーランスは収入-経費で所得を算出します。たとえば100万円の売上として、事業にかかる仕入れや家賃その他で50万円の出費があったら、所得は50万円。ここから税金を計算するため、経費がたくさんかかればその分税金が安くなるのです。
1ヶ所の勤務先で年末調整を行っているサラリーマンは、フリーランスのように経費を計算することがありません。それでもスーツや仕事着、交際費や仕事に関係する書籍代など、自分でお金を払っていることがあります。その分を経費として給与から控除するのが、給与所得控除の考え方です。
給与所得控除の計算方法
計算方法は収入金額に応じて65万円~220万円と決まっています。2017年分~2018年分は以下のとおりです。(国税庁ホームページより)
給与所得控除額の計算方法はしばしば改正されます。1ヶ所の勤務先から給与を受け取っている人は職場の年末調整で自動的に計算してもらえるので、あまり意識することはないかもしれません。
給与所得者の特定支出控除
給与所得控除額よりも業務に関する経費がかかっている場合、条件を満たせばさらに上乗せして控除ができます。この対象になるのは、給与所得控除額の1/2以上の経費がかかっている人です。たとえば年収300万円の人は、給与所得控除額が108万円。その1/2は54万円なので、54万円を超える経費がかかっていることが証明できれば、その分も上乗せして控除できます。
特定支出の対象となるのは、通勤費、転居費、研修費、資格取得費、単身赴任の場合の帰宅旅費、図書費、衣服費、交際費が挙げられます。すでに補填されている分は特定支出の対象となりません。特定支出控除を受けるためには、給与支払者の証明と、支出を証明する領収書やレシートを添えて、確定申告することが必要です。
その他の所得控除
給与所得控除以外にも、さまざまな所得控除があります。税金を計算する際は、収入からすべての所得控除を行ったうえで課税所得を算出。そこに税率をかけて税金額が決まります。主な所得控除は以下のとおりです。
基礎控除:すべての課税者に適用される控除
雑損控除:災害や盗難による損害額の一部を控除
社会保険料控除:健康保険、国民年金、雇用保険などの支払額を控除。小規模企業共済等掛金控除:iDeCoなどの支払額を控除
生命保険料控除:生命保険の支払額の一部を控除
医療費控除:一定以上の医療費を支払った分を控除(要確定申告)
寄附金控除:義援金やふるさと納税などの寄付金の一部を控除(要確定申告)
障害者控除:納税者や扶養家族に障害者がいる場合の控除
パート主婦の給与所得控除と基礎控除
夫の扶養に入っているパート主婦がよく言われる「103万円の壁」というのも、給与所得控除に深く関わっています。所得税の基礎控除は一律で38万円です。年収103万円のパート主婦は、給与所得控除が65万円、基礎控除が38万円なので、課税所得は103万円-65万円-38万円=0円。つまり、所得税がかからないことになります。この場合は夫の側でも「配偶者控除」が適用され、夫の税金が安くなるというメリットがあります。
ただし、住民税の基礎控除は33万円です。自治体によって課税される最低ラインが異なるため一概には言えませんが、所得税が0円でも住民税がかかる可能性があることは覚えておきましょう。
フリーランス主婦には給与所得控除がないので要注意
フリーランス主婦が注意したいのは、給与所得控除がないことです。主婦=103万円の壁というイメージがあるため、100万円程度の収入なら非課税だと思われがち。しかしフリーランス主婦には給与所得控除がありません。
そのため、収入-経費が基礎控除の33万円を超えると住民税が、38万円を超えると所得税がかかってきます。在宅で小規模な収入を得ている主婦でも、1年間の所得が38万円を超えることはあるかもしれません。
フリーランス主婦が使える控除としては、青色申告特別控除があります。所得にかかる取引を複式簿記で記帳し、貸借対照表や損益計算書を作成することで、所得から65万円が控除可能です。この制度を利用するためにはあらかじめ税務署に申請する必要があるため、所得が38万円を超えそうなら手続きしておくと良いでしょう。
確定申告で税金がお得に?
給与所得控除をはじめとした所得控除について解説してきました。所得控除のなかには年末調整だけでなく、確定申告が必要なものもあります。確定申告をすることで税金がお得になることもあるので、ぜひチェックしてみてください。
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