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生前贈与とは?贈与のしくみ、注意点、税の軽減が受けられる贈与の紹介
生前贈与についてわかりやすく解説。「自分が元気なうちに」「必要な時期に有効に使ってもらいたい」と考えても法律が難しくてどうしたらいいのか分からないため、結局あと回しにしている方は多いと思います。今回はそういった方にとって入口となり、当事者同士で話し合いをするきっかけとなるような情報を司法書士の市川先生がご紹介します。
生前贈与とは
贈与とは、贈与をする者(贈与者)が贈与を受ける者(受贈者)へ財産を無償で与えることをいい、一般的な種類として次のような贈与の方法があります。
1.生前贈与 贈与契約に基づいて、贈与者の生前に行う贈与
2.死因贈与 贈与契約に基づいて、贈与者の死亡時に行われる贈与
3.負担付贈与 受贈者に義務を課した上で行う贈与。
4.定期贈与 当事者の生存中に定期的な給付を行う贈与
生前贈与をするうえで注意する点
1. 贈与税を考慮する
贈与税の税率は非常に高いため、第一に税金を考慮するところから始まります。
税理士や税務署の意見を聞きながら、どのような方法で贈与をするのかを検討します。
2. 生前贈与する財産のバランスを考慮する
贈与者の死亡時に、生前の贈与が相続人との間で問題となる場合があります。
死亡前1年以内に相続人以外にされた贈与は相続財産として算入されるため、相続人から遺留分を請求されることがあります。
なお、相続人への生前贈与は、死亡前10年以内のものを算入されるため、注意が必要です。
財産の処分方法は個人の自由ですが、争いの種を残さないためにも遺留分を検討した上で贈与をする事をおすすめします。
※遺留分とは
本来取得することができた相続財産に対して配偶者と子は2分の1、直系尊属は3分の1については相続人から請求することができる権利
3. 契約書を作る
贈与は口約束でも成立しますが、契約書を作成することで、無用なトラブルを避けることができます。
4. 記録を残す
贈与した記録を残すことで、後日の証明となります。
家族間であっても、振込等の記録が残る方法をお勧めします。
贈与税の特例のある生前贈与の例
1. 教育資金の生前贈与
令和5年3月31日までに行う贈与で、30歳未満の受贈者が父母や祖父母などから教育資金に充てるため、金融機関等との契約に基づき、取得した金銭を銀行等に預入をした場合には、金銭の価額のうち1,500万円まで(学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円を限度とする。)の金額に相当する部分の価額については、取扱金融機関を経由して申告書を提出することにより、贈与税が非課税となります。(一部抜粋)
教育資金の範囲
(1)学校等に対して直接支払われる次のような金銭。
①入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費又は入学(園)試験の検定料など
②学用品の購入費、修学旅行費や学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用など
③上記に充てるための金銭で、学生等の全部又は大部分が支払うべきものと学校等が認めたもの
④通学定期券代、留学のための渡航費などの交通費
(2)学校等以外の者に対して直接支払われる次のような金銭で教育を受けるために支払われるものとして相当と認められるもの。
①学習塾や水泳教室などに直接支払われるもの
②教育(学習塾、そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など
③スポーツ(水泳、野球など)又は文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)にかかる指導への対価など
④その他教養の向上のための活動に係る指導への対価など
⑤上記で使用する物品の購入に要する金銭
2. 結婚・子育て資金の生前贈与
令和5年3月31日までに行う贈与で、20歳以上50歳未満の受贈者が、父母や祖父母などから結婚・子育て資金に充てるため、金融機関等との契約に基づき、取得した金銭を銀行等に預入をした場合には、金銭等の価額のうち1,000万円までの金額に相当する部分の価額については、取扱金融機関を経由して申告書を提出することにより贈与税が非課税となります。(一部抜粋)
結婚・子育て資金の範囲
(1)結婚に際して支払う次のような金銭をいいます。(300万円を限度とする。)
①挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
②家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)
(2)妊娠、出産及び育児に要する次のような金銭をいいます。
①不妊治療・妊婦健診に要する費用
②分べん費等・産後ケアに要する費用
③子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)
まとめ
子育てや教育にかかる費用は、現役世代にとって負担が大きいのが現実です。
入り口は難しいかもしれませんが、特例を有効活用してベストなタイミングで生前贈与を行うことが重要です。
FAQ
- 生前贈与とは
贈与契約に基づいて、贈与者の生前に行う贈与 - 生前贈与をするうえで注意する点
・贈与税について税理士や税務署に相談
・生前贈与する財産のバランスを考慮
・契約書を作る
・振込など記録が残る方法をとる - 税の特例のある贈与例
・教育資金:1,500万円まで(学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円を限度)非課税
・結婚・子育て資金:1,000万円まで非課税
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