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失業保険はすぐにもらえない? 待期期間や離職理由による給付制限を解説
失業保険(雇用保険の基本手当)は求職者向けの給付。給付までは7日間の待期期間があります。さらに、理由のない自己都合退職では3ヶ月の給付制限期間がプラスされます。失業保険がもらえるまでの期間をまとめました。
失業保険とは?
本来、失業保険という保険は存在しません。一般的に失業保険というのは、雇用保険の失業等給付、中でも基本手当を指すことが多いです。
基本手当は失業中の生活を心配しないで再就職活動ができるように行われる給付です。求職者向けの手当なので、ただぼんやりしているだけではもらえません。ハローワークで求職の申し込みを行い、求職活動を行っているにもかかわらず就職できない「失業の状態」にある場合のみ支給されます。
基本手当は離職する前に一定期間雇用保険に入っていないと受け取れません。雇用保険は事業主が加入するもので、離職前に受給資格を満たしているか、確認したほうが良いでしょう。
失業保険受給の流れ
雇用保険の基本手当をもらうまでの流れを簡単に説明します。
1. 離職
会社からハローワークに離職証明書を提出します。この離職証明書には離職者本人が記名押印することになっているので、離職理由などの記載内容が合っているか確認したうえで記名押印します。
離職後、会社から本人に離職票が交付されます。
2. ハローワークで手続きをする
住所地を管轄するハローワークで求職の申込みと受給の申込みをします。このとき、離職票、マイナンバーが確認できる書類、本人確認書類、証明写真(3.0×2.5cm 2枚)、印鑑、口座番号がわかる通帳またはキャッシュカードが必要です。
3. 雇用保険受給者初回説明会
指定された日時に出席します。
4. 失業の認定
ハローワークで4週間に一度、失業状態にあることの認定を受けます。この期間中、原則として2回以上求職活動をしなければなりません。求人への応募や、ハローワークでの職業相談、各種講習・セミナー受講が求職活動として認められます。
5. 受給
認定日から通常5営業日で、基本手当が振り込まれます。
失業保険の待期期間とは?
仕事をやめてもその次の日から基本手当がもらえるわけではありません。基本手当がもらえるまでの期間は退職理由によって異なります。
・申請から7日間は待期期間
どのような理由でも、離職票の提出と求職の申請を行った日から通算して7日間は基本手当が支給されません。これを待期期間といいます。「待機」期間と間違えやすいですが、雇用保険では「待期」期間が正しいです。
・自己都合による離職はさらに3カ月の給付制限
正当な理由のない自己都合で退職した場合や、自己の責に帰すべき重大な理由で解雇された場合は、待期期間にプラスして3カ月の給付制限があり、この間の基本手当は支給されません。
・紹介拒否は1カ月の給付制限
ハローワークからの職業の紹介や、支持された公共職業訓練等を正当な理由なく拒んだ場合には、その日から1カ月基本手当が支給されません。
・実際に給付金を受け取れるのはいつ?
初めての基本手当が振り込まれるまでには、給付制限がない人でも約1カ月かかります。
会社都合と自己都合とは?
離職理由は会社都合と自己都合という言葉で分類されますが、正確には「会社都合」「特定の理由のある自己都合」「特定の理由のない自己都合」で扱いが異なります。3カ月の給付制限があるのは「理由のない自己都合」です。
・会社都合
会社都合による離職は「特定受給資格者」と呼ばれます。倒産や事業所の廃止、事業所の移転など働く場所がなくなったケースや、解雇(本人の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)、賃金不払い、上司や同僚からの嫌がらせなど、働く場所にいられなくなったケースが当てはまります。
・理由のある自己都合
直接会社の都合ではないものの、特定の理由があれば「特定理由離職者」になります。例えば契約の更新がされなかったケースや、体調不良、家族の介護、結婚に伴う住所の変更、交通機関の廃止で通勤できなくなったケースなど、幅広く適用されます。
・理由のない自己都合
「なんとなく」とか「転職したくなったから」など、特定受給資格者や特定理由離職者に当てはまらない離職者です。
離職理由が食い違う場合は?
本来は会社都合にもかかわらず理由のない自己都合にされたなど、会社と離職者で理由が食い違うケースがあります。この場合はハローワークが事実関係を確認して判定するため、泣き寝入りせずに相談することをおすすめします。
自己都合退職の給付制限期間は短縮される方向へ
政府は多様な働き方を推進するため、理由のない自己都合退職の給付制限期間を3カ月から2カ月に短縮する方向で検討しており、2020年度中には適用される見込みです。
給付制限が短縮されたとしても、離職から基本手当が振り込まれるまでには3カ月ほどかかります。その間の生活のためにも、普段からコツコツ貯蓄しておきたいですね。
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