確定申告のやり方を簡単に整理!必要書類や確定申告書の種類も解説

リリース日:2021/12/23 更新日:2024/11/06

確定申告に対して難しいイメージを抱いている方も多いかもしれません。しかし、確定申告の義務があるのに、期限内に行わなかった場合はペナルティが科されます。今回は、確定申告の対象者と申告方法、期限などを解説していきます。

  1. 確定申告は何のために必要なのか
  2. 確定申告が必要なケース
  3. 確定申告のやり方
  4. 確定申告の期限や準備する書類
  5. もし確定申告を忘れてしまったら
  6. まとめ

確定申告は何のために必要なのか

確定申告は何のために必要なのか

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に生じた個人の所得の合計を税務署に申告し、納めるべき所得税の額を計算する手続きのことです。翌年2月15日から3月15日の期間に税務署へ申告し、3月15日までに税金を納付する必要があります。

 

一定以上の所得があるとき、所得税を納めるのが国民の義務です。税額を計算し納付する手続きは、会社で働く人以外、基本的に自分自身で行うことになりますが、その手続きが確定申告です

確定申告が必要なケース

確定申告が必要なケース

自分で事業を営む自営業者やフリーランスの方はもちろん、会社員や公務員であっても一定の条件を満たす場合は確定申告を行う必要があります。以下でそれぞれ詳しく解説していきます。

 

・自営業、フリーランス
企業に勤めていない自営業やフリーランスの方には、会社員の場合のように代わりに税額計算や納税手続きをしてくれる存在がありません。手続きはすべて自分でやらなければならないため、必ず確定申告を行う必要があります。

 

ただし、年間の所得が所得控除額以下の場合は確定申告の必要はありません。所得控除額とは、所得の合計から差し引くことができる金額のことで、所得控除額が大きければ大きいほど納税額は少なくなります。

 

・会社員、公務員
会社員であれば「源泉徴収」や「年末調整」を通じて会社が税額計算や納税手続きをしてくれるため、基本的には確定申告を行う必要はありません。ただし、会社員や公務員であっても以下の条件を満たす場合には確定申告をしなければなりません。

 

・給与の年間収入金額が2,000万円を超える場合
・副業など給与所得以外の所得合計が20万円を超える場合
・2か所以上から給与を受け取っている場合
・住宅ローン控除、雑損控除、医療費控除などの控除を受ける場合

年によって確定申告が必要だったりいらなかったり、混乱するわよね…



確定申告のやり方

確定申告のやり方

確定申告は国に対して所得と納税額の申告、納税の手続きをするもので、誤りを避けたい重要な手続きです。ここでは、確定申告のやり方をはじめての方にもわかるように解説していきます。

 

確定申告の基本的な流れは、確定申告書に必要事項を記入し、必要書類と合わせて税務署に提出するという手順になります。提出方法は持参、郵送、オンラインの3種類です。持参する場合とネットで行う場合の2つのケースに分けて、確定申告のやり方を説明します。

 

・税務署で申告する場合
税務署にて確定申告を進める場合、まずは確定申告に必要な「確定申告書」を入手しましょう。

 

1. 国税庁の公式HPにてダウンロードして出力
2. 税務署や市区町村役場の税務課、または確定申告相談会場で受け取る
3. 郵送で税務署から取り寄せる

確定申告書には2種類あり、得ている所得の種類によって提出する様式が異なります。

 

確定申告書の種類

確定申告書の種類

ただし、確定申告書B様式は汎用的なものであるため誰でも利用できます。会社員などの給与所得者がB様式を利用しても問題はありません。

 

確定申告書が手元に来たら記入を進めていきます。確定申告書はA、Bそれぞれ第一表と第二表の2つから構成されています。それぞれ以下の項目を記入しましょう。会社員や公務員の場合は源泉徴収票を手元において書き進めましょう。

 

確定申告書 記載内容

確定申告書 記載内容

確定申告書の記入が終わったら、控除証明書などといった申告内容を証明する書類と合わせて税務署に提出します。税務署に提出する期間は、例年2月16日から3月15日の1ヶ月程度。期限ぎりぎりになると提出する人が多く、長時間並ぶ可能性もあるため、早めに提出まで済ませてしまうことをおすすめします。

 

なお、令和2年分の確定申告は新型コロナウイルス感染拡大を受け、申告期間が延長されました。原則は2月16日から3月15日となっていますが、必ず毎年期間を確認するようにしましょう。

 

また、確定申告書類の記入を終えたら税務署に直接持参するほか、郵送で提出することも可能です。

 

・ネット申告する場合
「e-Tax」とよばれる国税電子申告・納税システムを利用すれば、ネット上で確定申告書の入力から提出まで完了させることができます。e-Taxは確定申告の手続きだけでなく、個人や法人の税金に関するさまざまな手続きを進めることができるシステムです。

 

まずは、確定申告書の作成をネット上で進めていきます。確定申告書は、e-Taxソフトもしくは国税庁の確定申告書等作成コーナーにて作成が可能です。確定申告書等作成コーナーは、画面の案内に従って金額等の入力を進めることで確定申告書を作成できるシステムです。
国税庁の確定申告書等作成コーナーのページに進み「作成開始」をクリックします。税務署への提出方法の選択肢が出てくるので選択します。なお、ネット上で確定申告書のみ作成し、出力後に郵送で税務署に提出することも可能です。

 

案内に沿って入力を進めて確定申告書が仕上がったら、確定申告書データをe-Taxソフト(Web版)に取り込み、提出します。Web版ではなくインストールして利用するe-Taxソフトを活用した場合は、確定申告書の作成から提出までシステム上で一気に進めることが可能です。

なお、ネット上で確定申告書の提出まで済ませたい場合は、マイナンバーカードとICカードリーダー(マイナンバーカード対応のスマートフォンでも可)が必要です。いずれかがない場合は、税務署で事前にID・パスワードを発行してもらいます。

 

マイナンバーカードを持っている方であれば、「マイナポータルAP」というアプリを使ってマイナンバーカードの読み取りをすることで、スマートフォンやタブレットでも確定申告書類の作成が可能です。

ただし、スマートフォンやタブレットでの確定申告書作成ができるのは、給与所得や一時所得、雑所得がある人だけです。スマートフォンやタブレットだけでは青色申告決算書や収支内訳書などの作成はできないため、事業所得や不動産所得がある人は確定申告に必要な書類を全て作成することはできません。

 

確定申告書の作成が完了したら、e-Taxを利用して提出しましょう。

確定申告の期限や準備する書類

確定申告の期限や準備する書類

原則として、1月1日から12月31日の1年間の所得を申告する確定申告は翌年2月16日から3月15日までに行う必要があります

 

また、確定申告の際に準備する書類は所得の種類などによって異なりますが、一般的には以下の書類が必要となります。

 

・本人確認書類(マイナンバーが確認できる書類と身元確認ができる書類)
・印鑑
・確定申告書
・銀行口座番号がわかるもの
・所得がわかる書類(源泉徴収票や青色申告決算書など)
・控除証明書(控除を受ける場合)

 

個人事業主の場合は、青色申告者であれば青色申告決算書、白色申告者であれば収支内訳書が必要となり、会社員の場合は源泉徴収票を準備しておきましょう。また、ふるさと納税や医療費控除などの控除を受ける場合は、控除証明などの書類を準備する必要があります。

もし確定申告を忘れてしまったら

もし確定申告を忘れてしまったら

確定申告期限までに手続きを完了することができなかった場合や確定申告を行う義務があるのに申告しなかった場合には、相応のペナルティが科されてしまうため注意が必要です。

 

期限を過ぎて申告した場合は「期限後申告」となり、本来の納税額に加えて「無申告加算税」の支払いが求められます。つまり、「無申告加算税」とは罰金に相当する税金です。無申告加算税は、原則として本来納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%をかけて算出した金額です。ただし、税務署からの調査を受ける前に自ら申告した場合は5%に減額されます。

さらに、期限までに納税できなかったことに対するペナルティとして「延滞税」も加算されます。「延滞税」は原則、納付期限翌日から2カ月以内に納税すれば年7.3%、2ヶ月を過ぎてしまうと倍額の年14.6%です。

また、確定申告を行う義務があるのに故意に申告しない行為は、脱税行為です。税法違反となり、刑事罰を科されることもあります。

まとめ

確定申告のやり方や期限、準備が必要な書類などについて解説してきました。税金を納めることは国民の義務です。しっかりと期限内に確定申告を終えられるよう、はやめに準備を進めていきましょう。

 

金融取引をしている場合、口座種類や損益の状況などによって確定申告が必要になったり、確定申告をしたほうが有利になったりします。楽天証券のサイトには、確定申告について解説している動画なども掲載されています。参考にされてみてはいかがでしょうか。

このテーマに関する気になるポイント!

  1. 確定申告が必要なケースは?
    自営業やフリーランスのほか、次の条件を満たす会社員は確定申告が必要となります。
    ・給与の年間収入金額が2,000万円を超える場合
    ・副業など給与所得以外の所得合計が20万円を超える場合
    ・2か所以上から給与を受け取っている場合
    ・住宅ローン控除、雑損控除、医療費控除などの控除を受ける場合

  2. 確定申告の期限は?
    原則として、1月1日から12月31日の1年間分の確定申告を翌年2月16日から3月15日までに行わなければなりません。

  3. 確定申告を忘れてしまった場合どうなる?
    「無申告加算税」や「延滞税」などを支払う義務が生じます。忘れてしまったことに気付いたら、すぐに申告をしましょう。

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やっちゃん
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士、AFP)
やっちゃん

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

対法人向けに保険のコンサルティング営業を行う中で、FP知識に興味を持ち独学でFP2級・AFPを取得。その後、家計管理や資産運用についてマンツーマンで1人1人の状況に合わせたアドバイスや運用方法を指南。現在主に金融分野のライターとして活動中。

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