宝くじに税金がかからないは嘘!?税金がかかる注意すべきケース

リリース日:2020/12/23 更新日:2024/10/29

宝くじの当せん金は非課税ですが、購入方法や受け取り後のお金の使い方によって中には税金がかかってしまう場合も。共同購入をして代表者が当せん金を受け取ったり、当せん金を誰かにあげたりすると贈与税がかかる可能性があります。この記事では共同購入での注意点と贈与税の申告方法などを解説します

宝くじでは、大きなお金が動きます。宝くじの公式サイトをみると、令和元年度における宝くじの販売実績額は、7,931億円となっていました。そのうち当せん金として、当せん者に支払われたのが3,684億円、全国の都道府県と20指定都市へ納められた公共事業などに使われたのが3,054億円です。大きなお金が動くと気になるのが税金です。宝くじで当せんした大金を得た場合、税金はどのようになるのでしょうか。ここでは宝くじに関連して、税金がかかる可能性について紹介していきたいと思います。

 

  1. 宝くじの当せん金は非課税
  2. 宝くじで税金がかかるケース
  3. 宝くじの当せん者から贈与を受けたら

宝くじの当せん金は非課税

宝くじの当せん金は非課税

宝くじを購入して当せんすると、大金を手にする場合があります。一度に大きな収入があると、納める税金も高くなるのではないかと心配になるかもしれません。しかし、宝くじの当せん金は「非課税」となっているので安心です。宝くじに関しては「当せん金付証票法(とうせんきんつきしょうひょうほう)」という法律(通称、宝くじ法)で定められています。このなかの第13条に「当せん金品については、所得税を課さない」と記されているのが確認できます。

所得があるのにもかかわらず、税金がかからないという非課税所得は、宝くじの当せん金以外にもいくつかあるので紹介しておきましょう。まず会社員など給与所得者の場合、通勤手当は非課税となっています。ただし上限はあります。また心身や資産に損害を受けたとき、損害保険金・損害賠償金・見舞金などを受け取っても課税されません。そのほか雇用保険・健康保険・国民健康保険からの保険給付なども、非課税所得となります。ちなみに新型コロナウイルスの流行に際して、経済対策として給付された特別定額給付金も非課税です。

所得税と並んで身近な税となっているのが消費税。2019年10月の増税では、どのようなものが軽減税率の対象になるか話題になりました。消費税についても、非課税となる取引がいくつかあります。たとえば住宅の貸し付け。家賃に消費税はかかりません。不動産の取引に関しては、建物には消費税がかかるのですが、土地には消費税がかからないという違いがあります。教育関連では、学校の入学金や授業料などには、消費税がかからないことになっています。

宝くじで税金がかかるケース

宝くじで税金がかかるケース

宝くじを購入した人が当せん金を受け取っても、税金はかかりません。しかし当せん金を家族にあげたり、仲間うちで分配したりすると「贈与税」がかかるので注意が必要です。贈与税は、個人から財産の贈与を受けた人に課される税金。財産を渡した側ではなく、受け取った側に納税の義務が生じます。暦年課税という方式では、110万円の基礎控除があり、税率は最大55%です。

 

当せん金のうち1,000万円をほかの人にあげた場合、贈与税はどれくらいになるでしょうか。一般的な例で計算してみましょう。110万円の基礎控除があるので、課税価格は890万円。贈与された金額が600万円超、1,000万以下での税率は40%。計算する際の控除額が125万円あるので「890万円×40%-125万円=231万円」と計算できます。大きな納税額になるのがわかります。

 

 宝くじで税金がかかるケース

 

宝くじを購入するとき、数人でお金を出し合って共同購入するという場合もあるでしょう。代表として1人が当せん金を受け取ると、共同購入した仲間に当せん金を分配した際に贈与税がかかってしまいます。

 

これには対策もあるので、知っておくとよいかもしれません。贈与税がかからないようにしたい場合は、共同購入した人全員で、当せん金を受け取りにいきます。銀行が発行する「宝くじ当せん証明書」に各自が受け取る金額を記載してもらうと、それぞれが宝くじの当せん金として受け取れるのです。贈与されたお金ではなく宝くじの当せん金になるため、税金はかからないということになります。

宝くじの当せん者から贈与を受けたら

宝くじの当せん者から贈与を受けたら

財産の贈与を受けた人は、贈与税について申告が必要となる場合があります。ある人が宝くじの当せん金を受け取った場合、その人に所得税はかかりません。しかし、受け取った当せん金の中からさらに別の人にお金を贈与したときには、贈与された人が贈与税の申告をすることになるのです。

 

贈与税では「暦年課税」と「相続時精算課税」が選択できます。暦年課税の場合、1年間に贈与を受けた財産の合計額が、基礎控除の110万円を超えると贈与税の申告が必要になります。申告の際には贈与税の申告書を、贈与を受けた人の住所地の所轄税務署長に提出することになりますが、郵便での送付やe-Taxも利用可能です。

 

なお父母や祖父母など、直系尊属からの贈与では一定の金額が非課税になる特例があります。対象となるのは住宅取得や教育資金、結婚・子育て資金などです。条件を満たすことが必要ですが、家族が宝くじで当せんした場合など、贈与税の特例を知っておくと活用できるかもしれません。

 

このように宝くじでは、当せん金を受け取っても税金はかかりませんが、そのお金をほかの人に贈与したときに課税される場合があります。住宅や結婚、子育ての資金では、贈与税が非課税になる特例もあります。当せんしたときに備えて、有利な贈与の方法を計画しておくのもよいでしょう。

参照元:贈与税|国税庁

宝くじはスマホやPCなど、ネットで購入することができます。楽天銀行で購入できるのは、ロトやナンバーズといった「数字選択式宝くじ」。当せん金が、自動的に楽天銀行口座に振り込まれるので便利です。ロト7は、1口300円で当せん金額は最高10億円。毎週金曜が抽選日です。当せん後の贈与の仕方について考えるのも、楽しみのひとつになるかもしれません。

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黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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